「(please) forgive」 はBUMP OF CHICKENの「RAY」に収録されているアルバム曲です。
「(please) forgive」の意味は直訳すると「許して(ください)」となります。ボーカル・ギターの藤原基央さんは、生まれて初めての海外旅行で感じた思いを「(please) forgive」に書きました。
今回は「(please) forgive」歌詞に意味と制作エピソードについて紹介します。
「(please) forgive」基本情報
6th Album「RAY」(2014年3月)
作詞・作曲 | 藤原基央 |
編曲 | BUMP OF CHICKEN & MOR |
作曲日時 | 2009年8月7日 |
リリース | 2014年3月12日 『RAY』 |
ライブ初披露 | 2014年4月6日 BUMP OF CHICKEN TOUR “WILLPOLIS 2014” 千葉県幕張メッセ公演 |
「(please) forgive」の意味
「forgive」とは英語で「許す」という意味の動詞です。文頭に「(please) 」が付いているので、直訳すると「許してください」となります。
BUMP OF CHICKENの楽曲のタイトルのほとんどが名詞や名詞句で、「(please) forgive」のように文章的なタイトルは非常に稀です。
「(please) forgive」作詞エピソード
「(please) forgive」の詞の原型はかなり前から藤原基央さんの携帯電話のメモに残されていました。このメモは、藤原さんの海外旅行がきっかけで「(please) forgive」へと昇華されることになります。
藤原基央、初めての海外旅行で見た景色
2009年、藤原さんは友人達とフランス、アイルランド、オランダの3ヶ国へ旅行に行きます(直井さんも友人グループの1人として同行しています。本当に仲が良いですね)。
藤原 – 俺、”宇宙飛行士への手紙”を書いた後に生まれて初めて仕事以外で海外旅行に行ったんだけど、その時に色々考えちゃって・・・・・
引用元:「MUSICA」 2010年9月号
仕事(韓国でのライブ)以外で、藤原基央さんにとってプライベートの海外旅行は初めての経験でした。この海外旅行が藤原さんに色々な影響を与えます。
国際空港の雰囲気から感じた”寂しさ”と”希望”
藤原さんに主に影響を与えたのは、国際空港の雰囲気だったといいます。
藤原 – 空港に流れていた空気感、BGMとかも含め、いろんな国のいろんな人たちの、いろんな年齢だったり性別だったり、表情だとか、目的がいろいろ違うんだろうなぁとか。そういう寂しさとか、希望とか。
引用元:「MUSICA」 2014年4月号
屈指のハブ空港であるオランダ・アムステルダム国際空港には世界各国、いろいろな人種・性別・民族の人たちが集まります。藤原さんは、初めて見た光景に寂しさや希望を感じました。
藤原基央が伝えたかったこと
藤原さんは旅行から帰国後、本格的に「「(please) forgive」を作詞します。思い出されるのは、やはり国際空港の雰囲気でした。
藤原 – ヨーロッパ旅行から帰って来て作って、本当にあの時感じた空港の思いがものすごく強いんですね。
引用元:「MUSICA」 2014年4月号
(please) forgive
あなたを乗せた飛行機が あなたの行きたい場所まで
どうかあまり揺れないで 無事着きますように
引用元:(please) forgive/ 作詞作曲 藤原基央 (2014年)
藤原さんはインタビューで「あなた」は具体的なあなたでない、と明かしています。
藤原 – 《あなた》って出てきますけど、別に具体的なあなたがいたわけじゃないんです。
引用元:「ROCKIN’ON JAPAN」 2014年4月号
膨大な人の数がすれ違う寂しさと、これから出会うかもしれない希望とを感じた雰囲気を歌詞にしていきます。
キング・オブ・ポップの喪失感
また藤原さんが表現する”寂しさ”には、キング・オブ・ポップと称されるマイケル・ジャクソンの死のニュースも関係しています。
藤原 – すっごい切ない空間だったんですね、空港が。日本の成田空港も途中で降りた中継ぎの空港も、目的地の空港も全部。まあ、当時の背景をしゃべることしかできないんですけど、キング・オブ・ポップの曲がいっぱい空港で流れていた時で
引用元:「ROCKIN’ON JAPAN」 2014年4月号
ライブのリハーサルでマイケル・ジャクソンの楽曲をギターで弾いたりするほど、敬愛していたミュージシャンの死に、藤原さんは大きな切なさを感じていました。
「(please) forgive」制作エピソード
「ジャカジャンッ!」というリクエストに応える藤原基央
当時、BUMP OF CHICKENのプロデューサー・MOR(森徹也)氏は、曲が書けない藤原さんにテーマを与えることで作曲しやすい環境を作っていました。
プロデューサー・MOR氏のテーマと出来上がった楽曲
「シングル曲」 ▶︎ 「分別奮闘記」「R.I.P.」
「桜」 ▶︎「pinkie」
「クリスマス」 ▶︎「Merry Christmas」
「四つ打ち」 ▶︎「宇宙飛行士への手紙」
プロデューサー・MOR氏から新しいテーマ「ジャカジャンと鳴る曲」というリクエストを受け取った藤原さんは、海外旅行から帰国後の2009年8月7日に「(please) forgive」を書きます。
藤原 – だからイントロで『ジャカジャンッ!』ってやってるでしょう?まぁだから、一応リクエストに応えてるって感じって、それくらいの感じなんです。
引用元:「MUSICA」 2010年9月号
藤原さんはプロデューサーのリクエストにきちんと応える形で、「(please) forgive」のイントロは勢いのあるアコースティックギターのコードストロークから始まっています。
コード縛りのルールを課して作曲
「RAY」マスターテープ 画像埋込元:https://pbs.twimg.com
藤原さんは「(please) forgive」の作曲時にコード縛りのルールを自らに課しました。コード縛りとは、曲の伴奏(コード進行)をAメロ、Bメロからサビまで同じ進行を繰り返す縛りです。
藤原 – これもコード縛りをしながら作った曲ですね。Bメロだけちょっと変えましたけど。
引用元:「MUSICA」 2014年4月号
BUMP OF CHICKENの楽曲にはコード縛りやAB楽曲と呼ばれる展開法によって作られる楽曲があります。「リリィ」「pinkie」「宇宙飛行士への手紙」もコード縛りの楽曲です。
「COSMONAUT」から「RAY」収録へ
「(please) forgive」はアルバム『COSMONAUT』制作中にレコーディングが済んでいましたが、CDの収録時間の都合上、アルバム収録は見送られました。
藤原 – 「(please) forgive」も「COSMONAUT」に収録しようという話だったんですけど、1枚のCDの収録時間の容量をオーバーしてしまって。
引用元:ナタリーミュージック
「(please) forgive」が外された理由について、藤原さんは「COSMONAUT」収録曲に暗い曲が多かったため、暗い曲の中から1曲外すことになり、それが「(please) forgive」だったと明かしています。
「COSMONAUT」制作現場を書いた雑誌「ムジカ」には「(please) forgive」の曲名が記載されており、「RAY」リリースまでリスナーにとっては待望の未発表曲となっていました。
「(please) forgive」ライブ演奏記録
演奏回数 | 13回 |
演奏頻度 | ★☆☆☆☆ |
初披露 | 2014年4月6日 BUMP OF CHICKEN TOUR “WILLPOLIS 2014” 千葉県幕張メッセ公演 |
最終演奏 | 2014年7月31日 BUMP OF CHICKEN TOUR “WILLPOLIS 2014” 東京ドーム公演 |
演奏ツアー・ライブ | 2014年「BUMP OF CHICKEN TOUR “WILLPOLIS 2014“」 2014年「BUMP OF CHICKEN LIVE IN TAIWAN」 2014年「BUMP OF CHICKEN LIVE AT STUDIO COAST |
「(please) forgive」は2014年全国ツアー「BUMP OF CHICKEN TOUR “WILLPOLIS 2014″」と東京、台湾のライブハウス特別公演も含めて13回演奏されています
ライブバージョンの終わり方
「(please) forgive」はライブバージョンとCD音源でエンディングが異なります。
CD音源 ▶︎
ライブバージョン ▶︎
ドラムで終わるライブアレンジは「ベンチとコーヒー」のライブバージョンと同じです。
「(please) forgive」ライブ映像作品
映像作品「BUMP OF CHICKEN WILLPOLIS 2014」 |
「(please) forgive」のライブ映像は「BUMP OF CHICKEN WILLPOLIS 2014」に収録されています。
以上、BUMP OF CHICKEN「(please) forgive」の歌詞の意味、解釈、制作エピソードについて解説しました。この記事を読んで新しい聞き方を発見してもらえたら嬉しいです。