楽曲解説:ジャングルジム vol.1 「大人」と「少年」と舞台となった公園

ジャングルジム:基本情報作詞作曲:藤原基央
作曲時期:2017年1-2月
録音時期:2018年1-2月
リリース:2019年7月10日 9th Album 『aurora arc』

「ジャングルジム」はBUMP OF CHICKENの『aurora arc』に収録されているアルバム曲です。藤原基央さんのギターと歌声のみというシンプルな楽曲です。

この記事では「ジャングルジム」の歌詞の意味・解釈や制作背景を紹介します。



ギター1本の弾き語り楽曲

アコースティックギターを録音する藤原基央 embedded from instagram@boc_chama_9

「ジャングルジム」は優しい童謡のようなメロディが印象的です。学校音楽のような純朴な歌を彷彿とさせます。

2017年1-2月にギター1本でデモ音源を録音した「ジャングルジム」は、バンドアレンジが決まらないまま2年が経ちました。

藤原 – で、その2年ぶりに録ったデモをみんなに聴いてもらったら、『弾き語りでいいじゃない?』と。やっぱそうなんだなと思いました。

引用:CUT 2019年07月号 

完成版も弾き語りとして録音することになった「ジャングルジム」。アルペジオとストロークという2つの演奏法を使い分け、1本のギターでサウンドに抑揚をつけています。


ジャングルジムの舞台となった公園の場所

そもそも歌詞に登場するジャングルジムは実在するのでしょうか。藤原基央さんはこれまで実在の場所のことを歌にすることが多く、今回も実際に記憶にある光景を歌にした可能性が高いです。

実在する場合、候補は2つあります。1つは佐倉市王子台ある「生谷公園(おぶかい公園)」です。藤原基央さんが卒業した小学校のすぐ近くに位置しジャングルジムがあります。

生谷公園(おぶかい公園)

※公園の比定は管理人の推測です。近隣や公園利用者の迷惑になりますので現地へ行く事は推奨しません。

御伊勢公園(おいせ公園)

もし小学校ではなく中学校時代の情景の場合、「御伊勢公園(おいせ公園)」の可能性もあります。駅前に位置し人が集まりやすい公園です。(管理人が「アルエ」などが生まれるきっかけとなる高校時代のBUMP OF CHICKENメンバーがたむろしていた公園だと推測していた公園です。)

※公園の比定は管理人の推測です。近隣や公園利用者の迷惑になりますので現地へ行く事は推奨しません。

「あれから大人になった今」

「ジャングルジム」では少年時代に過ごした公園と大人になって乗る列車という2つの情景を引き合いに出して、心のサンクチュアリや普遍的なテーマを歌っています。

 

ジャングルジム  1:38〜
あれから大人になった今 色々忘れた顔をして
沢山の知らない人達と レールの上で揺られてる
行きも帰りも大差ない 自画像みたいな顔をして
転ばないように掴まって あるいは座って運ばれる

引用元:ジャングルジム / 作詞作曲 Motoo Fujiwara (2019年)

<レールの上>や<運ばれる>という言葉にとても「受け身」の印象をうけます。大人になるに連れて、自分の意思が及ばない事や周囲に動かされる事が増えてきますよね。すごく共感しました。

藤原さんは「ほんとのほんと」(『firefly』のカップリング曲) でも同じことを歌っていました。

ほんとのほんと  1:38〜
大人の顔をしてから 生き方がちょっと雑になった
普通のことだし 普通が大変で 時間に大体運ばれた

引用元:ジャングルジム / 作詞作曲 Motoo Fujiwara (2019年)

「少年」と「大人」というのは藤原さんにとって昔から感じるテーマなのかもしれませんね。

それでも心を突き動かすなにか

中盤Cメロ(2:47〜)で曲調が変わります。指弾きのギターアルペジオは力強いストロークに変わり、キーもG♭からE♭に転調し、場面が変わります。

ジャングルジム  2:47〜
例えば最新の涙が いきなり隣で流れたとしても
窓の外飛んでいく 電柱や看板と同じ

引用元:ジャングルジム / 作詞作曲 Motoo Fujiwara (2019年)

他人の涙を<窓の外飛んでいく 電柱や看板と同じ>と捉えてしまうこと、私はすごく共感しました。

年齢を重ね、物事を経験して色々なことに「慣れた」大人。感情が鈍化していくような、使い古したような気持ちをリサイクルしているような感覚です。

藤原さんはその慣れの中で「それでも突き動かす何か」を捉えています。

ジャングルジム  3:09〜
それでもどうしてだろう つられて泣いてしまいそうな
名前もわからないのに 話も聞いちゃいないのに

引用元:ジャングルジム / 作詞作曲 Motoo Fujiwara (2019年)

大人になって感情が鈍化する中でさえ、輝く何かを持っていることを歌っているように思えました。藤原さんにとってのジャングルジムは少年性の象徴なのかもしれません。



結成20周年のムードに関係なく生まれた楽曲

2017年1〜2月頃、BUMP OF CHICKENは結成20周年イヤーの締めくくりのムードがありました。

藤原基央さんはその雰囲気の中で「リボン」や「流れ星の正体」を書きます。どちらも20周年や雑誌連載の節目がきっかけとなった2曲です。

一方で「ジャングルジム」と「記念撮影」はそのムードに関係なく生まれました。

藤原 – でも、”記念撮影”と”ジャングルジム”は、そういう(20周年の締めくくりの)流れも何もなく、空いている時間にスタジオ入って書けた曲なんですよね。

引用:CUT 2019年07月号

近年書き下ろしのオファーが増え、外的要因によって誘引される作曲形態が多くなりましたが、自然状態でふっと書かれる歌詞も藤原さんの良さが現れていますね。

以上、「ジャングルジム」の歌詞の意味と制作エピソードを紹介しました!