6th Album 『COSMONAUT』歌詞・楽曲解説

楽曲解説「beautiful glider」オーガニックサウンドと変則アルペジオ

6th Album 『COSMONAUT』

「beautiful glider」はBUMP OF CHICKENのアルバム「COSMONAUT」に収録されている楽曲です。

 

「beautiful glider」は藤原基央さんの弾く変則チューニングのアコースティックギターが印象的です。全体的に円熟したBUMP OF CHICKENのオーガニック・サウンドが魅力となっています。

 

この記事では「beautiful glider」の歌詞の意味、制作エピソードを紹介します。


楽曲基本情報

アルバム「COSMONAUT」(2010年12月)

作詞・作曲 藤原基央
編曲 BUMP OF CHICKEN & MOR
作曲時期 2010年夏〜秋頃
収録時間 4分01秒
アルバム 2010年12月10日「COSMONAUT」
ライブ初披露 2011年12月05日「GOOD GLIDER TOUR」SHIBUYA AX公演



「beautiful glider」の意味

「beautiful glider」の意味は英語で「美しいグライダー」となります。BUMP OF CHICKENの楽曲としては「white note」「sailing day」「morning glow」「(please) forgive」のように小文字で書かれた英語のタイトルになります。

 

歌詞の訂正

「beautiful glider」の歌詞は発売から1年半後に訂正されています。

訂正箇所誤)疑ったって手掴んで
正)疑った手で掴んで

 

上から10ブロック/2行目

オープンチューニングのギターで生まれた曲

「beautiful glider」は曲の始まりから終わりまで、オープン・チューニングという変則的な調律のアコースティックギターで演奏されています。イントロの綺麗なフレーズは、ボーカルの藤原基央さんが自宅でギターで遊んでいて生まれたものでした。

 

藤原 – 家でギターで遊んでて、次の日スタジオ行って、「昨日弾いてたフレーズ録っちゃおう」って思って。で、それにバッキングもつけてベースも動かしてたら出来ちゃった曲

引用元:「MUSICA」 2011.1 vol.45

 

藤原さんのギターの才能は本当に素晴らしいと思います。以前ギターマガジンでギタリストとしてのインタビューを受けていましたが、「僕はまず、ボーカリストである前にギタリストですからね」と語っており、ギタープレイの引き出しの数がすごいと思います。

ギタリストとしての藤原さんについて、すぐ横で見ているメンバーも次のように賞賛しています。

直井 – 藤くんはね、本当に楽しそうにギターを弾いてるんだよね。ギターキッズみたいに、ずっとギターを弾いてるの。そうやって楽しそうに弾いてたフレーズが曲になっていくのは、俺も見ていてとても嬉しいんです。

引用元:MUSICA 2011.1 vol.45

 

升 – これは特に、ギターがとてもうまい曲だなぁって思った。ギターもいいし、曲としてもすごくいいんですよね。

引用元:MUSICA 2011.1 vol.45

 

増川 – 自分で普通に弾こうと思ったら全然弾けなくて。「どうしてだろう」って思ったら、実はチューニングが違ったんだよね。だから、やっぱり藤くんはいろんなところで新しいことをやってるんだなぁと改めて思った。

引用元:MUSICA 2011.1 vol.45

 

BUMP OF CHICKENとオープン・チューニング

オープン・チューニングとはギターの調律方法の一種で、開放弦を特定の和音で構成させることで独特の響きを得るチューニングです。

 

BUMP OF CHICKENの楽曲におけるオープン・チューニングの使用は以下の通りです。

 

楽曲 調律法
「Ever lasting lie(Acoustic version)」 オープンE
fire sign オープンE♭
「asgard」 オープンE
「midgard」 オープンE
「beautiful glider」 オーブンC♭
三ツ星カルテット DADGAD
「ray」 オープンE♭
You were here オープンC♭

 

BUMP OF CHICKENの楽曲としては2003〜2004年に制作・録音された「fire sign」「Ever lasting lie(acoustic version)」が最初期の使用になります。

 

変則チューニングは通常のチューニングでは得られない特殊な響きを得られますが、弾きこなすには感性と技術が必要になります。適当に触っても綺麗な響きになる分、メロディアスなリフを構築していくことが難しいのです。変則チューニングでアルペジオを作ってしまう藤原さんの音楽センスがいかに卓越しているかがわかります。

 

「beautiful glider」レコーディング

藤原さんは「beautiful glider」をアコースティックギター1本で録音することを決めていました。

 

藤原 – この曲は頑なにギターは1本だけって決めてて。最初にデモテープ録った時にアコギ1本だけだったんですけど、その感じがとても好きだったので。で、(本番テイクで)どれを使おうかなぁって思ってたんですけど、最初に握ったやつにすごくハマって。

引用元:MUSICA 2011.1 vol.45

 

同じく直井さんもベースラインを入れる時、ギターを意識しながらフレーズを考えました。

直井 – ギターに対するベースの兼ね合いがすごくうまく出来た曲で。それが嬉しかったです。

引用元:MUSICA 2011.1 vol.45

 

このような藤原さんの音楽設計により、BUMP OF CHICKENの中でもとてもシンプルで無駄のない、かつ全体的にアコースティックの暖かみのある柔らかいサウンドが出来上がりました。

 

「beautiful glider」PV

監督 番場秀一
収録作品 Video Clip集「COSMONAUT」

 

「beautiful glider」のMVはビデオクリップ集に収録されています。アルバム「COSMONAUT」発売時にプロモーション用として制作されたわけではない点が珍しいです。紙ヒコーキを逆再生するアイデアは藤原さんによるものです。

ライブ演奏記録

BUMP OF CHICKEN ドラム

演奏回数 39回
演奏頻度 ★★☆☆☆
初披露 2011年12月05日  GOOD GLIDER TOUR」渋谷AX公演
最終演奏 2012年07月08日「GOLD GLIDER TOUR」国立代々木第一体育館公演
演奏ツアー 2011-2012年「GOOD GLIDER TOUR
2012年「GOLD GLIDER TOUR 2012

「beautiful glider」は全国ツアーで演奏されています。ライブハウスツアー「GOOD GLIDER TOUR」とアリーナツアー「GOLD GLIDER TOUR 」で披露されました。

ライブバージョンでのはじまり

「beautiful glider」を演奏する前、ステージで藤原さんはMCを挟みます。綺麗なギターの旋律を鳴らしながら、「beautiful glider」へと流れるように入っていきます。

 

「beautiful glider」ライブ映像

映像作品「BUMP OF CHICKEN GOLD GLIDER TOUR 2012」

 

以上、BUMP OF CHICKENの「beautiful glider」について紹介しました。