解説:Stage of the ground vol.1 – 歌詞に隠された名前 –

3rd Album「jupiter」収録 / M-01
作詞作曲:藤原基央
作曲時期:2001年

Stage of the groundはメジャー1枚目(通算3枚目)のアルバム「jupiter」の1曲目に収録されている楽曲です。ライブでもよく披露され、セットリストの1曲目〜2曲目、あるいは最後の曲として演奏されるファンに人気の曲です。ドラムの升さんが叩く民族的なリズムのドラミングとギターアルペジオのイントロは必聴です。

実はこの曲、もともとスタッフさんの子供に向けて贈られた曲なのです。今回はStage of the groundについて、解釈や解説を含めて紹介します。

<




4畳半のアパートで作った曲

2000年 天体観測(歌詞なし)コード進行とメロディー完成
2000年4月〜6月? ダイヤモンド作曲
ラフメイカー作曲
2000年12月 箱根でTitle of mine+1曲(キャッチボール?)作曲
2000年12月 都内の自宅で天体観測作曲

2001年、「天体観測」がノンタイアップながら大ヒットした後も、ボーカルギターの藤原基央さんの生活は変わりませんでした。インディーズ時代から住んでいた4畳半のアパートに住み続け、そこで作曲作業をしていました。この4畳半の家から「ダイヤモンド」や「ラフメイカー」、「天体観測」、そして「stage of the ground」といったjupiter初期の曲を書いています。

那由多に広がる宇宙 その中心は小さな君 

この曲のCメロで広大な宇宙のことを歌っています。藤原さんはインタビューで「四畳半の狭い部屋でも、宇宙の歌を書けるんだ、歌えるんだ」という主旨の発言をしています。今では幕張メッセや東京ドームといったアリーナクラスでの演奏が当たり前になったバンプオブチキン。そこで歌われる曲は、小さな狭い一人の青年の部屋で作られたのです。

ちなみに「プラネタリウム」で出てくる”四畳半を広げたくて〜”の歌詞に出てくる「四畳半」はこのアパートのことを指します。実は藤原さんの実家の部屋は2番目のお姉さんと共同の部屋で、その広さはおよそ6〜8畳でした。つまりプラネタリウムに登場する幼少期の「四畳半」は創作で、20歳の頃に「四畳半」に住んでいたのは事実です。

歌詞に隠された子供の名前

藤原 “BUMP OF CHICKENの共通の友達がいて、バンプのスタッフでもあるんだけど、その人に子供が生まれたんですよ。その人の息子の名前が漢字4文字で構成されてんすよ、珍しいっすよね。で、漢字4文字を全部入れたかったの、俺は、詞の中に。バンプからのプレゼントっていうか”

この曲は、スタッフ(当時のトイズファクトリーの社長さんらしいです:ガチョピンさんからの情報提供)の出産のお祝いとして贈られました。2001年に生まれたとすると、今は16歳くらいですね。自分のために作られた曲がBUMP OF CHICKENの楽曲として存在しているっていうのはとても素晴らしく、うらやましいことです。

藤原  ”漢字4文字を使わなきゃいけないっていうルールを自分で最初に決めてしまったので、しんどかったね。どうしようかなって楽しく悩んでた。自由の『由』って字も入ってて、でもおれ”自由”って言葉はなんか、使いたくなかったんですよ。それで『那由多』っていうわけわからん言葉が出てきた


スタッフへの出産祝いとして贈られた曲でしたが、作曲中に藤原はBUMP OF CHICKENの楽曲として位置づけるようになりました。

バンプオブチキンの楽曲として

藤原  “でもなんか、ねえ?その人のためだけに歌ったなら、バンプのCDの中には入れにくいなぁって思って。だから書いてるうちに徐々に徐々に言葉は普遍的なものになっていったんです。結局出来上がったところ、スタンダードナンバーだなと思いました。でもね、こういう音楽はずっと俺らの中にあったし、ただ、形にしなかっただけ。俺らがこういう音やっても違和感ないじゃないですか。それが何よりの証拠だと思うし。バンプからバンプの友人への贈り物っていう、すごい内輪な話だったんだけど、仕上がってみれば、もっとでかいものになったなと思います”

ここで注目すべきは、藤原さんが自分たちのことを「バンプ」と表現していることです。おそらくインディーズからメジャー初期までは自分たちでも”バンプ”という略称を使っていたのだと思います。しかしバンドの知名度が上がり、周囲からの認知が増えるに連れてメンバー達はバンドの事を”僕ら”や”BUMP OF CHICKEN”といった表現を使い始めます。”BUMP OF CHICKEN”という表現はいかにもフォーマルで、「外行きの顏」を思わせる表現です。カジュアルで愛称的な用法の”バンプ”という表現は、メンバーの中にしっかりと隠されているのかもしれません。

ベースでジャズを表現

ベーシストの直井さんはこの曲のベースラインを考えているとき、ジャズを表現しようとしました。

直井 ”俺らは結構オヤジ臭くて。俺が『天体観測』で表現したかったのはテクノだし、『Stage of the ground』で表現したかったのはジャズっていうね(笑)ほんとダッサイ、できるはずもないことをやろうとした、今風にかじりつこうとしたのは、なんかちょっとビートに出てるかなっていう”

な、なんと天体観測ではテクノを表現しようとしていたんですね…(!)どうりでサビにしては動き回り過ぎているベースラインだと思いました。納得です。

ちなみに直井さんはベースラインで何かを表現しようとする傾向があります。ユグドラシルの「太陽」のベースラインは「心臓の音」を表現するつもりでレコーディングしたと答えています。

ライブバージョン

ツアーごとに増川のパートが変化する

◆Aメロ 増川パートの変遷
2002年 <知ってしまった夏の日>の部分のみ演奏
2004〜2006年 コード演奏
2012年〜現在 アルペジオ+リフ

この曲は歴代のツアーやフェスで演奏されてきましたたが、増川さんのギターパートはツアーごとに変化しました。初披露のPOKISTA 21(2002年)では増川さんはAメロではほとんど弾かず、<知ってしまった 夏の日>と<大地に立っているって 気づいた日>の裏リフのみ弾いています。

2004年のMY PEGASUS、2006年のrun rabbit runでは増川さんはイントロのアルペジオを弾いた後、Aメロをコード弾き+リフにしています。

そして2013年のWILLPOLIS以降、増川さんはAメロもイントロのアルペジオを弾くようになりました。

どのツアーも通して、升さんのジャングルドラムから始まるアレンジになっています。2004年のMY PEGASUSツアーでは増川さんのイントロアルペジオが鳴っている間、藤原さんはチョーキングやカッティングアドリブ、直井さんはスラップの即興ジャムが一定時間おこなわれていました。




ライブ演奏記録

かなりの頻度で演奏されている!

演奏ツアー
POKIEST 21 (2002年)
LOVE & PORKIN (2002年)
MY PEGASUS (2004年)
PEGASUS YOU (2004年)
run rabbit run(2006年)
GOLD GLIDER TOUR 2012 (2012年)
WILLPOLIS (2013年)
WILLPOLIS 2014 (2014年)

BUMP OF CHICKENの中で演奏頻度が高い曲のひとつです。ライブ定番曲の『天体観測』『ダイヤモンド』『ガラスのブルース』に続く、『カルマ』や『リトルブレイバー』と同じようなポジションの曲にあたります。セットリスト1曲目に演奏される事が多いですが、LOVE&PORKINでは本編ラスト曲として、GOLD GLIDER TOUR 2012では5曲目に演奏されました。また演奏頻度の割には、今ままで一度もアンコール演奏されたことはありません。

以上、Stage of the groundの秘密について解説しました。「こんな経緯で作曲されたんだ」と思いながら聴くと、曲の新しい側面が垣間見えるかもしれません。




コメント

  1. ガチョピン より:

    先程はリトルブレイバーにコメントを残しましたが、ここにも。。。

    贈った方は当時のトイズの社長であるイナバさんの息子さんです。

    名は「夏未由宇」、カミユウくん
    夏の日、未来永劫、那由多、宇宙

    四文字の取り方が独特で、フジくんらしくて良いですよね

    こんなにも深いバンプ考察を発見し、貴方様のその愛情と、当方のホロ酔い気分とが相俟ってついつい喋り過ぎました、すみません。。。

    後はもうリリィが誰かぐらいしかネタはありません(苦笑)

    また、いつか。
    今後も楽しく読ませていただきますので、宜しくお願い致します。

    • History Book Writer より:

      ご返信遅くなりすみません。
      貴重な情報ありがとうございます。
      とてもお詳しいのですね!

      お子さんの名前は個人情報なので公開しようか迷いました。
      もしかしたら再度非公開にさせていただく場合もありますのでご了承ください。
      またリトリブレイバーの件、ありがとうございます!

一部記事にロシアからのスパムが大量にくるので凍結します