楽曲解説:バイバイサンキュー vol.1 – ベルギーへ行く友人に送った『弱虫賛歌』 – 

3rd Single 『天体観測』(2001年)
作詞作曲:藤原基央
作曲時期:1996年
レコーディング時期:2000〜2001年

バイバイサンキューは3rd Single「天体観測」のカップリング曲として収録された曲です。BUMP OF CHICKEN初の3拍子の曲で、いわゆる「ハネモノ」の曲調が印象的なミディアムナンバーです。それまで8ビート主体のロックナンバーが多かった彼らの楽曲にとっては当時異色で、彼らの音楽性の幅を広げた1曲と言えます。

60万枚の大ヒットシングルのカップリングとしてのイメージが強いバイバイサンキューですが、実はこの曲はボーカルの藤原さんが高校生の時に書いたという、バンドの中でも古い歴史のある曲でした。




高校の先輩にプレゼントした曲

曲自体は、天体観測より5年くらい前に書いてたんですよね。1996年とか。 – 藤原 –

バイバイサンキューはもともとボーカルの藤原基央さんが高校の先輩へプレゼントした曲でした。藤原さんは1995年春に日出学園高校という進学校に進学しましたが、学校そのものに馴染めず1年生秋の文化祭前に自主退学してしまいます。約半年間という非常に短い高校生活でしたが、藤原さんにはお世話になった先輩がいました。

その先輩とは一緒にバンドを組んでいた仲で、藤原さんは助っ人ギタリストとしてメンバーに入れられていました。メンバーはボーカル、ギター、ベース(先輩)、ギター(助っ人の藤原さん)、そして藤原さんに”連れてこられた”佐倉高校の升さん(助っ人ドラム)です。このバンドについては直井さんや増川さんも認識しています。

1996年、先輩が卒業と同時にベルギーへ留学することが決まり、藤原さんに「なんか1曲書いてよ」と言われて書きはじめたのがこの曲でした。藤原さんはその先輩が寂しいはずなのに強がっているのが不服で、「最後くらい寂しいって言えよ(笑)」って思いながら”ひとりぼっちは怖くない”と呪文のように作詞作曲しました

タイトルは『弱虫賛歌』

寂しいのに、素直になれよっていうメッセージ。エールではない。  – 藤原 – 

当時バイバイサンキューの曲名は『弱虫賛歌』でした。「弱虫のくせに!」という思いが込められて作ったからだそうです。

藤原さんは、メンバーで8000円出し合って買ったMTRに録音(ボーカルとアコースティックギターのみ)してテープにして渡しました。その先輩とは現在は連絡を取り合っていませんが、日本に帰国したあと、音楽ではないものの自分を表現することをしているそうです。近況を知っているくらいには、関係が続いているのですね。





1度お蔵入りになった

先輩へ贈ったテープは藤原さんの歌とアコギのみによる弾き語りでしたが、一度BUMP OF CHICKENの曲としてバンド演奏を試みたことがありました。しかしドラムの升さんが3/4拍子を全く叩けず、「こりゃダメだと思って(笑)、それからお蔵入り」にしたそうです。メンバー曰く、この当時の升さんはXJAPAN好きのヤンキーだったらしい。升さんはこの時のことを振り返っています。

あんまり覚えていない。っていうか、全く覚えていない。たぶん、一瞬でその話は終わったんだと思う(笑) - 升 –

藤原さんが『天体観測』を作曲(2000年秋〜冬頃)している時に、ふと『弱虫賛歌』の詞を思い出したました。未完成だった詞を一部変えて『バイバイサンキュー』という新しい名前をつけました。

ベースの直井さんにとっては”スイートエモーション時代”(感じるままにベースラインを付けていた頃)の曲です。

2年後にこのベースすっげぇうるさい!って思ったのは覚えてる。最近ライブでやったけど、ほとんど何も手を加えてない。すごくシンプルにやって、それで届くから – 直井 –

〈PVロケ地〉
  カップリング曲でPVが制作されている3曲のうちの1曲である(他は『リトルブレイバー』、『真っ赤な空を見ただろうか』)。ロケ地は渋谷区立本町公園で撮影しました。