firefly
作詞作曲:藤原基央
作曲時期:2012年5月16日前後
レコーディング:2012年6月
リリース日:2012年9月12日
ライブ初披露:2013年8月3日 RIJF 2013
ライブ最終披露:2014年7月30日 WP 2014 FINAL at TOKYO DOME
前回の記事 楽曲解説:firefly vol.1 – 黄金の光とバンド活動の軌跡 では作曲経緯と歌詞の意味について解説しました。今回はレコーディング、ライブ演奏について紹介します。
ツアー中の熱が帯びたサウンド
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新曲が書けたことをGOLD GLIDER TOUR 徳島公演のMCで発表をした後、東京に戻ってレコーディングが行われました。ツアー真っ只中のレコーディングとあって、fireflyのサウンドはライブ感のあるギターサウンドや疾走感の感じるアレンジが施されています。
ギターアルペジオ(イントロ)
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藤原 アルペジオなんだけど、リードとしての役割を担うような、そういうフレーズが欲しいなと思って。コード進行がこのフレーズを生んだところがありますね。
イントロのギターのアルペジオは「リードになるフレーズ」を求めて作られました。確かに印象的な、このアルペジオを聴けば一発でfireflyとわかるフレーズですね。
ベース
デモの段階で藤原さんが弾いたベースラインが基になっており、それを直井さんが再構成した音が録られています。ずっとバンプを聴いてきた私の個人的な推測ですが、開放弦を使った跳ねた感じの演奏は他の曲には見られず、そのイメージを藤原さんが考案したと思います。
直井 – デモの段階で藤原くんの弾いた、いい感じのベースラインが入っていたので、それを軸に自分がこうしたいと思ったニュアンスを取り入れていきました。
過去にもorbital periodの時に体調不良でダウンした直井さんに代わりベースのデモ入れを行ったりもしました。同じ弦楽器なので応用が効きやすく、他の曲でも藤原さんがベースラインのイメージを直井さんにリクエストすることは多々あるようです。
ドラム&リズム
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ドラムのリズムは藤原さんとプロデューサーのMORさんが一緒に考えました。fireflyは2拍目と4拍目にアクセントを入れるニーヨンというコンセプトで組み立てています。Aメロのリムショットやタンバリンもプロデューサーのアイデアで入れられました。
藤原 – ドラムのアプローチはプロデューサーと一緒に考えて、僕はスネアの位置を工夫するみたいな。そういう遊びは「COSMONAUT」から結構やっていて。この曲はニーヨン(2拍目、4拍目にアクセントを置くこと)を使って遊んでみようとデモを作ってるときに思いましたね。最初のAメロにリムショットを入れることになったのは、プロデューサーの意見ですね。そのアイデアを秀ちゃんに渡して、相談しながら進めていきました。
この2拍目と4拍目にアクセントを置く手法はサザンクロス (RAY収録) にも使われています。
コーラス
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曲を引き立てるコーラスはプロデューサーのアイデアで生まれました。supernova、真っ赤な空を見ただろうか、宇宙飛行士の手紙、虹を待つ人もそうですが、「オーオーオー」や「ラーラー」を多声で歌うアンセム型のコーラスがこの頃増えています。
藤原 – プロデューサーからコーラスを入れてほしいって言われて。どういう意図だったかはわからないんですけど。で、数テイク歌って、結構早めにこのフレーズに決まりましたね。僕もすごく満足してて、全ての音が一丸となっている感じがあのコーラスで表現できたかなと思います。
藤原とプロデューサーの影響力が強すぎる点
ここまでfireflyのアレンジが生まれた経緯について紹介しました・・・が、皆さんも思ったはずです
藤原とプロデューサーの影響力強くね!? と。笑
作詞、作曲、ギターはもちろんのこと、ベース、ドラム&リズム、コーラスもこの2人で土台を決めています。ってかもうこの2人でユニット組んじゃえばいいんじゃね? とかいうネットの意見もチラホラ。
ユグドラシルの頃からサウンド面の主導権は藤原さんが握っているので今更ですが。もうちょっとセルフプロデュースしてみたらどうなんだい!と思ってみたりします。ベストピクチャーやキャッチボールみたいなの、期待してます!
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幻となった仙台公演での初披露
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こうして6月にレコーディングされたfireflyは、2012年7月のファイナル宮城公演で初披露しようと試みました。新曲をいち早く曲を届けたい、という気持ちをメンバーたちは強く持っており、これまでもリリース前の新曲を披露したことはありました。
リリース前にライブで初披露された曲
ダイヤモンド
メロディーフラッグ
ベンチとコーヒー
embrace
プレゼント
グッドラック
ray
Spica
*音源リリース前にPVやメディアで一部公開されていた曲も含む
2012年7月14日GOLD GLIDER TOUR 2012 宮城セキスイハイムアリーナ公演のリハーサルで、メーデーのリハ後にfireflyを演奏します。しかしメンバーは苦渋の決断をします。「完璧な形でライブで披露できない」ということで本番での演奏を取りやめました。
藤原 – 単純にライブに向けたアレンジをする時間がなかったというのが一番の理由ですね。でもね、最終日の仙台のリハのときにみんなで「せーの!」で合わせたんですよ。ちゃんと合わせたのはあのときが初めてで。めちゃくちゃ楽しかったです。
http://natalie.mu/music/pp/bumpofchicken08/page/3
演奏へのこだわりによって封印されたfireflyとは対照的に、ray(2013年)はレコーディング後、まともなリハーサルをせずに武道館で演奏しました。spica(2018年)は藤原さんによるギター弾き語りで、メンバーにも聴かせていない新曲として観客の前で披露しました。時代の流れによって、新曲披露に対する意味合いや考え方も変化しているようです。
ライブ演奏
ライブではイントロが異なります。藤原さんのアルペジオに合わせて増川さんと直井さんのコーラスで始まり、増川さんの弾くアルペジオが長くなります、
以上、fireflyについて紹介しました。この曲を聴くときにこんなエピソードがあったと思うと新しい聴き方ができるかと思います。