楽曲解説:くだらない唄 vol.1 – 電車の中で作った唄-

くだらない唄はBUMP OF CHICKENの楽曲の中でも、アマチュア時代から演奏され続けている古い曲です。ミドルテンポでクラシカルなコード進行と若者の青い日常を歌った歌詞が、10代当時の等身大のBUMP OF CHICKENを表現しています。今回はメンバー自身の貴重なインタビューとともにくだらない唄について紹介します。




電車の中で書いた曲

Wikipedia – 京成本線より –

くだらない唄は1995〜1996年の間に書かれ、この頃ボーカルの藤原基央さんは高校を退学し上京して生活していました。直井さんが調理師学校の専門学校生を卒業するまでは直井さんの実家居酒屋おおいわがBUMP OF CHICKENの練習スタジオになっており、藤原さんもその都度佐倉に帰省していました。半分上京、半分地元の生活をしていたのです。

これは電車の中で書いたんです。僕は当時東京に出ていて、16から17になるまでの春かな?火曜日か日曜日、どっちか忘れたけどチャマ(直井由文)ん家で練習してたんで、電車に乗ってチャマん家に帰ってたんです。その最中に、もうまとまりそうなアイディアが頭の中にいっぱいあって、電車の中でまとめてたんです。 – 藤原 –

正確にはバンドの練習日は火曜日で、今でも居酒屋おおいわは火曜日を定休日にしています。いつでも彼らが練習できるように。

藤原さんは直井さんとの同棲終了後は初台に住んでいました(おそらく京王線+都営新宿線+京成線)が、くだらない唄の当時は都内のどの路線に乗っていたかは不明です。しかし京成臼井が最寄駅なので都内以外は京成線であることは間違いありません。




日本語詞の曲でかなり古い曲

ボーカルの藤原基央さんが書いた初めて書いた日本語詞の曲は”ガラスのブルース” (1995年)、その次が”BUMP OF CHICKENのテーマ”(1995年)です。過去の発言によりアルエやリトルブレイバーよりも古いことがわかっており、現在発表されている日本語詞の曲では3番目に古い曲です。FLAMEVEINの収録順もガラスのブルース→くだらない唄→アルエとなっておりその可能性が高いです。

ちなみにFLAMEVEINの作曲順の詳細は不明ですが、過去の発言によりある程度推測することができます。

FLAMEVEIN 作曲順DANNY (1995)

ガラスのブルース (1995〜1996)

くだらない唄    (1995~1996)

アルエ / ナイフ  (1997)

リトルブレイバー  (1997~1998)

とっておきの唄   (1998)

ノーヒットノーラン (1998~1999) *筆者調べ


青春ソング


宿内公園(たんぽぽ丘)

くだらない唄の歌詞はTHE 青春という言葉がふさわしいほどのみずみずしい若さが現れています。私の好きな歌詞の一部を抜粋します。

かみさま小さな2人に

今夜だけ魔法を唱えてくれ

僕らが大人になっても

この丘を忘れぬように

//

かみさまぼくはふるえてる

背広もネクタイも見たくないよ

Tシャツに昨日染み込んだ

たんぽぽの匂いが忘れらんない

きのうのおかでひとりきり

あなたがくるのをひたすらまった

くるはずないよ わかってた

ぼくはまだふるえてる

– くだらない唄 –

「背広もネクタイも見たくない」という表現が、このままずっと今が続けばいいなという願いと、先に進むことへの不安、環境が変わっていくことをうまく表しています。そして「あなたがくるのをひたすら待っ」ても来ないこと、周りが変わっていくこと、置いてけぼりになることへの寂しさが伝わる歌詞です。

藤原さん自身もこの曲が自分たちの青春を表していると自評しています。

今チラッと歌詞カード見てたんですけど、一番青春の感じが出てるみたいな気がしますね(笑) – 藤原 –

<終わりに>

バンプの中での数少ない青春ソングは、今でもアンコールで演奏されています。「10年後の同じ日に」と歌ったあの日から10年以上経ちネクタイで迷わないで4人仲良くバンドをやっているのは微笑ましいですね。

京成線から下り線に乗る時は、車窓を見ながらくだらない唄を聴いてみるのがオススメです。きっと藤原さんも同じ景色を見ながらこの曲を作ったのだと思います。