楽曲解説:(please) forgive vol.1 – 藤原が空港で感じたもの

(please) forgive
作詞作曲:藤原基央
作詞作曲日:2009年8月7日
リリース日:2014年3月12日
ライブ初披露:2014年4月6日 WILLPOLIS 2014 at 千葉幕張メッセ
ライブ最終披露:2014年7月30日 WILLPOLIS 2014 FINAL at 東京ドーム

(please) forgive はBUMP OF CHICKENのアルバム「RAY」に収録されているアルバム曲です。浮揚感のSEとフロアタムがメインのリズムによって暖かみのある雰囲気の楽曲になっています。今回は(please) forgive の魅力と詞の解釈について紹介します。




「ジャカジャンッ!」をテーマに書いた曲 (2009年夏)

プロデューサーからのリクエスト

2009年8月7日プロデューサーからのお題に答える形で作曲します。「ジャカジャン」というリクエストを受け取った藤原さんは、以前からあった歌詞に補足をして(please) forgiveを書きました。

藤原 – だからイントロで『ジャカジャンッ!』ってやってるでしょう?まぁだから、一応リクエストに応えてるって感じって、それくらいの感じなんです。

MUSICA 2010.09 

イントロのアコースティックギターはリクエストに応える形で生まれたんですね

参考:テーマ作曲
「シングル曲」 → 分別奮闘記、R.I.P
「桜」 → pinkie
「クリスマス」 → Merry Christmas
「四つ打ち」 → 宇宙飛行士への手紙

コード縛りで書いた曲

コード縛りとはAメロ、Bメロ、サビも全部同じギターコード進行で作る方法(・・・というか藤原さんが自身に課したルール/遊び)です。

藤原 – これもコード縛りをしながら作った曲ですね。Bメロだけちょっと変えましたけど。

MUSICA 2014.04

参考:コード縛り作曲
pinkie、宇宙飛行士への手紙

初めての海外旅行の後に書き足した詞

詞の原型は古く、かなり前から携帯電話のメモに書かれていました。旅行から帰国後、メモの詞に付け足す形で(please) forgiveを書きはじめます

藤原 –  俺、”宇宙飛行士への手紙”を書いた後に生まれて初めて仕事以外で海外旅行に行ったんだけど、その時に色々考えちゃって・・・・・

MUSICA 2010.09

藤原 – ヨーロッパ旅行から帰って来て作って、本当にあの時感じた空港の思いがものすごく強いんですね

MUSICA 2014.04

2009年、藤原さんは友人達とはじめてヨーロッパ旅行に行きます直井さんも友人グループの1人として同行しています。本当に仲が良い 笑)。行き先はフランス・パリ、アイルランド・ダブリン、経由地のオランダ・アムステルダムでした(パリで帰る組とアイルランドに行く組の2グループがありました)でした。

空港の雰囲気から感じたもの

藤原 – 空港に流れていた空気感、BGMとかも含め、いろんな国のいろんな人たちの、いろんな年齢だったり性別だったり、表情だとか、目的がいろいろ違うんだろうなぁとか。そういう寂しさとか、希望とか

MUSICA 2014.04

それまで、比較的日本と近い韓国しか訪れたことのなかった藤原さんには、ヨーロッパというのは別世界に映ったのかもしれません。




歌詞の解釈・意味

藤原さんの感じたものは冒頭の歌詞に集約されていると思います。

あなたを乗せた飛行機が あなたの行きたい場所まで
どうかあまり揺れないで 無事着きますように

(”あなた”=”夢”などの深読みしないという前提で)空港には欧米系、アフリカ系、東アジア系、南アジア系など色々な人種が集まります。旅行、ビジネス、難民など目的も人それぞれ、出発地も目的地も違う飛行機に乗り込みますよね。

価値観も人生の目的も違う人たちの姿をたくさん見て素直に出て来た言葉であり、正解・不正解、優劣ではなく、ただ「目に映るのあなたの人生を見送っている、無事を祈っている」という内面を客観的に綴っているように私は思いました。

そしてリアルな生活が綴られた続きの詞は、まるで遠くなった自分を再認識するかのようです。

最近は別に元気じゃない それが平常で不満もない
生活に変化は求めない 現実とマンガは重ねない

海外に出て「自分はちっぽけだ」と思うような単純なものではなく、自分の価値観や強い信念に基づいて生きてきた藤原さんにとって、自分を再認識する感覚が強くなったのだ思います。

飛行機の行き先

1番:あなたを乗せた飛行機が あなたの行きたい場所まで
2番:あなたを乗せた飛行機が 私の行けない場所まで
ラスト:あなたを乗せた飛行機が 私の行きたい場所まで

1番、2番、大サビ後と飛行機の行き先が変わっているのが興味深いです。“あなた”に関わっていなかった”私”が段々と主体的に関わっています

(プラネタリウムやオンリーロンリーグローリー、夢の飼い主のインタビューでもわかるように、藤原さんは”君”=”夢”=”光”という言い換えをよくします。全ての詞に当てはまる訳ではないと思いますが、仮に”あなた”=”夢”とするともっと深い解釈ができるかもしれないですね)

個人的に解釈を書いて見ましたが、本当に個人的ですので聴き手の皆さんの解釈で聴いてもらえればと思います。

以上、(please) forgiveの曲紹介と歌詞解釈について書きました。次の記事ではCOSMONAUTに収録されなかった理由とレコーディング編について書く予定です。ご拝読ありがとうございました。