BUMP OF CHICKEN用語の中に「恥ずかし島」・「出っ張り」という言葉があります。この2つは近年のライブ会場に設営されるサブステージ(通称:恥ずかし島)や花道(通称:出っ張り)ののことを指し、そこでメインステージとひと味違うシンプルな楽器セットで演奏するを指します。
大規模会場の有効活用
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ライブハウス主体だったバンプも、知名度が上がるにつれてアリーナ会場主体へと変わりました。ライブハウスのキャパ(収容人数)が300〜2,500人なのに対し、アリーナ会場は10,000〜25,000人、スタジアム・ドーム会場では約50,000人です (ステージ上のメンバー豆ですよ、豆)。
会場キャパ比較
ライブハウス:2,500人 – ZEPP TOKYO
アリーナ会場:15,000人 – 幕張メッセ国際展示場7-11
スタジアム・ドーム会場:50,000人 – 東京ドーム
そんな広い会場を有効活用するため、メンバーが演奏を行うメインステージに加えてサブステージ(通称:恥ずかし島)や花道(通称:出島)を設置して演出の幅を広げるようになりました。
GOLD GLIDER TOURで初めての試み (2012年)
初めての試みは2012年のGOLD GLIDER TOURで、プロデューサーのMORさんの発案によるものです。サブステージ(通称:恥ずかし島)がアリーナの中央付近に設置され、セットリストの中盤あたりでメンバーはメインステージから下り、客席の間を縫って移動します。
サブステージに用意されている楽器はアコースティックセットになっており、アコースティック調にアレンジした楽曲を披露します。独特のオーガニックなサウンドが魅力で、CD音源では聴けない新しい曲の一面を見ることができるステージです。
恥ずかし島の名前の由来ですが、GOLD GLIDER TOURの際にサブステージと観客の距離が近く360°から浴びる視線を恥ずかしく思ったことから「恥ずかし島」と命名しました。
(大昔の”どっこいしょ”に似たネーミングセンスを久しぶりに垣間見た気がします・・・)
恥ずかし島演奏曲一覧
曲名 | ツアー名 | 備考 |
sailing day | GOLD GLIDER TOUR 2012 | レギュラーDキー・1番藤原ソロ |
車輪の唄 | GOLD GLIDER TOUR 2012 | 原曲テンポ |
ホリデイ | GOLD GLIDER TOUR 2012 | レギュラーDキー |
fire sign | GOLD GLIDER TOUR 2012 | レギュラーDキー 前奏あり |
embrace | GOLD GLIDER TOUR 2012 | 原曲キー |
グッドラック | WILLPOLIS | パートアレンジ |
かさぶたぶたぶ | WILLPOLIS | |
飴玉の唄 | WILLPOLIS | |
スノースマイル | WILLPOLIS | |
銀河鉄道 | WILLPOLIS 2014 | イントロ指アルペジオなし |
歩く幽霊 | WILLPOLIS 2014 | 藤原ハーモニカ演奏 |
睡眠時間 | WILLPOLIS 2014 | バンド演奏 |
グロリアスレボリューション | WILLPOLIS 2014 | |
プラネタリウム | WILLPOLIS 2014 |
キーのアレンジ
sailing dayやfire signはCDでは半音下げのEキーですが、恥ずかし島ではレギュラーチューニングのDキー(=半音下げE♭)になっており、原曲よりも下のキーで演奏しています。理由はわかりませんが、大昔のFLAME VEINの際のアコースティックステージも同様に全音下げチューニングで数曲披露しており、何か理由があるのかもしれません。
またembrace(原曲:レギュラーAキー)はメインステージで演奏されるときは半音下げで演奏されていましたが、恥ずかし島では原曲と同じレギュラーチューニング(A)で演奏されました。
アコースティックアレンジ
sailing dayでは1番を藤原さんがアコギ1本で弾き語りし、2番からバンド演奏となります。この模様はBlu-day/DVD作品「GOLD GLIDER TOUR 2012」でも確認できますね。
グッドラックは1番のBメロまでを藤原基央さんのボーカルと増川弘明さんのアコースティックギターのみで歌い、サビから直井さんのベース、2番から升さんのドラムが入るなど特別なアレンジが施されました。
逆に睡眠時間は原曲は藤原さんによる弾き語りでしたが、恥ずかし島ではバンドアレンジとなっています。重みを増しながらも、優しいサウンドがいい感じに出ていました。CDになってほしいなぁと思います。
恥ずかし島以外のアコースティック演奏曲
恥ずかし島が始まる前にも、2005年愛・地球博でのLIVE at Planetariumや1999年FLAME VEIN発売記念インストアライブなどでアコースティックライブを開催していたことがあります。
曲名 | ライブ名 | 備考 |
プラネタリウム | LIVE AT PLANETARIUM 愛・地球博 (2005年) | |
ギルド | LIVE AT PLANETARIUM 愛・地球博 (2005年) | |
embrace | LIVE AT PLANETARIUM 愛・地球博 (2005年) | 半音下げ |
スノースマイル | LIVE AT PLANETARIUM 愛・地球博 (2005年) | |
ガラスのブルース | LIVE AT PLANETARIUM 愛・地球博 (2005年) | |
くだらない唄 | FLAME VEIN発売記念インストアライブ (1999年) | 全音下げ |
リトルブレイバー | FLAME VEIN発売記念インストアライブ (1999年) | 全音下げ |
Danny | FLAME VEIN発売記念インストアライブ (1999年) | 全音下げ |
上記以外にもインディーズ時代に開催したイベント「第4回直井祭」では楽曲を披露したこともあり、未確認のアコースティックライブがあるようです。
アコースティックアルバムについて
firefly発売時のインタビューでアコースティックアルバムについてメンバーが答えていたことがあります。
藤原 ライブを観た友人やお客さんからもそういう声はいただいたんです。アコースティックのセルフカバーアルバムを出してほしいとか。
直井 みんな言うよねー(笑)。その前にまたオリジナルアルバムを出さないと!
藤原 そうなんだよね。もちろん、アコースティックライブをやるのも、アコースティックアルバムを作るのもやぶさかではないんですけど。
直井 そう、僕ら音楽が大好きですから。
藤原 けど、ただやればいいってものでもないですしね。素直な気持ちだけで言えば、すごく楽しそうだなって思います。
Natalie-fireflyのインタビューより
http://natalie.mu/music/pp/bumpofchicken08/page/2より
本人たちにも要望する声は届いており、でも今は新曲を録りたいという感じですね。藤原さんはDragon Ash10周年に寄せたコメントで「新曲がいつも一番好き」と書いていたので、過去を振り返ることよりも新しいものを作ることの方に重きを置いているのだと思います。未来志向型、とでもいえるのでしょうか。
それでも(スタッフ側の要望でしたが)Everlasting lieのアコースティックバージョンを再録したことがあり、(同様にスタッフ側の要望で)ガラスのブルース~28 years around~をCD化した例があります。
いつか珠玉の名曲たちが、4人の手でカバーされてアルバム化されるといいですね。以上、バンプの恥ずかし島&アコースティック曲のまとめを紹介しました。