GOはBUMP OF CHICKENの8枚目のアルバム「Butterflies」に1曲目に収録されているアルバム曲です。スマートフォンRPG「グランブルーファンタジー」のCM曲としてもタイアップされ、アルバム発売から6ヶ月後にPVも制作されされました。今回はGOという楽曲について情報、PVの意味や裏設定の解釈などを紹介します。
デモ音源からアレンジが決まるまで
Butterflies収録曲のうち既発4曲(パレード、ファイター、Hello, world!!、コロニー)以外の6曲は2015年10月にメンバーに渡されました。
直井 藤原くんが作った6曲のデモを僕らが聴いたのは10月くらいだったんですよ。まず「GO」から聴いて、それをどう料理しようかっていうことで、次の日には3人でスタジオに集まって。
natalie – http://natalie.mu/music/pp/bumpofchicken15
この曲はプロデューサーのMOR(森徹也)さんと藤原さんからデータファイルで直井さんの元に届いたようです。
ちなみにメンバーが初めて曲を聴く時は、5枚目のアルバム「orbital perid」までスタジオで聴くのが一般的でしたが、”R.I.P”(2009年)の時に初めてデータファイルでメールで添付されました。当時直井さんは物寂しい気持ちもあったそうですが、今ではそれが普通になっているようです。
送付されたGOを聴いた直井さん、升さん、増川さんは翌日に3人だけでスタジオに集まり、音楽編集ソフト Pro Toolsを使用してアレンジを決めました。
直井 – それぞれの楽器のイメージをPro Toolsに流し込んで、デモのアレンジと照らし合わせていって。おおまかなイメージができた時点で、別のスタジオにいる藤原くんに電話して、深夜に僕らのいるスタジオに来てもらったんです。そこでまたフレーズやアレンジの意見を話し合って曲の方向性を固めていって。今までだったら藤原くんがデモを丁寧に温めたうえで僕らにプレゼンテーションしていたんですけど、今回は早い段階で曲を共有するというスタイルだったんです。その変化は大きかった。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/02/10/bump-of-chicken-20_n_9205954.html
デモテープでは8ビートのギターでしたが、リズムアレンジを進める上でバスドラム(キック)が4つ打ちになり、ハイハットを16分音符で刻むようになりました。それに合わせてギターも16分音符のリズムになり、ピアノやギターリフなどのウワモノも生まれていきます。
そして直井さん、増川さん、升さんの3人で試したアレンジを別のスタジオにいる藤原さんとMORさんに聴かせて、その間に3人は藤原さんの新しい曲のデモを聴く。そしてアレンジや新曲に対して互いに感想や意見を言い合う、Butterfliesはこれを繰り返して制作されました。
直井 – いつもは1人ひとりで考える時間が長いんですけど、その時間が少なかったんです。だから、これまでよりもお互いのパートに踏み込んで意見を出し合った。今までで一番4人が言葉でコミュニケーションをとって作ったアルバムなのかなと思います。
http://natalie.mu/music/pp/bumpofchicken1
増川 – この曲はどこかに連れていってくれるような高揚感のある曲なんですけれど、僕としてはすごくバンド感を感じる曲でもあるんですよ。グルーヴがちょっとでもズレたら曲の持っているムードが損なわれてしまう難しさがある。
http://natalie.mu/music/pp/bumpofchicken15/page/2
藤原さんの類まれな音楽センスでここまで進んできたBUMP OF CHICKEN。特にそのきっかけとなったユグドラシル以降は藤原さん主導のアレンジをメンバー各自で解釈して肉付けしていくというものでした。時には藤原さんがデモの段階でアレンジをほぼ決める曲もありました。
しかしButterfliesではバンドの原点である、各メンバーが主体となってアレンジを決めていくことが多くなりました。それは藤原さんの作曲スピードが上がり、ストック曲数が増えたこと、そして藤原さんがメンバーのアレンジ能力を今まで以上に信頼してきたからです。まさにバンドの魅力である”化学反応”が最大限に引き出された曲(アルバム)だと言えます。
PVの裏設定(?)
「GO」のPVはアルバムリリースから10ヶ月以上経過した2016年12月に公開されました。アルバム曲としてはButterfly、宝石になった日に続く3曲目のPVとなります。アルバム全体としては8曲目(!)のため、なぜ制作されたのか…という謎があります。CMタイアップされたからでしょうか…。それにしても多いですね。
Butterflies PV リスト
- You were here
- パレード
- ファイター
- Hello, world!!
- コロニー
- Butterfly
- 宝石になった日
- GO
PVの多さはさておき、今回のGOには過去のバンプのプロモーションビデオと関連づけられる映像があるのをご存知でしょうか。
0:17 〜 犬吠埼灯台の風景
犬吠埼はメロディーフラッグのPVの撮影現場となった場所です。
0:27 〜 学校の廊下
涙のふるさとのPVに出てきた廊下にそっくりです。
1:27〜 芝生の上の4人
COSMONAUTの歌詞カードに出てきた芝生に似ていますね。
2:07 〜 自転車に乗る4人の子ども
天体観測の4人へのリンクみたいですね。
他にも「水中の泡」や「クジラ」などBUMPファンなら連想つけられるシーンが入っています。私の恣意的な解釈なのでこじつけ的な部分は否めませんが、全てのPVに意味付け、ストーリーを設定している彼らのPVでは、あながち無意味に挿入しない気もします。批判は受け付けます!
以上、簡単なGOの紹介でした。