楽曲解説:流れ星の正体 vol.2 「Fujiki」連載から生まれた楽曲と歌詞の意味

流れ星の正体:基本情報作詞作曲:藤原基央
楽曲構成:AB構成
作曲時期:2017年1月19日-20日にかけての深夜
デモ録音時期:2017年1月20日-28日

「流れ星の正体」はBUMP OF CHICKENの楽曲です。ボーカル・ギターの藤原基央さんが雑誌連載の最終回で綴った詞にメロディが付けられた楽曲でもあります。



今回は「流れ星の正体」の歌詞の意味や解釈、制作エピソードについて紹介します。

「 B-PASS」連載コラム「Fujiki」と藤原基央

「Fujiki」とは音楽雑誌「B-PASS」で連載されていた藤原基央さんのコラムです。1999年から掲載され、当初は「藤原基央のインテリ日記」というタイトルでした。

第1回「藤原基央のインテリ日記」B-PASS 1999年10月号 embedded from Pinterest 

「Fujiki」では藤原さんの考えや暮らし、バンドの状況、読者からの質問に答えたりをして情報発信をしてきました。10代から30代まで、BUMP OF CHICKENの変化を知る上で貴重な資料となっています。

「Fujiki」最終回で藤原が詞を綴る

約17年間担当した「Fujiki」は2017年に第154回をもって連載終了を迎えます。

2017年1月19日から20日にかけた深夜、藤原さんは最終回をどう書くか思いを巡らせ、詩のような文章を綴りはじめました。

第154回「Fujiki」B-PASS embedded from https://pbs.twimg.com/media/D35zI28UEAE6AtO

そして藤原さんはギターで歌いながら曲を作り「流れ星の正体」という楽曲が出来上がりました。

「Fujiki」の最終回には「流れ星の正体」の1番の歌詞と作曲経緯が藤原さん自身の言葉によって綴られています。

この曲はファンとのコミュニケーションの場「Fujiki」がきっかけで生まれたという意味で、BUMP OF CHICKENの楽曲の中でも特徴的な1曲だといえます。


藤原の作曲新章のはじまりとなる1曲

エレキギターに3カポをつけて演奏する藤原基央 embedded from instagram@boc_chama_9

メンバー vol.10 – 楽曲キーの分析と変」という記事でも書きましたが、2017年以降に藤原基央さんの作曲手法に大きな変化が見られます。それはA#キー (レギュラーチューニング)の使用です。

レギュラーA#キーの楽曲流れ星の正体*, リボン*, 記念撮影, 話がしたいよ, 新世界, Aurora etc.

A#キー使用のきっかけとなった「流れ星の正体」はBUMP OF CHICKENの楽曲の中でもとても大きな意味を持ちます。

「流れ星の正体」以降、多くの楽曲でA#キーが使用されるようになり、その派生系として3カポ使用楽曲が生まれます。

3カポの楽曲記念撮影, 涙のふるさと(Pathfinder ver.), 月虹, 話がしたいよ, 新世界, Aurora etc.

関連記事:メンバーvol.10 BUMP OF CHICKENにおける楽曲キーの変遷と分析




デモ音源公開(1回目) 2017年1月

「流れ星の正体」 0:52~ 期間中に誤字を訂正したバージョンが再アップロードされた。

2017年1月28日20:00〜30日23:59まで、期間限定で「流れ星の正体」のデモ音源が公開されました。

アコースティック・ギターの弾き語りと本人手書きの歌詞によるリリック・ビデオ形式の映像です。この年はバンド結成20周年の1年間であったため、結成日である2月11日を迎える前に間に合わせるように公開されました。

誤字「飛び越える」を「飛び込える」と誤字をして公開されたが、期間中に訂正(文字消し)バージョンと差し替えられた。

フルコーラスが完成するも・・・

1月のうちに藤原さんは「流れ星の正体」の2番以降も完成させます。しかし2番以降の情報公開はなく、フル音源がいつになるのか、レコーディングがされているのか一切不明のまま時間がすぎました。

藤原 – もうフルコーラス書いてるんですよ。だから、なんでフルコーラス聴いてもらえてないんだろうみたいな(笑) 

ROCKIN’ON JAPAN 2017年7月号

このあたりのTOY’S FACTORYやLONGFELLOWのマーケティング戦略はさすがです。

デモ音源公開(2回目) 2019年4月

2019年4月11日、2年2ヶ月ぶりに「流れ星の正体」 の続編(2コーラス目)が公開されました。こちらは期間限定ではなく2019年5月現在も映像を確認できます。

YouTube動画:BUMP OF CHICKEN – 「流れ星の正体」

1コーラス目に付け足されて2コーラス目が公開されています。1番の部分は2017年当時の音源がそのまま使われています。

1コーラス目と2コーラス目の録音ボーカルテイクの音量レベルを合わせているが、音質が異なり録音環境や録音日が異なる可能性がある。2017年1月に1コーラス目を録音、その後2コーラス目を録音し繋ぎ合わせたと思われる。



藤原弾き語り映像 (別録り)も公開

2019年4月11日、藤原基央さんの40歳誕生日前夜に公式Instagramにて2コーラス目の弾き語り映像が公開されました。

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歌ったから聴いてー。藤原

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前述のYouTubeのアコースティック・ギターのバージョンと異なり、Gibson製Les Paul Specialのエレキギターで弾き語る映像です。

YouTubeとinstagramで楽器を使い分けるところが藤原さんのこだわりを感じます。デモはデモ、弾き語りは弾き語りと別の表現を追求しているように感じます。

関連記事:流れ星の正体 vol.1 コード解説

作曲〜デモ〜完成版の流れを公開した楽曲

楽曲のデモ音源が公式に公開されたのは「カルマ」(2005年)の「ラフ映像版」以降初めてのことでした。(「カルマ」は完成音源リリース後、タイアップゲーム作品の特典内での公開だったため「流れ星の正体」とは意味が異なる)

「流れ星の正体」は作詞からデモ版、完成版(アルバム収録想定)までをファンが目撃した1曲といえます。「Fujiki」でのファンとのコミュニケーションの17年間が作曲のきっかけとなったという意味でも、BUMP OF CHICKENの中で非常に特徴的な楽曲といえるでしょう。

早く新アルバム、そして「流れ星の正体」のライブでの披露を楽しみにしたいですね!ご拝読ありがとうございました。