楽曲解説:Ever lasting lie vol.2 ~Acoustic version~ トイズとTHE LIVING DEAD制作

7th Single 「アルエ」 (2004年) 収録
1st Coupling Album 「present from you」(2008年)収録
作詞作曲:藤原基央
作曲時期:2000年

Ever Lasting Lie (Acoustic ver.) は2004年に再販されたシングル「アルエ」に収録されているカップリング曲です。インディーズ時代に発売された「THE LIVING DEAD」に収録されているアルバム曲「Ever Lasting Lie」をリアレンジした再録曲となっています。




再録はスタッフによる提案

2004年、バンプがインディーズで活動していた時のデモテープやCDを販売していたレーベル HiLine Records(ハイラインレコード)が経営の危機になります。インディーズ曲の流通を確保するためにメジャーレーベルであるTOY’S FACTORY(トイズファクトリー)からFLAME VEINとTHE LIVING DEADの2枚のアルバムを再販を企画しました。

スタッフ側のプロモーション戦略として、アルエのシングルカットが決定しており、そのカップリング曲が必要になりました。

藤原 – その時に”カップリング曲何かない?”って言われて。どうせなら昔の曲の方がいいのかなぁっていうのがあって。アンプラグドなバージョンをやってみたいっていうのはバンドサイドからだったと思うけど

Musica vol. 15, 2008

そこでスタッフ側からEverlasting Lieを提案され、バンプ側はアンプラグド(アコースティック)のアレンジを提案します。これによりEver Lasting Lie (Acoustic ver.)のレコーディングが決定しました。

ちなみにスタッフがEver Lasting Lieを選んだ理由は「好きだから」だそうです。

再録したい思っていたTHE LIVING DEADの曲

藤原さんはTOY’S FACTORYの人たちとインディーズの楽曲をレコーディングすることが嬉しかったといいます。

藤原 – (インディーズで)”Ever lasting lie”を録ってた時に、あの人たち(トイズファクトリー)と音楽を作れたらどんだけすげぇもんができるんだろうって(中略)夢見ながらレコーディングしてたんです。その時の曲を、その時やりたいと思ってた人とやれたことが本当に嬉しかったんだよね。

Musica vol. 15, 2008

THE LIVING DEADの制作当時はバンプオブチキンにとってとてもストレスな時期でした。2週間の制作期間が決まっている上、曲を録りながら新しい曲をブースの外で書いていくという過酷な状況下でレコーディングを行いました。

TOY’S FACTORYとの出会い

メンバー全員が体力的にも疲弊していた中、様々な大手の音楽レーベルが接触しようと試みます。過去に「売り物にされる」と、業界人と喧嘩別れしたことがあり、ビジネスの話を持ちかける人たちに対して厳しいスタンスで拒否していました。この時、バンプを守ってくれていたのがマネジメント事務所LONG FELLOW(ロングフェロー)の人たちです。LONG FELLOWは自分たちを商品としてではなく「純粋に君たちの音楽を聴きたい」と言ってくれた人たちがバンプのためだけに設立した有限会社でした。

ロングフェローの人が「今は音楽に集中させてあげてください」と各レーベルにお願いしていたにも関わらず、強引にメンバーと接触してきたのがトイズファクトリーです。ルールを破ったトイズファクトリーに対してロングフェローは厳しい態度で臨みます。

一方で「この人たちは自分たちの音楽を正しく評価してくれる」とメンバーは感じていたそうです。トイズとやりたいメンバー、メンバーを守りたいロングフェロー、バンプと契約したいトイズ、様々な「大人の事情」がうごめく中でのTHE LIVING DEAD制作は、満足いくものではなかったのです。そのため藤原さんの中では「いつか録り直したい」という気持ちが残っていました。

録音から4年の時を経て、信頼できるトイズの人たちと再録することになったEver lasting lie。アコースティックの多重奏による、綺麗な音のハーモニーがとても魅力的になっています。藤原さんの若い頃の夢が叶ってよかったですね。




ちなみに原曲「Ever lasting lie」の意味や解釈の記事はこちらです。