楽曲解説:Hello, world! セッションで育まれたバンドサウンド

Hello, world!:基本情報作詞作曲:藤原基央
作曲時期:2014年秋〜12月
録音時期:2015年1〜3月
録音場所:早稲田Avaco Studio
リリース:2015年4月22日「Hello, world!/コロニー」

BUMP OF CHICKENの楽曲「Hello, world!」の歌詞の意味と制作背景について解説します。

TVアニメ「血界戦線 」の主題歌として書き下ろされた「Hello, world!」。BUMP OF CHICKEN屈指のバンド感の強いサウンドが特徴の楽曲です。

「Hello, world!」は一体どのようにして生まれたのでしょうか。そのエピソードを解説していきます。

 



「Hello, world!」の意味

Hello world(ハロー・ワールド)は、多くのプログラミング言語において非常に単純なプログラムであり、プログラミング言語の入門書で、プログラムを動かすためのプログラミング言語の基本文法の解説例として提示される。 

Wikipedia – Hello, world

「Hello, world!」とはプログラミング初学者がプログラミング言語を使用することで表示させる最初の例題を指すIT用語です。

作詞作曲担当の藤原基央さんは、もともと「Hello」と「World」という2つの曲名アイデアがあり、最終的にそれらを繋げて「Hello, world!」と名付けました。

4つのタイアップの1曲

2014年夏、全国ツアー「WILLPOLIS 2014」を終えたBUMP OF CHICKEN。秋頃から4作品のタイアップ楽曲を制作します。

タイアップ作品 書き下ろし楽曲
漫画「3月のライオン」 ファイター
映画「寄生獣」 「パレード」
TVアニメ「血界戦線」 「Hello, world!」
映画「寄生獣 完結編」 コロニー

「ファイター」「パレード」の2曲の作業中、さらに2曲のタイアップオファーが届きます。そのうち1曲が「Hello, world!」のタイアップ先となるTVアニメ「血界戦線」主題歌のオファーでした。藤原さんにとってこの頃のスケジュールはタイトに感じたといいます。



TVアニメ「血界戦線」タイアップ曲

藤原さんは「血界戦線」のアニメ監督である松本理恵氏と顔合わせの機会を作り、お互いのバックグランドを語り合います。

集英社コミックス「血界戦線」原作:内藤泰弘 

松本監督からは「歌始まりの曲」というリクエストがあり、それに応える形で藤原さんはスタジオで曲作りを行います。

松本理恵 × BUMP OF CHICKENのコラボアニメ「血界戦線」×「Hello, world!」
CM ロッテ「ベイビーアイラビューだぜ」 ×「新世界
ポケモンスペシャルMV「GOTHA!」×「アカシア

冒頭の4行の歌詞が初めに浮かび、順番よく作詞をしていきました。

Hello, world!  0:00〜
扉開けば 捻れた昼の夜
昨日どうやって帰った 体だけが確か
おはよう これからまた迷子の続き
見慣れた知らない 景色の中で

引用元:Hello, world! / 藤原基央 (2015年)

普段の曲作りと異なったのは、1コーラスを期限までに制作しなければならなかったことです。そのため1コーラス分の歌詞、メロディ、ギター2本で構成されたデモテープを作成します。

BPM200を超える曲の速さは特に意識をしたわけではなく、作曲時の歌いやすいテンポで作った結果です。藤原さんは2014年12月にフルコーラスを書き上げました。

セッションから生まれたバンドサウンド

「Hello, word!」は前述の理由から通常より短期間で制作されました。藤原さんがデモテープをメンバーに渡した3日後にはプリプロ作業に入ります。

BUMP OF CHICKENの楽曲は、藤原さんとプロデューサー・MOR氏でアレンジのアイデアを出し、各メンバーが音で体現していく流れが多いです。しかし「Hello, world!」では4人でスタジオに入り、セッションを通して細かいアレンジを決めていきます。

2015年1月、BUMP OF CHICKENが楽曲セッション時に使用するリハーサルスタジオにて。投稿時期とEコードを押さえていることから「Hello, world!」のリハーサルであることがわかる

増川 – 今回はスピード感が大事だったので、キメとかもスタジオのその場で合わせて修正を入れながら作っていくような手法でした。スピード感とテンションの高さをずっとキープしていくみたいな。

出典:natalie.mu

具体的なレコーディングの様子をギタリスト・増川弘明さんが語ることは珍しいです。バンド全員によるセッション的手法でアレンジ決めをする時には増川さんの弾くベーシックなギターがあることで、藤原さんが試行錯誤する余裕が出てくるため、増川さんの存在は大きな役割を持ちます。

早稲田Avaco Studioにて「Hello, world!」のレコーディングをする藤原。投稿日時は3月だが2月25日にレコーディングされた。



スピード感のある制作手法で、有機的に絡むギターとドラムのハイハットといったバンド感のあるサウンドが生み出されました。過去に同様の手法で「トーチ」「Smile (Band Ver.) 」も制作されたことがあります。

直井の唸るようなベースライン

「Hello, world!」のベースはBUMP OF CHICKEN初期を彷彿とさせる動くようなスタイルで演奏されています。

直井 – 僕はベーシストとして、ベースのうねり出す位置とかキメの部分にアニソンならではのポイントがあると感じていて。(中略) 僕の場合はアニソンが好きな気持ちがこじれて爆発しちゃった(笑)

出典:natalie.mu

直井さんは「orbital period」〜「COSMONAUT」の時期に自身の動き回るスタイルを封印し、曲を支えるルート弾きを多用してきました。「Hello, world!」では直井さんのテクニックを全開放した唸るようなベースラインが聴くことができます。

ボーカル別テイクの「Hello, world! (TV Size ver.)」

アニメのオープニング映像として放送されたバージョンは、iTunesなどで「Hello, world! (TV size ver.)」として当時先行有料配信されていました。音源を解析すると藤原さんのボーカルテイクは別テイクであることがわかります。

初のスタジオライブ収録の経緯

「Hello, world!」は「コロニー」とともに両A面シングルとして収録され、3形態でリリースされました。

期間限定版には「Hello, world!」と「コロニー」のスタジオライブ映像が1曲ずつ特典収録されています。



直井 – “特典何か入れましょうか?”ってなった時に、アイディア色々でたんですけど、あまりいいものが浮かばなくって、結局、“ミュージシャンだからライブで!”って感じで決めました!

出典:2015.04.20 O.A. TFM「SCHOOL OF LOCK!!

これがBUMP OF CHICKENとして初のスタジオライブとなりました。

ライブ演奏記録

2016年7月「BFLY」at 横浜日産アリーナ embedded from Twitter@boc_chama

演奏回数 11公演 (発表後 63公演のうち)
演奏頻度 ★★☆☆
初披露 2015年07月30日「BUMP OF CHICKEN Special Live 2015 」インテックス大阪
最終演奏 2016年07月17日「BFLY」横浜日産スタジアム
演奏公演 2015年「BUMP OF CHICKEN Special Live 2015 」*全公演演奏
2015年「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015
2015年「COUNTDOWN JAPAN 15/16
2016年  結成20周年記念ライブ「20」
2016年「BFLY」*全公演演
演奏機材


藤原基央 – Gibson Les Paul Special 1960 Historic Collection
増川弘明 – Gibson Les Paul Standard Historic Collection
直井由文 – Fender Jazz Bass 



「Hello, world!」は11回ライブで演奏され、2015〜2016年の2年間に集中的に披露されました。これとは別に無観客で2回(CD特典映像のスタジオライブ、NHK「SONGS」)演奏されています。

増川弘明のギターソロアレンジ

「Hello, world!」のライブバージョンでは、増川さんがアレンジギターソロを披露しています。

原曲(演奏:藤原基央)

ライブ(演奏:増川弘明)

藤原基央さんによるレコーディングを踏襲することが多いですが、増川さんの音楽性を披露する数少ない楽曲です。

「Hello, world!」ライブ映像

シングル「Hello,world! / コロニー」 (期間限定盤) (2015年3月収録) 
アルバム「Butterflies」初回限定版特典DVD(2015年8月4日「Special Live 2015」収録) Butterflies BUMP OF CHICKEN
映像作品「BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016 “BFLY” NISSAN STADIUM 2016/7/16,17」 BFLY BUMP OF CHICKEN 動画
映像作品「BUMP OF CHICKEN 結成20周年記念Special Live 「20」」 

購入可能な上記作品以外にも有料放送やテレビなどでもライブ映像がオンエアされました。

  • 2015年8月08日「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」(WOWWOW)
  • 2016年2月13日「SONGS」(NHK)

ライブ演奏回数11回+無観客2回のうち6回が映像として残っており、映像化率の高い楽曲と言えます。

以上、BUMP OF CHICKENの「Hello, world!」の歌詞の意味や制作エピソードについて紹介しました。この記事を読んで新しい聴き方を見つけていただければ幸いです。ありがとうございました。



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