今回はBUMP OF CHICKENのボーカル・ギターを務める藤原基央さんの使用ギター、エフェクター機材、アンプ機材を紹介します。
藤原さんのギターといえばギブソン・レスポール・スペシャルのイメージですが、実はレスポール・スペシャル以外に多数のギターを所有しています。この記事では全44本のギターの使用履歴やエピソードを含めて解説していきます。
更新履歴:2022年4月30日 アコギ3本追加
更新履歴:2022年5月08日 エレキ1本追加
更新履歴:2022年2月18日 エレキ1本追加
ギター機材一覧
藤原基央 2019年9月 新木場コーストにて 引用:Twitter@boc_chama
レスポールスペシャルタイプ
Gibson Les Paul Special Single Cutaway TV YELLOW
藤原基央さんのトレードマークとも言えるイエローカラーのギブソン・レスポール・スペシャル。1998年にはこのギターを入手しており、以来20年以上ライブやレコーディングで使用しています。藤原さんはギブソン製以外も含めて同モデルを8本所有しています。
※ボディカラーや詳細スペックの参照先として外部リンクを埋め込んでおりますが、製造年が同一であることを保証するものではありません。
- レスポール・スペシャル・タイプ
- Gibson Les Paul Special “1960 Historic Collection” #0 1015
- 不動のメイン機。藤原は木目だけで見分けられる。シリアルナンバーは1015
- 2001年製
- Gibson Les Paul Special “1960 Historic Collection” #0 1074
- サブ用として購入した1本。シリアルナンバーは1074
- Gibson Les Paul Special “1960 Historic Collection” #0 3031
- ライブでカポをつける必要が出て購入した1本。初カポは2002年「LOVE & PORKIN」ツアーの「ホリデイ」のためその頃に入手と思われる。シリアルナンバーは3031 (※シリアルナンバーと機材の同一性はボディの塗装のムラ、傷、木目より判断)
- Gibson Les Paul Special “1960 Historic Collection” #不明
- 最初に購入したレスポールスペシャル。2000年頃のライブ映像ではボディに大きなシールが貼ってあるのが確認できるが現在は剥がされている
- Gibson Les Paul Special (1957年製)
- 主にレコーディングで使用している1957製のヴィンテージ品(ライブ機材である”Historic Collection 1960″は1960年製をイメージした製品であり製造年ではないが、こちらは実際に1957年に製造された機材である)
- 「ray」のギターソロで使用
- Tokai Les Paul Special Type (青・HSWモデル1)
- 初確認は2004年「MY PEGASUS」「PEGASUS YOU」のステージ
- ボディは入手当時の黄色から青色にカラーチェンジ
- ライブ使用楽曲と時期:「オンリーロンリーグローリー」(2004年) 、「ハルジオン」(2012年) 、「花の名」「プラネタリウム」(2013年)、「トーチ」「ラストワン」(2014年)、「You were here」(2017-2018年)
- 60年代の配線に交換済み
- Tokai Les Paul Special Type (青・HSWモデル2)
- ボディは入手当時の黄色から青色にカラーチェンジ
- 塗装の青色はHSWモデル1本目と異なりムラがかかっている
- ライブ使用楽曲と時期:「ray」(アウトロのみ/2014年)
- Sonic Les Paul Special Type (SLP-S)
- 2006年10月製
- Gibson Les Paul Special “1960 Historic Collection” #0 1015
ライブでは「トーチ」「ハルジオン」「You were here」などで青色レスポールを使用する場合がある
その他レスポールタイプ
Gibson Les Paul Custom
メジャー以降、ハムバッカーのレスポールを背負ってライブに出演したことはなく、現在はレコーディングでメインで使用されています。その太く厚みのある音はレコーディングで活躍しています。10代の頃はコピーモデルの黒色レスポール・カスタムでインディーズ時代の楽曲や英語詞曲を演奏していました。
- その他 レスポール・タイプ
- LEGEND製 レスポール・カスタム・モデル
- 高校時代にザックワイルドに憧れて2万5000円で購入
- 1997年末まで使用記録あり
- 「ガラスのブルース」でBeat Brust in Japan 全国大会優勝した時に使用
- ヘッドにガムテープを貼りカタカナで「ギブソン」と書いていた通称:ニセ:ギブソン
- Gibson Les Paul Standard (チェリーサンバースト・1959年製)
- 「虹を待つ人」のギターソロで使用
- 「white note」のテーマリフはこのギターとFender Vibro-Kingで鳴らした音
- 「ray」のバッキングギターで使用
- 「ラストワン」のサビで使用。チャマのくれたストラトと2本で冒頭のギターの絡みを作っている
- 「morning glow」のイントロはこのギターをリアピックアップにして弾いている
- Gibson Les Paul Custom (黒・1968年製)
- 「R.I.P.」など『COSMONAUT』のレコーディングでハムバッカーの音が必要な時に大活躍した1本
- 「morning glow」のサビとフィードバックで鳴らしている
- Gibson Les Paul Acoustic TBK
- 2002年「LOVE & PORKIN」でレンタルしたがリハーサルで試し弾きしている最中にTシャツの塗料が溶けてしまいお買い上げになった1本
- ライブ使用楽曲と時期:「スノースマイル」(2002〜2003年)
- LEGEND製 レスポール・カスタム・モデル
ストラトキャスタータイプ
Fender Stratocaster
初期の頃からレコーディングで使用されていたストラトタイプのギターは、近年ではライブでも「ギルド」「車輪の唄」「ダンデライオン」「66号線」などの楽曲で使用されるようになりました。藤原さんがライブで使用しているのはSONIC製 STR BLACK #401です。BUMP OF CHICKENのライブサウンドを幅広くさせるために欠かせないタイプのギターとなっています。
- ストラトキャスター・タイプ
- Mad Axe ストラトキャスター・タイプ (黒)
- 中3の時に入手した藤原基央初めてのエレキギター
- 1万5000〜1万9800円
- 家がエレキギター禁止のため増川家に隠しており増川が楽器を始めるきっかけとなる
- Fender Stratocaster (サンバースト)
- 指板:メイプル
- 2000年11月制作セッション「天体観測」〜「Title of mine」の頃に使用
- Fender Stratocaster (サンバースト・1961年製)
- 『orbital period』期に入手
- 指板:ローズウッド
- ピックアップセレクターは5WAYに交換
- Fender Stratocaster (黒・1972年製)
- 指板:メイプル
- ベースの直井 (チャマ) からの誕生日プレゼントでもらった1本でU2のジ・エッジと同モデル
- 「ラストワン」のイントロ〜Aメロの印象的なカッティングギターはこれで弾いている
- Sonic STR Black #W401 (黒・2004年9月製)
- 指板:ローズウッド
- ピックアップはSonic Jupiter LSPに交換済み
- ライブ使用曲:「車輪の唄」「ギルド」「ダンデライオン」「ハンマーソングと痛みの塔」「SOUVENIR」他
- Sonic STR Black #V504 (黒・2005年9月製)
- 指板:メイプル
- 長年ローズウッド指板のサブ機材としてステージに用意されていたが、2022〜2023年の「クロノスタシス」で初めて本格的にステージで使用された。
- Mad Axe ストラトキャスター・タイプ (黒)
その他エレキギター一覧
Rickenbacker 360/12
- テレキャスター・タイプ
- Fender Telecaster (黄・1959年製)
- 『orbital period』期に入手
- ラムトリックカンパニーによりフレット、スイッチ、ジャック類は交換済み
- レコーディングでもよく使われ「プレゼント」での使用が確認されている。また2020年12月には増川が藤原所有の当機を弾いている姿が公式Twitterにあげられた
- ※リンク先はFender Japan製品のもの、藤原所有機はUSA製
- Fender Telecaster (黄・1959年製)
- テレキャスター・シンライン・タイプ
- Fender Telecaster Thinline (1972年製)
- G&L ASAT Semi Hollow
- 『jupiter』の頃に活躍したという1本
- リッケンバッカー・タイプ
- Rickenbacker 360 /12-strings (1966年製)
- 2002年「ホリデイ」のレコーディングで12弦ギターの音が必要になり増川と楽器屋を回って購入。「ギルド」のサビ裏のアルペジオもこの12弦ギターで演奏されている
- シリアルナンバー:#FD3192
- Rickenbacker 330 (1967年製)
- ”ものすごい存在感のあるギター”と藤原が語る1本。
- 「かさぶたぶたぶ」のレコーディングで使用
- シリアルナンバー:#GC1444
- Rickenbacker 360 /12-strings (1966年製)
- ジャガー・タイプ
- Fender Jaguar (1965年製)
- 『orbital period』期に入手
- 「サザンクロス」のイントロの”ジャーン (♭Amaj7) “とコードストロークで使用
- 「Smile (Band ver)」終盤のギターソロで使用
- Fender Jaguar (1965年製)
- ダンエレクトロ・タイプ
- DANELECTRO
- 2002年5月奄美大島にて購入
- DANELECTRO
アコースティックギター
Gibson J-45 (黒)
「音」に対する探究心が強い藤原さんはアコースティックギターを15本以上所有しています。PVやライブで藤原さんが弾いているGibson J-45の黒色モデルが有名です。
- アコースティック・ギター
- Gibson J-45 (1960年製)
- 「ホリデイ」はこのギター入手後、”これで1曲書きたい”と思い書かれた
- ボディの傷は購入当時からある。「スノースマイル」のPV撮影では雪に晒したり霜がついたりと”修羅場をくぐってきた”ギター
- 初期からレコーディングで大活躍しており、藤原自身の声質に似ていることがお気に入りで藤原の思い入れがあり、アコースティックギターを録音する場合に最初に考えるという1本
- 「スノースマイル」のレコーディングおよびPVで使用が確認
- Gibson J-45 (山野楽器スペシャルオーダーの現行モデル)
- Gibson J-45 (〃ライブ用サブ)
- ライブでメイン機の故障の場合のサブ機として用意されていたが、2014年「WILLPOLIS 2014」ではサブステージのメイン機(メインステージのサブ機としてもスタンバイ)として活躍。「銀河鉄道」「歩く幽霊」のライブで演奏された
- Gibson Hummingbird
- 2015年アンサーのレコーディングのSNSで初登場。
- 指板インレーの模様からOriginal, Vintage, Deluxeと思われるがペグやトラスロッドカバーなど細かいパーツが変更されておりモデル特定には至っていない。ヘッドのロゴは残っているが「Gibson」の文字も消されている。
- Gibson 詳細不明
- 2021年2月NHK「SONGS」で「Flare」レコーディング風景で藤原が使用している。Humming Birdのようにも見えるがピックガードの形状が異なり、ギターヘッドの「Gibson」の文字ロゴもあることから上記と別機材と思われる。
- Martin D-45 (1968年製)
- Martin D-25
- Gibson J-45 (1960年製)
-
- Martin 0-18 (1943年製)
- レコーディングの都合上小さいボディーのギターを買おうということになり楽器屋へ買いに行った
- 「flyby」「white note」のレコーディングで使用
- 2021年11月の生配信ライブ「Silver Jubilee」では直井が「small world」イントロで使用
- Martin 00-15M
- 「GO」や「虹を待つ人」(主にaurora arkツアー)のライブで使用
- Martin D-28 /12-Strings
- ライブ使用曲と時期:「ホリデイ」(2012年「GOLD GLIDER TOUR 2012」) 、「ダンデライオン」(2016年「BFLY」)
- Epiphone (詳細不明)
- 2022年4月、SNSで「クロノスタシス」を披露した際に使用
- Guild F-50 (1979年製)
- 藤原と同い年の79年製
- 河野ギター製作所 クラシックギター SAKURAI KOHNO スペシャル
- Washburn Guitars 1887 Style, New Model
- ギターマガジンには「1987年」と表記があるが誤りであり1887年モデルが正しい
- 「Ever lasting lie (Acoustic ver.)」のレコーディングで使用
- Lowden O-15 (1995年製)
- サブステージでのGibson J-45のサブ機としてスタンバイされていた
- Avalon AS-101
- YAMAKI アコースティックギター 詳細不明
- 小学6年生の時に姉の友人から3000円で購入した最初のギター
- インディーズ期使用ギター 詳細不明
- インストアライブにて確認されている
- Martin 0-18 (1943年製)
Gibson Hummingbirdを弾く藤原基央。(画像埋込元:Twitter@boc_official)
- セミアコースティックギター
- Gibson ES-335 (1961年製)
- 「ゼロ」のイントロのアルペジオで使用
- Gibson ES-335 (1961年製)
- その他
他、レコーディング内容に応じてシンセサイザー、ピアノ、アコーディオン、チューブラベル 、木琴、鉄琴、カホン、ハーモニカなどを演奏している
エフェクター機材
BUMP OF CHICKEN結成から2008年「ホームシップ衛星」ツアーまで、藤原基央さんはステージ上でのエフェクターをシンプルなブースター1〜2個のみにしてきました。2012年以降、ディレイをステージ上でも使用するようになっています。レコーディングではブースター、空間系エフェクターを楽曲の用途に合わせて使用しています。
ここで紹介するエフェクターはレコーディング用の機材も含まれています。
ブースター/オーバードライブ/ファズ 系
BOSS – Over Drive (OD-1) | |
BOSS- Over Drive (OD-3) | |
BOSS – Over Drive/Distortion (OS-2) | |
BOSS – Blues Driver (BD-2) | |
BOSS – Equalizer (GE-7) | |
KLON – CENTAUR Silver no picture *「ユグドラシル」の頃から「aurora ark」のツアーまでステージで使い続けてるブースター。藤原所有機はケンタウロスのイラストがないバージョン | |
Honda Sound Works – FUJIYAMA DRIVE | |
Honda Sound Works – Original Custom Made Booster | |
Z.VEX – Super Hard-On | |
BLACK CAT – Super Fuzz | |
Far East Electric – Original Custom Made Booster | |
作者不明のオリジナルブースター *GOLD GLIDER TOURにて使用確認 | |
FREE THE TONE FINAL BOOSTER FB-2 |
ディレイ/ワウ/空間系
BOSS – TR-2 [トレモロ] *「ユグドラシル」制作記事で登場 | |
JIM DUNLOP – Cry Baby Classic Wah Wah GCB95F [ワウ] *「かさぶたぶたぶ」レコーディングで活躍 | |
LINE 6 – DL4 [ディレイ] *2011年GOOD GLIDER 序盤のみ使用 | |
Eventide – Time Factor [ディレイ] |
チューナー
KORG – DTR-1 | |
KORG – DT-10 |
ラインセレクター
- ライン・セレクター
- Providence – A/B BOX *Jupiter
- “最も信頼するローディ” が製作した A/B BOX 2機 *ユグドラシル
- Honda Sound Works – 626 A/B BOX *RAY
- FREE THE TONE – Custom Output Selecter
ギター弦
その他ライブ・レコーディング機材
アンプ・スピーカー機材
インディーズから『jupiter』の頃まではマーシャルアンプを使用していました。2002年冬の「LOVE & PORKIN」ツアーからマッチレスを使用するようになり、以来20年近く歪み=マッチレス、クリーン=バッドキャットの組み合わせをライブで使用しています。レコーディングではVOX、Fender Vibro King、SUNNなども使用しています。
MARSHALL – JCM 900 [アンプ] | |
MARSHALL – 1959SLP [アンプ] | |
MARSHALL – Lead-1982 [キャビネット] | |
MARSHALL – 1962 Bluesbreaker [コンボ] | |
MATCHLESS – DC-30 [コンボ] | |
MATCHLESS – ESD [キャビネット] | |
BAD CAT – Black Cat 30 [コンボ] | |
BAD CAT – S212 [キャビネット] | |
Fender – Vibro-King [コンボ] | |
VOX – AC30 [コンボ] | |
SUNN – Model T [アンプ] | |
Honda Sound Works – BASSMAN Type [アンプ] | |
Honda Sound Works – 245 Type [アンプ] | |
Carvin 2×12 (G12) [キャビネット] | |
Orange – 不明 2021年頃よりステージパフォーマンスで使用するようになったが型番等の詳細は不明である。藤原の使用機材はコンボアンプと思われ、ボックスに張られている素材がクリーム色ではなく黒色である。*リンクは参考 |
以上、BUMP OF CHICKEN 藤原基央さんのギター、エフェクター、アンプ機材について解説しました。この記事がバンプのコピーバンドをしている方や、BUMP OF CHICKENのサウンドに近づきたい方の参考となれば幸いです。
マイク機材
藤原さんはゼンハイザーのE935をステージ用のマイクとして使用しています。
SENNHEISER ゼンハイザー ダイナミックマイク E935 |