BUMP OF CHICKENの「メロディーフラッグ」はアルバム「jupiter」の収録曲です。
2本のアコースティックギターで織り込まれるアルペジオと《疲れたら ちょっとさ そこに座って話そうか》という優しい歌い出しが魅力的な1曲です。
「メロディーフラッグ」の歌詞は、一時的に記憶喪失になったBUMP OF CHICKENの共通の友人(スタッフ)へ届けたいという思いで生まれました。
今回は「メロディーフラッグ」の歌詞の意味、解釈、裏ネタを紹介します。
「メロディーフラッグ」基本情報
作詞・作曲 | 藤原基央 |
作曲時期 | 2001年初頭 |
制作時期 | 2001年 |
収録作品 | 2002年2月20日 アルバム「jupiter」 |
ライブ初披露 | 2001年7月21日「Surf porkin’」千葉LOOK公演 |
「メロディーフラッグ」の意味
「メロディーフラッグ」は直訳すると”音の旗”を意味し、ボーカルの藤原基央さんの「もしも迷ったら”BUMP OF CHICKENが出す音という旗”を目印にしてほしい」という願いが込められた曲名です。
それでは「メロディーフラッグ」は一体どのように作曲されたのでしょうか。
「メロディーフラッグ」の歌詞の意味
記憶喪失になった友人がきっかけで生まれた「メロディーフラッグ」
「メロディーフラッグ」はBUMP OF CHICKENのメンバー共通の友人に贈られた楽曲です。この友人は事故にあい、短期間記憶喪失になってしまいました。
藤原 – 友達が雪の日に階段で転んで、頭打って、記憶障害を起こしてしまって。そいつが記憶障害起こしてまず一番気にかけたのは、俺らのことだったらしいんですよ。ずーっと自分の部下にね、『バンプ頼む、バンプ頼む』って。
この友人はレコーディング会社のスタッフでしたが、メンバーはスタッフというよりも1人の友人として接していました。転んで記憶障害になった際にも部下に留守電を入れてバンプのことを心配するほど、4人のことを気にかけていました。
友人を心配するBUMP OF CHICKENのメンバーはプリプロ作業中もうわの空の状態でした。病状など専門的なことがわからないけれども、自分たちにできることは音楽だと考えていました。
藤原 – 俺らの音楽をすごい大好きな人で、俺らの音楽を忘れて欲しくなかったのね。そいで、俺らのやることっていったらなんだろうって考えて、やっぱ音楽の中にある気がするよ思って。で、俺は医者じゃないから手術もできないし、薬の調合もできないけど、音で旗を振ることができると思ったので、『メロディーフラッグ』。
メジャーアーティストであろうとなかろうと、自分に対して曲を書いてくれるという行為は嬉しいものだと思います。それが藤原さんのような詩人なら、尚更です。
雪の日に転んだエピソードから、藤原さんが「メロディーフラッグ」を作曲したのは2001年初頭の頃だと推測されます。
「メロディーフラッグ」エピソード
「jupiter」収録前からライブで演奏してきた
「メロディーフラッグ」は『juputer』収録曲ですが、アルバムリリースの7ヶ月前の全国ツアー「Surf Porkin’」で全公演セットリストに入っています。
初披露は2001年7月21日千葉LOOK公演で、楽曲アレンジはアルバムとほぼ同じです。そのため2001年夏までには「メロディーフラッグ」の制作がある程度完了していた頃が推測されます。
出来てすぐ人に聴かせたいと思うほど、大事な歌だと思っていたのかもしれません。
Surf Porkin’ 2001.07.21 at 千葉LOOK
01.バトルクライ
02.アルエ
03.ノーヒットノーラン
04.リトルブレイバー
05.ダイヤモンド
06.ラフメイカー
07.天体観測
08.ランプ
09.とっておきの唄
10.ベストピクチャー
11.メロディーフラッグ(ライブ初披露)
12.ナイフ
13.K
14.グロリアスレボリューション
15.グングニル
– encore –
01.DAYDREAM BELIEVER
02.ガラスのブルース
(升ドラムソロ)
ちなみにこの日はDAYDREAM BELIEVER という英語詞の曲(THE MONKEYSのカバー)を披露していました。
ライブ演奏記録
演奏回数 | 68回 |
演奏頻度 | ★★★☆☆ |
初披露 | 2001年7月21日「Surf Porkin’」千葉LOOK公演 |
演奏ツアー | 2001年「Surf Porkin’」 2002年「POKISTA21」 2002年「LOVE & PORKIN」 2003年「NINJA PORKING」 2006年「run rabbit run」 2014年「BUMP OF CHICKEN LIVE at 新木場STUDIO COAST」 2017-18年「BUMP OF CHICKEN 2017-2018 TOUR PATHFINDER」 |
変化するギターソロ
「メロディーフラッグ」のギターソロは2001年の初披露以来、藤原さんが弾いていました。2014年7月15日の新木場STUDIO COASTで約8年ぶりに演奏した時から増川さんが弾くようになりました。藤原さんが弾いていた時代のギターソロは年々アレンジされていきました。
PVには藤原さんの義兄さんが出演
メロディーフラッグはPVが作られ、千葉県の犬吠埼で撮影されました。あまり知られていませんが、PVに登場する「旗を立てる人」の男性は、実は藤原さんの2番目のお姉さんの旦那さんで、お姉さんと同じ劇団に所属していた役者さんです。
以上、メロディーフラッグについて紹介しました。ちなみにこの怪我をされたご友人は今は元気になって記憶も戻っているそうです。よかったですね。