2nd Album 『THE LIVING DEAD』歌詞・楽曲解説直井由文

楽曲解説「ベストピクチャー」直井&藤原の同居時代の唄

THE LIVING DEAD2nd Album 『THE LIVING DEAD』
2ndアルバム「THE LIVING DEAD」

BUMP OF CHICKENの「ベストピクチャー」は2nd Album『THE LIVING DEAD』に収録されているアルバム曲です。この曲はベース担当の直井由文(CHAMA)さんが作曲した楽曲です。



楽曲基本情報

「THE LIVING DEAD」(2000年3月)

作詞藤原基央
作曲直井由文
作曲時期1999年夏〜2000年1月
レコーディング2000年1月
制作スタジオaLIVE RECORDING STUDIO 世田谷
アルバム2000年3月25日「THE LIVING DEAD」
ライブ初披露2000年3月27日「ツアーポキール」千葉LOOK公演

ベーシスト直井由文による作曲

ギターを弾く直井由文(チャマ)

BUMP OF CHICKENの楽曲はほぼ全て藤原基央さんが作詞作曲を担当しています。活動初期にはベース担当の直井さん、ギター担当の増川さんも一部作曲していました。

 

▼藤原基央以外が創作に関わっている作品

その他「BUMP OF CHICKENのテーマ」「デザートカントリー」等、結成黎明期はメンバーで作詞作曲を行なっていた。

 

BUMP OF CHICKENの楽曲でチャマさんは、「ベストピクチャー」「彼女と星の椅子」の作詞作曲を担当しています。またインディーズ時代には直井さんがリードボーカルを務める英語詞「ノイズマン」も存在しました。



藤原基央との同居生活でギターを覚えたチャマ

直井さんは臼井西中学校を卒業後、調理師専門学校に進学します。2年間で調理師免許を取得し、佐倉の実家を出て東京に住んでいる藤原さんと二人暮らしを始めます

 

直井さん曰く「1日中家でギターを弾いていた」という藤原さんと同居生活を送る中で、自身も自然にギターを覚えていきました。

 

「ユグドラシル」のレコーディングドキュメンタリーや雑誌写真でもギターを弾いている直井さんが確認できます。さらに、2018年の全国ツアー「BUMP OF CHICKEN TOUR 2017-2018 PATHFINDER静岡エコパアリーナ公演のダブルアンコールでもギター弾き語りを披露しています。

 

同居時代のエピソード

ある日、藤原さんが外出しているとき、直井さんは家で一人でホラー映画「リング」を観てしまいました。当時ロフト付きの部屋で、ロフトの上にいた直井さんは下から”何か”が上がってくる恐怖を覚えます。

 

藤原 – そのロフトを昇ってくるんじゃねーかっていう想像して。

直井 – 超こえーんだよ!何か物音すんだよ!!

2009.05,03 PONTSUKA!!

 

「さみちー!怖い!」と感じた直井さんは藤原さんの携帯電話を鳴らしますが、全く反応せず、必死に4人の楽しい思い出を思い出していたそうです。

 

誰かと毎日喧嘩している藤原に作った曲

出典;https://pbs.twimg.com/media/BPsykfYCIAEpaE3.jpg

同居していた1999〜2000年頃、藤原さんはいつも電話越しに誰かと喧嘩していました。当時の藤原さんは今と比べて気性が荒かったので、なんとなく想像できます。

 

その喧嘩の会話を聴きながら、直井さんはメロディーとコードだけの曲を書きました。

 

直井 – 藤原がその頃よく電話片手に誰かと喧嘩してたんですよ。毎日なんですよ。24時間ずっと電話してて。『うっせぇな』と思ってたから、『ちょっと曲でも作ってやるか』って。

 

歌詞のアイデアはあったものの不完全な状態でした。アルバム「THE LIVING DEAD」の制作にあたり、藤原さんが直井さんのラフ案を基に書いた歌詞で「ベストピクチャー」が生まれます。

 

藤原 – 詞は直井君のラフを基に書きました。99パーくらい直井君じゃないすか。

 

「作詞:藤原基央 作曲:直井由文」の共作が生まれます。

歌詞の意味

「羨望」「憧れ」「嫉妬」「現実」

「ベストピクチャー」を作詞したのは藤原基央さんです。主題は直井さんの思いが基になっています。「羨望」「憧れ」「嫉妬」「現実」というものがテーマで直井さんによって「羨ましい」という仮タイトルが付いていました。

「彼女と星の椅子」と同じ主題が描かれている

歌詞が付けられた1999-2000年初頭はBUMP OF CHICKENはインディーズ界隈を席巻し、ライブハウスは満員、メジャーレーベルからも声が掛かっていました。

 

下北沢界隈ではサインや握手を求められ、一般人から有名人へと成っていく過度期の心情が歌詞には強く反映されています。

 

直井 – ちょっと有名になってきて、アンケートに『いい生活して…』とか『羨ましい』とか書いてあって、それもあんま嬉しくなくって。で、考えてみたら俺小さい頃から人の事羨ましがってたなぁって思って。テレビスターとか見て『悩みなんてんだろうなぁ』とか。でもいざなってみたら、結局変わらないなぁって思ったんですよ

 

このインタビュー、そのまま「彼女と星の椅子」の歌詞ですね。

 

テレビの中 唄うスターを見て
煙とともに皮肉を吐いてる

「彼女と星の椅子」 作詞作曲:藤原基央 ・直井由文 2002年

 

いつも他人に対して憧れを抱いていた直井さん。夢が叶い、文字通り”テレビの中のスター”になった今こそ歌ってほしい1曲です。

 

藤原基央によるツアーポキールでの曲紹介

2000年4月3日ツアーポキールの広島NEO POLIS HALL公演で、藤原さんは次のようにベストピクチャーの曲紹介をしています。

 

藤原 – 直井君のイラストTシャツ見たろ?むちゃくちゃ熱いイラスト見たろ?彼は熱い人間だよ。彼は作る歌も熱いんだよ。彼が作る…歌、つくる曲、メロディ、すごい語ってたね。俺は彼の曲に詞をつけた。なぁ、聴いてくれ。ベストピクチャー。

2000.04.03 ツアーポキール 広島NEO POLIS HALL公演

 

直井さんことを讃えようとする藤原さんの姿勢が伝わります。曲を作るのは自分だけじゃない、BUMP OF CHICKENはバンド全体で曲を作っているんだということを伝えようとしています。

 



 

ライブ演奏記録

2000年4月5日 ツアーポキール 大阪十三ファンダンゴ公演

演奏回数40回
演奏レア度★☆☆☆☆
ライブ初披露2000年3月27日「ツアーポキール」千葉LOOK公演 11曲目
最終演奏2001年9月20日「surf porkin’」赤坂BLITZ公演
演奏ツアー2000年「ツアーポキール」*全公演演奏
2000年「サマーポキール2」*全公演演奏
2000年「プロポキール秋
2000年  その他イベントライブ
2001年「スターポーキングツアーズ2001
2001年「surf porkin’
使用機材


藤原基央 – Gibson Les Paul Special TV Yellow 
増川弘明 – Gibson Les Paul Standard (ガブテープで押さえてるやつ)
直井由文 – Fender Jazz Bass ’72 (茶) 

「ベストピクチャー」はインディーズ時代からメジャー初期まで演奏され、「THE LIVING DEAD」収録曲の中では「ランプ」や「グングニル」に次ぐ演奏率でした。

当時は「K」や「リリィ」よりも演奏機会が多く、演奏曲の少ないイベントライブでも披露すされておりBUMP OF CHICKENにとってイチ推しの楽曲だったことが伺えます。2001年夏「surf porkin’」ツアーで演奏されて以降、現在まで20年近く演奏されていません。

ギターソロは藤原が演奏

ギターソロはボーカルの藤原さんが弾いています。リリース当初のツアーポキールなどでは原曲通りに弾いていましたが4-5月のイベントライブ出演頃からアレンジをするようになりました。原曲はツインリードですがライブでは藤原さんのみのソロリード担っています。

 

以上、「ベストピクチャー」についてまとめました。また聴ける日が来るといいですね。

 




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