8th Album 『Butterflies』

楽曲解説「コロニー 」歌詞の意味 – 心の作った街と胸の痛みとは

8th Album 『Butterflies』
「コロニー/Hello, world!」(期間限定版)

「コロニー」はBUMP OF CHICKENの24枚目のシングル曲です。映画「寄生獣:完結編」の主題歌として書き下ろされた曲で、ピアノのサウンドが特徴的なバラードとなっています。

この記事では「コロニー」の歌詞解釈、意味、制作エピソードなどを解説していきます。



「コロニー」基本情報

作詞・作曲 藤原基央
編曲 BUMP OF CHICKEN & MOR
作曲時期 2014年
録音時期 2015年初頭
録音場所 AVACO CREATIVE STUDIO 
シングル 2015年4月22日「コロニー/Hello, world!」「Hello, world!/コロニー」
アルバム 2016年2月10日「Butterflies」
ライブ初披露 2015年7月30日 BUMP OF CHICKEN Special Live 2015 at インテックス大阪5号館

「コロニー」制作スケジュール

2014年末 藤原が「コロニー」作曲
2015年1-2月 「コロニー」「Hello, world!!」レコーディング
3月5日 「コロニー」MV撮影
3月8日 CDジャケット打合せ
3月18日 スタジオライブ収録
4月22日 24th Maxi Single「コロニー/Hello, world!!」リリース

 

「コロニー」作曲エピソード

2014年、藤原基央さんは映画監督・山崎貴氏から「寄生獣 完結編」の主題歌を依頼されて「コロニー」を書き下ろします。

山崎貴氏とは2006年から交流があり「コロニー」は5度目のタイアップで、前作「パレード」に引き続いてのタイアップとなりました。

関連記事:山崎貴監督とBUMP OF CHICKENの関係

時間のない中で時間をかけて書いた「コロニー」

「完成映像を見てから曲を書く」という条件を決めていた藤原さん。山崎監督側からの完成映像の出来上がりが遅くなった結果、納期が当初よりも短くなる中で書き上げました。



藤原 – サラサラという感じではなかったです。でも、曲が行くべき方向はちゃんとわかってるから、焦りや不安はなかったんですけど、他の曲の1.5倍くらいは時間をかけましたね。

BUMP OF CHICKEN「Hello,world! / コロニー」インタビュー

 

「コロニー」の歌詞の意味

「コロニー」の曲名の意味

「コロニー」(colony)とは英語で植民地や繁殖地を意味します。

藤原さん本人はタイトルの意味については明かしていませんが、歌詞の《心の作った街》というフレーズからも全国ツアー「WILLPOLIS」「WILLPOLIS 2014」とのつながりを彷彿とさせます。

藤原さんはハマっている言葉やモチーフを一定期間多用する傾向があります。

“どこだろう 今痛んだのは” –

コロニー / 0:01-
どこだろう 今痛んだのは
手を当ててから わからなくなる

この二行の詞は、藤原さんが患っていた胸の神経痛の実体験です。2014年3月に肺気胸の手術を受けており、手術後も胸の神経痛を感じることがありました。

 

藤原 – この曲を書いてるときはその神経痛がちょっと強めだったんですね。「コロニー」はそれについて書くところから始まって(笑)。

BUMP OF CHICKEN「Hello,world! / コロニー」インタビュー

 

同じように胸の痛みを歌った曲として「モーターサイクル」があります。藤原さんはいつも《自分に起きている現実だけを歌っている》と語っています。

「コロニー」制作エピソード

BUMP OF CHICKEN ドラム

2種類のデモ音源からアレンジを選択

「コロニー」はBUMP OF CHICKENの楽曲で珍しくアレンジの没案が明かされています。以下のデモ段階で2パターンのアレンジがあったといいます。

  • Aパターン:ドラムレス(パッド+シーケンサーのみ)
  • Bパターン:パッド+シーケンサー+曲途中からドラム

直井 – 藤原くんのボイス、シンセパッド、ピアノ、アコースティック・ギター、フィルターのシーケンス、それだけで十分素晴らしかったから。

升 – だから自然に“生のドラムとしては今回やることないな”って思ったところからスタートして。

BUMP OF CHICKEN「Hello,world! / コロニー」インタビュー

最初に藤原さんがメンバーに聴かせたのはAパターンでしたが、最終的にBパターンの採用が決まります。



Aパターン(ドラムレス)のアレンジだったら「Spica」のような感じだったのでしょうか。いつかAパターンのデモ音源も聴いてみたいです。

Protoolsを駆使する升と直井

「コロニー」の頃から升さんと直井さんは本格的にDTMソフト『Protools 』を使用してアレンジを詰めていくようになります。

 

直井 – 藤原くんからもらった「コロニー」の原型をもとに秀ちゃんが作ったリズム・パターンと僕のべースをPro Toolsに入れて、強弱をいじってから、例によって翌日プリプロに入って。

BUMP OF CHICKEN「Hello,world! / コロニー」インタビュー

 

直井 – 打ち込みの作業に慣れ始めたというか(笑)・・・今までなんどもやってきたけど、でも赤ん坊がパソコンを触っているようなものだったしね。

引用元「MUSICA」2016年3月号

 

藤原さんの作ったデモ音源を基にリズム隊の二人が各パートのアレンジを詰めます。そのあと藤原さんと増川さんにリズム隊デモを聴かせて確認をする、という流れで制作していきます。

関連記事:メンバー vol.4 – 作曲から音源化までの流れ-レコーディング(前編)



「コロニー」MV

embedded from Twitter@boc_chama

2015年3月5日、合成用のグリーンバックに撮影に臨むBUMP OF CHICKENの4人。映像は山崎貴監督により製作されました。

「コロニー」ライブ演奏記録

演奏回数 3回
演奏頻度 ★☆☆☆☆
初披露 2015年7月31日 BUMP OF CHICKEN Special Live 2015
演奏ライブ 2015年 BUMP OF CHICKEN Special Live 2015
2015年 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015

「コロニー」は2015年に3回のみライブ演奏されています。BUMP OF CHICKENの全楽曲において演奏回数が少ない曲のうちのひとつで、シングルとしては未演奏曲「モーターサイクル」につぐ回数の少なさです。

「コロニー」ライブ使用機材

midiキーボードを演奏する直井由文 embedded from ure.pia.co.jp

藤原基央 Gibson J-45
増川弘明 Gibson Les Paul Standard
*スタジオライブではFender Telecasterを使用
直井由文 Fender Jazz Bass + MIDIキーボード

「コロニー」の1番のサウンドはピアノとアコースティックギターが主体となっており、ライブではベーシストのCHAMAさんがmidiキーボードを演奏してピアノの音を再現しています。

直井さんがMIDIキーボードを使用する楽曲は他に「angel fall」「虹を待つ人」「コロニー」「ファイター」「Sleep Walking Orchestra」「邂逅」などがあります。

「コロニー」ライブ映像作品

シングル「コロニー/ Hello, world!」(初回限定版)(スタジオライブ収録)
8th Album「Butterflies」初回限定版Blu-ray(2015年8月2日 BUMP OF CHICKEN Special Live 2015 at Yokohama Arena 収録)

「コロニー」は有観客ライブでの演奏はわずか3回にもかかわらず2回映像化されており、バンプとしては珍しく運の良い楽曲です。うち1回はバンド初となるスタジオライブ映像です。

以上、BUMP OF CHICKENの「コロニー」の歌詞の意味と制作エピソードについて解説しました。