楽曲解説:ベンチとコーヒーvol.1 藤原から直井へのプレゼント

ベンチとコーヒー
作詞作曲:藤原基央
作曲時期:2001年12月
2002年2月20日 3rd Album『jupiter』収録

ベンチとコーヒーはBUMP OF CHICKENの3rd Album『jupiter』に収録されているアルバム曲です。藤原基央さんの低音ボーカルと直井さんのオンコードの基底を支えるどっしりとした音作りが暖かみを与えてくれるミディアムナンバーです。

この曲はボーカル・ギターの藤原さんがベーシストの直井さんへの誕生日プレゼントとして贈った二人の仲の良さを象徴する曲です。



チャマへの2ヶ月遅れの誕生日プレゼント

「jupiter」期のプロモーション写真 出典: tower.jp

幼稚園からの幼なじみで結成されたBUMP OF CHICKENの4人は仲が良い事で有名です。メンバーの誕生日にはパーティを開き、プレゼントを渡してお祝いしています。

2001年10月9日、チャマさんの誕生日に升秀夫(Dr.)さんはロボットのおもちゃ、増川弘明(Gt.)さんはセーターのプレゼントを贈ります。

12月に実際にあった1日を書いた曲

藤原さんは「自分にしかあげあれないもの」という発想で曲の制作にとりかかったものの、なかなか作れずに誕生日を過ぎてしまいました。2ヶ月が経過した12月のある日、実際にあった一日を唄にすることにします。

ベンチとコーヒー  0:17〜
青いベンチに座って
あったかいコーヒーを飲みました
これから昇る太陽が 東の空を染めました

引用元:ベンチとコーヒー / 藤原基央 (2002年)

藤原 – そういう1日が実際あったんですよ。「こんな歌を明日お前に渡せたらいいなぁ」っていう俺も、実際いて。必然的に誕生日プレゼントになったんだけど。誕生日、もう2ヶ月も前にすぎてて、「待っててね、待っててね」とかずっと言ってたんだけど。(中略)後悔のないものをプレゼントしたいって思ってたら、こういうものが出来上がって。自然の成り行き。チャマに誕生日プレゼントを書くぞ!とか思って書いた曲ではないです

「ベンチとコーヒー」を受け取ったチャマの反応

巣鴨の「ホワイトロードスタジオ」で、藤原さんは「遅れたけど、これ」といってチャマさんに手書きの歌詞カードを渡します。受け取ったチャマさんはしらけた風に顏を作りつつ、2階へあがり泣きました。

直井 – 曲をもらったのは初めてな訳じゃないですか。で、藤原の得意なもので。やっぱいろいろかんがえますよね。あと俺もやっぱ作る人間だから、初めてこの詞を見た時に革命的というかね(笑)、もう何回も何回も読み返して、藤くんより読んでんじゃねぇかっていうぐらい。やっぱね、藤くんの字っていうのは、すっごい良い字なんですよ。才能にあふれる字です。芸術的なんですよ。だから額に入れても映える!

チャマさんはこの時にもらった『ベンチとコーヒー』の藤原さん手書きの歌詞を額に入れて自宅で飾っています。

また”俺もやっぱ作る人間だから” という発言に直井さんの自負が伺い知れます。当時の直井さんは「ベストピクチャー」(作曲)「彼女と星の椅子」(作詞作曲)をバンドで発表しており、藤原さんに対する世間の評価を認めつつも、自分もBUMP OF CHICKENを大きくしているんだという対抗心が読み取れます。

チャマにとって特別な楽曲

直井 – うん、もう贔屓してますよ。宣言する(笑)。だから例えばTシャツを作る時も”ベンチとコーヒー”とか書いてあったり、PV作る時も『ベンチとコーヒーがいいなんじゃないかな』とか言ってみたり。

「R.I.P./Merry Christmas」(2009年) のインタビューで思い出に残るクリスマスプレゼントを聞かれて「ベンチとコーヒー」と答えていたチャマさん。今でも特別な1曲のようですね。

BUMP OF CHICKENの楽曲として

3rd Album「jupiter」(2002年2月)

藤原 – パーソナルな曲を書く時に、独りよがりの世界で終わってしまう曲だったら、世に出す必要もないわけで、やっぱそういう曲を自分の曲のように聴いてくれるリスナーの人もいるわけで。『ちょっとこの思いでに遊びにこない?』みたいな感じで、ドアを開けてあげる必要があると思うんですよ。バンプオブチキンは、ライブで、皆の前で歌いたいバンドだから、演奏したいバンドだから、そういう風にはしたいっすね、最終的には。

藤原さんはスタッフに子供が生まれた時に「Stage of the ground」という曲を書きました。やはりその時も、「出発点は友人への贈り物だけれども、BUMP OF CHICKENの楽曲として歌いたい内容にした」と語っています。

升さんと増川さんは「ベンチとコーヒー」がチャマさんに贈られた曲だと知りつつも特別な意識をせず、通常の曲と同じ意識でレコーディングしたとインタビューで明かしています。



ライブ演奏記録

演奏回数 15回
演奏レア度 ★☆☆☆☆
ライブ初披露 2002年1月30日 FM AICHI Presents『COLLABORATION 807』
最終演奏 2004年10月8日「MY PEGASUS」at ZEPP SENDAI
演奏イベント 2000年 FM AICHI Presents『COLLABORATION 807』
2002年 B.O.C Presents 「ポキレツ珍百科」*大阪公演のみ
2002年「POKISTA21」*全公演演奏
2014年「MY PEGASUS」*仙台1公演のみ

BUMP OF CHICKENのライブで「ベンチとコーヒー」は15回演奏されています。実質1本のツアーのみ披露されておりライブでのレア度が高い楽曲です。

「jupiter」リリース前に演奏されていた

メロディーフラッグ」同様、「jupiter」発売前にライブ演奏された曲のひとつです。2002年1~2月のくるりとの対バンイベントで初披露されました。

2004年10月8日 マイペガサス 仙台公演 引用:excite.jp

ワンマンツアー「POKISTA21」で全公演演奏されてます。2004年10月8日「MY PEGASUS」仙台2日目の本編で1回のみ演奏されており、2020年現在これが最後の演奏となっています。その日はチャマさんの誕生日前ということで、サプライズとして本人に内緒で「彼女と星の椅子」を演奏したライブです。(「ベンチとコーヒー」は事前に練習しており、本編セットリストとして組み込まれていました)

ライブでのギター演奏

「ベンチとコーヒー」のライブバージョンではイントロのリードギターは藤原さんが演奏し、増川さんはAコード [xx067x]をバッキングしています。藤原さんの弾くイントロは、CD音源で2本使って録音されているパートを1本のギターで再現しています。

以上、ベンチとコーヒーについて紹介しました。二人に仲の良さを象徴するこの曲を、またいつかライブで聴ければいいですね。

2020年11月4日リリース予定 LIVE Blu-ray/DVD『BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark TOKYO DOME』



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