解説:Stage of the ground vol.1 歌詞に隠された子供の名前

Stage of the ground:基本情報作詞作曲:藤原基央
作曲時期:2001年
録音時期:2001年
リリース:2002年2月20日 3rd Album 『jupiter』

「Stage of the ground」はBUMP OF CHICKENのアルバム『jupiter』収録されている楽曲です。この曲はBUMP OF CHICKENを支えるスタッフの子供に向けて贈られた曲として書かれました。



スタッフの子供の誕生祝いに贈った曲

「Stage of the ground」のきっかけはスタッフの生まれたばかりの赤ちゃんへのプレゼントとして作曲されました。

藤原BUMP OF CHICKENの共通の友達がいて、バンプのスタッフでもあるんだけど、その人に子供が生まれたんですよ。バンプからのプレゼントっていうか。

歌詞には子供の名前が隠されている

作詞作曲をしたボーカル・ギターの藤原基央さんは歌詞の中に「四文字の名前」を隠しました。

藤原 – その人の息子の名前が漢字4文字で構成されてんすよ、珍しいっすよね。で、漢字4文字を全部入れたかったの、俺は、詞の中に。

漢字四文字は別々の言葉で歌詞に登場します。それは未来永劫」「夏の日」「那由多」「宇宙という4つの言葉です。これらに散りばめられた一文字を繋げると子供の名前になります。

藤原  – 自由の『由』って字も入ってて、でもおれ”自由”って言葉はなんか、使いたくなかったんですよ。それで『那由多』っていうわけわからん言葉が出てきた。

ちなみに”スタッフ”とは株式会社TOY’S FACTORYの稲葉貢一氏です。 ※情報提供をして頂きましたガチョピン様、ありがとうございます。具体的に四文字の名前も判明していますが、個人情報の観点から控えさせて頂きます。

2019年7月12日 aurora arkツアーに花を贈る稲葉氏

2001年に生まれたとすると、今は18歳くらいですね。自分のために作られた曲がBUMP OF CHICKENの楽曲として存在しているっていうのはとても素晴らしく、うらやましいことです。



バンプオブチキンの楽曲として

スタッフへの出産祝いがきっかけで書きはじめた「Stage of the ground」ですが、作詞をする中でBUMP OF CHICKENの楽曲として捉える様になります。

藤原 – その人のためだけに歌ったなら、バンプのCDの中には入れにくいなぁって思って。だから書いてるうちに徐々に徐々に言葉は普遍的なものになっていったんです。結局出来上がったところ、スタンダードナンバーだなと思いました。

「Stage of the ground」の意味

「Stage of the ground」は直訳すると「地面のステージ」という意味です。<飛ぼうとしたって 羽なんかない>  <あの月も あの星も 届かない場所にあるから 自分の位置がよくわかる> という一節は後年に書かれた「望遠のマーチ」や「ほんとのほんと」に繋がるテーマです。「等身大に生きる」ということが一番大事であるという藤原さんの気持ちが読み取れます。

友人に曲を書くことがある藤原基央

藤原さんは友人へ贈ることがきっかけで楽曲を書くことがあります。同じ『jupiter』のアルバムにはベーシストの直井由文(CHAMA)さんの誕生日に贈った「ベンチとコーヒー」や記憶喪失になったスタッフへの思いを込めた「メロディーフラッグ」などが収録されています。

藤原基央が友人へ書いた曲メロディーフラッグ」 (作曲:2001年) 
ベンチとコーヒー」(作曲:2001年) 
fire sign」(作曲:2003年) 
66号線」(作曲:2008年) 
HAPPY」(作曲:2008年)
セントエルモの火(作曲:2008年)」

ピアノを弾きながら作った「Stage of the ground」

ピアノを演奏する藤原基央 (『jupiter』制作時, 2001年)  Image embedded from Pinterest.com

「Stage of the ground」は藤原基央 (Vo. & Gt.) さんがピアノで作りました。BUMP OF CHICKENの楽曲でもピアノで作ったと明言した数少ない楽曲です。

藤原 – 最初のギターあるじゃないですか、テンテレンテレンテレンってあるやつ。あれも最初鍵盤で弾いてて。

右手でアルペジオ部分を弾き続け、左手のルート音を変えていく手法で作曲しました。完成版の音源でもアルペジオは(転調するCメロを除き) 曲を通してループされています。

※藤原基央さんのピアノ経験については下記の記事でまとめています。

Stage of the groundの原曲はどのような感じだったか

ピアノで演奏した「Stage of the ground」がどんなものだったか、早速再現してみました。

*調律の観点からギターのように半音下げではなく通常のホ長調もしくは白鍵だけを使うハ長調で当時演奏されたと思われる。今回はホ長調 (E♮キー)で再現した。

鍵盤楽器で演奏すると厳かな雰囲気が出ていますね。藤原さんが閃いたインスピレーションはこの様な音だったのかもしれません。

ジャズを表現したベースライン

ベーシストの直井さんは「Stage of the ground」のベースラインを考案する際、ジャズを意識したといいます。

直井 – 俺らは結構オヤジ臭くて。俺が『天体観測』で表現したかったのはテクノだし、『Stage of the ground』で表現したかったのはジャズっていうね(笑)ほんとダッサイ、できるはずもないことをやろうとした、今風にかじりつこうとしたのは、なんかちょっとビートに出てるかなっていう。

直井さんはベースラインで何かを表現しようとする傾向があります。『ユグドラシル』の「太陽」のベースラインは「心臓の音」を表現するつもりでレコーディングしたと答えています。

ジャングルビートのドラム打つ升秀夫

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「Stage of the ground」のドラムはフロアタムとバスドラムを使用したリズムが主体となっています。「ジャングルビート」と藤原さんが呼ぶリズムは、グルーヴの中心的役割を果たしています。

藤原さんによるアイデアで、シーケンサーでデモ音源を作成する段階でこのパターンは生まれていました。

『jupiter』の制作姿勢が反映されているアレンジ

藤原さんはコード進行を”スケールの大きい” (本人談) ものにし、リズムはジャングルビートにしています。その一方で直井さんは”ジャズ”を意識しており、互いのバラバラな感性が生かされています。

直井 – 藤原にやれよっていわれたベースラインじゃなくて、俺がやりたいって思ったベースラインがなぜか曲から出てきたり。

「曲から生まれた音」と「自分たちの出したい音」が並立関係にある段階です。そして藤原さんへの音楽的対抗心も読み取ることができます。

ここに若い頃のBUMP OF CHICKENの制作姿勢が伺えます。互いの出したい音を出すことで、バンドアレンジの化学反応をより実感させます。



ライブ演奏記録

演奏回数 83回
演奏頻度 ★★☆☆

「Stage of the ground」はBUMP OF CHICKENの中でも演奏頻度が高い曲のひとつです。これまで83回ステージ演奏されています (2019年8月現在)

「Stage of the ground」が演奏されたツアーPOKISTA 21 (2002年)
LOVE & PORKIN (2002年)
MY PEGASUS (2004年) 
PEGASUS YOU (2004年)
run rabbit run(2006年)
GOLD GLIDER TOUR 2012 (2012年)
GOLD GLIDER TOUR 2012 (2012年)
WILLPOLIS (2013年)
WILLPOLIS 2014 (2014年)

セットリスト1曲目に演奏される事が多いですが、LOVE&PORKINでは本編ラスト曲として、GOLD GLIDER TOUR 2012では5曲目に演奏されました。演奏頻度の割には一度もアンコール演奏されたことがないのも特徴です。

増川弘明のギターパートの変化は成長の証

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「Stage of the ground」のライブバージョンでは、増川弘明さんのギタリストとしての成長が見ることができます。

Aメロにおける増川弘明の演奏パート変化

2002年               アルペジオなし + リフ
2004〜2006年 コード演奏
2012年〜現在     アルペジオあり+リフ

2002年は曲中ではテーマアルペジオを一度も弾かずギター演奏を最小部分に抑えており、原曲とは程遠いアレンジでした。2004年からコード弾きをするようになり、2012年はアルペジオとリフを組み合わせて弾くなど、ほぼ原曲を再現しています。

2004年のMY PEGASUSツアーでは増川さんのイントロアルペジオが鳴っている間、藤原さんはチョーキングやカッティングアドリブ、直井さんはスラップの即興ジャムが一定時間おこなわれていました。

以上、Stage of the groundの秘密について解説しました。「こんな経緯で作曲されたんだ」と思いながら聴いて、曲の新しい側面が垣間見えたらいいなと思います。



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