BUMP OF CHICKENの「ファイター」の歌詞の意味と制作背景について解説します。
「ファイター」は漫画「3月のライオン」とのコラボレーションで書き下ろされた楽曲です。BUMP OF CHICKENのメンバー全員が漫画「3月のライオン」のファンです。
「ファイター」がどのようにして制作されたのか、そのエピソードを紹介します。
「ファイター」基本情報
- 配信シングル「ファイター」
- アルバム「Butterflies」
作詞・作曲 | 藤原基央 |
編曲 | BUMP OF CHICKEN & MOR |
作曲時期 | 2014年8〜9月 |
録音時期 | 2014年9〜10月 |
収録作品 | 2014年11月28日 配信シングル「ファイター」 |
2016年2月10日 アルバム「Butterflies」 | |
ライブ初披露 | 2015年7月31日「BUMP OF CHICKEN Special Live 2015」at インテックス大阪5号館 |
「ファイター」作曲エピソード
2014年8〜9月頃、「ファイター」はボーカル・ギター藤原基央さんによって作曲されます。「ファイター」はどのようなきっかけで生まれたのでしょうか。
漫画「3月のライオン」タイアップ企画の書き下ろし曲
2014年4〜7月、全国ツアー「BUMP OF CHICKEN TOUR “WILLPOLIS 2014”」開催前もしくは期間中にタイアップのオファーが届きます。
スタッフから「3月のライオン meets BUMP OF CHICKEN」と題したコラボレーションについて熱いプレゼンをを受け、BUMP OF CHICKENのメンバーは企画を快諾します。メンバーはまず目の前のライブを行うことに集中し、全国ツアー終了後に曲作りするスケジュールが決まります。
「WILLPOLIS 2014」ツアー後に「ファイター」を作曲
BUMP OF CHICKEN初の東京ドーム公演「WILLPOLIS 2014 FINAL」を終え、8月〜9月あたりにボーカル・藤原基央さんは新曲作りを始めます。
曲作りのために2日連続でスタジオを押さえて「ファイター」を作曲します。しかし同時に映画「寄生獣」「寄生獣 完結編」のオファーを受け取っていたため多忙な中での作曲でした。
藤原 – この2日間で「ファイター」(の作曲)を仕上げようっていってたんだけど。2日目スタジオ行こうかなっていう時に、午前中に「寄生獣」を観せてくれるってなって。怖えってなって、怖ぇって思いながら「ファイター」を書いてました(笑)
引用元:Bay-fm「PONTSUKA!!」2014年11月23日
「寄生獣」の世界観を山崎貴監督と会話しつつ、きっちりとムードを切り替えて藤原さんは「ファイター」を作曲します。
BUMP OF CHICKENと「3月のライオン」が重なる領域
藤原基央さんの書き下ろし楽曲は決まったアプローチで生まれます。
藤原 – 先方の作品が持っている熱量や情報と、自分たちが今までの活動で形成してきた熱量や情報が重なるところから表現していくしかなくて。
「タイアップ作品」と「BUMP OF CHICKEN」の2つが重なる領域を広げて歌詞にしていくことで、BUMP OF CHICKENへの帰属性がある楽曲にしています。
特に「臆病な)爪と牙」という言葉、今まで藤原さんが使ってこなかった単語です。「3月のライオン」のタイトルに引っ張られて出てきた言葉かもしれません。
また「aurora arc」期で頻繁に登場する「嵐の中」「流れ星」「オーロラ」という言葉のが「ファイター」には全て登場しているところも興味深いです。
「ファイター」制作エピソード
2014年9〜10月にかけて「ファイター」の制作を行います。
貴重な横浜でのレコーディング
「ファイター」の録音風景の写真がCHAMA(Ba.)さんによってTwitter投稿されています。
メジャーデビュー14周年おめでとうのメッセージを沢山頂きました。ぶっちゃけ皆様が教えてくれてはじめて知りました。
みんなへの感謝を胸にスタジオにこもります。
本当にいつもありがとう。
これからもよろしくお願いしますね。 pic.twitter.com/ehODVnF8VW— CHAMA (@boc_chama) September 20, 2014
上記投稿は都内で行われた「ファイター」デモ制作あるいは練習風景の可能性が高い。同時期レコーディングされた「パレード」は5弦ベース使用曲のため。
本番レコーディングは2014年10月中旬に横浜にあるLANDMARK STUDIO 横浜にて行われました。
今日はベースも録りました🔥
さ〜寝るぞZzzおやすみなさい© pic.twitter.com/u9YKXe2ffE— CHAMA (@boc_chama) October 17, 2014
「ファイター」ベース本番レコーディング
藤原さんと升さんがフロアドコドコ叩いとるんよ😎 pic.twitter.com/4vpTs5oq2i
— CHAMA (@boc_chama) October 17, 2014
曲の中盤以降で核となる「ダン ッダッダッダッ」というフロアタムを叩く升秀夫(Dr.)と藤原基央(Vo.&Gt.)
BUMP OF CHICKENの音源の98%以上が東京都内でレコーディングスタジオでされており、横浜での作業はとても貴重です。スケジュールや機材的な理由があったと推察されます。
演奏面での「ファイター」の特徴は「グルーヴの中心の不在」と表現できます。全体のリズムも和音も分散させており、「COSMONAUT」「RAY」で培ったものを再構築しているように感じます。
BUMP OF CHICKEN ✖️「3月のライオン」
コラボ企画「3月のライオン meets BUMP OF CHICKEN」のポスターを持つ4人 *Embedded image from Twitter@boc_chama
「3月のライオン meets BUMP OF CHICKEN」と題したコラボレーション企画として「ファイター」がリリースされます。連動企画は以下の通りです。
- 配信シングル「ファイター」付属シリアルコードでスピンオフ漫画作品が読める
- 「3月のライオン」10巻とCD「ファイター」のセット展開
- 「3月のライオン meets BUMP OF CHICKEN」コラボMVの製作
「
3月のライオン」10巻 [BUMP OF CHICKEN CD付特装版]
「3月のライオン」を愛読するBUMP OF CHICKEN
BUMP OF CHICKENのメンバー4人全員が「3月のライオン」を愛読しています。もともとメンバーは羽海野チカ氏のヒット作「ハチミツとクローバー」を読んでいました。
BUMP OF CHICKENのメンバーで最初に「3月のライオン」を読みはじめたのはボーカルの藤原基央さんです。コンビニで単行本1巻を購入したのがはじまりでした。
藤原 – 1巻をコンビニで買ったのが出会いで (中略) 最初は増川(弘明)くんに“最近この漫画にハマっていて、最新刊が出たんだけど、君はどうする?”と。
増川 – (中略)「3月のライオン」は以前から気になってたし、速効でハマりましたね。で、すぐにメンバー全員が読むようになって。
普段kドラムの升秀夫さんも、今回はしっかりハマっているようです。
BUMP OF CHICKENリスナーの羽海野チカ
原作者・羽海野チカさんもまたBUMP OF CHICKENのファンであることを明かしています。絵を描く作業台にはアルバム「RAY」のステッカーを貼り、鼻が詰まった日は「スノースマイル」を口ずさむほどです。
Σ(´ω`)は!そうです!BUMPのRAYに付いてたステッカーです!ずっとペン入れながら流しています! RT @mk_daikon72: 羽海野てんてー、お聞きしたいことがあります。作業台のところに貼ってあるステッカー、もしかしてBUMPのアルバムのものですか?ソワソワ
— 羽海野🍀チカ (@CHICAUMINO) April 2, 2014
最初にBUMP OF CHICKENと出会ったのは「天体観測」(2001年) で、数年前からライブ関係者席でチケットを取るようになり、楽屋でメンバーに挨拶もしていました。
「ファイター」PV
MV監督 | 番場秀一 |
MV撮影日 | 2014年11月27日 |
ロケ地 | 千葉県九十九里浜 |
「ファイター」のPVロケ地は千葉県九十九里浜で撮影されました。監督はおなじみの番場秀一監督です。
アーミッシュを連想させるトラッドスタイル
今日は新曲ファイターのMVの撮影でした🎬
晴れてて気持ちよかった🙌
撮影スタッフさん、エキストラさん、本当にお疲れ様でした🙏写真は撮影の間に撮ったおふざけアー写です。MVとはいっさい関係ありません😋 pic.twitter.com/FFxMDOLjk4— CHAMA (@boc_chama) November 27, 2014
オフショット 11月27日、千葉県九十九里浜にて Embedded photo from Twitter@boc_chama
アーミッシュ(アメリカで今も伝統的生活をするキリスト教の宗派)を連想させるトラッドスタイルが特徴的です。「車輪の唄」「Merry Christmas」のPVでもこの風貌のメンバーが登場します。
「ファイター」ライブ演奏記録
演奏回数 | 13回 |
演奏頻度 | ★☆☆☆☆ |
初披露 | 2015年7月30日「BUMP OF CHICKEN Special Live 2015」インテックス大阪 |
最終演奏 | 2016年7月17日「BFLY」横浜日産スタジアム |
演奏ツアー | 2015年「BUMP OF CHICKEN Special Live 2015」*全公演演奏 2015年「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」 2016年「BFLY」*全公演演奏 2022年「Silver Jubilee at Makuhari Messe」 2023年「be there」 |
BUMP OF CHICKENがライブで「ファイター」を演奏したのは13回です。演奏回数は少ないものの2回映像化されている楽曲です。
コーラス、鐘、シンセサイザーの音源を同期SEしたプレイのためイヤーモニター必須の曲となります。
ライブ演奏機材
演奏機材 |
藤原基央 – Gibson Les Paul Special TV Yellow |
増川弘明 – Gibson Les Paul Standard Historic Collection 1958 | |
直井由文 – Fender Custom Shop Jazz Bass – YAMAHA MIDI Keyboard |
各メンバーともに2014-2015年期のメイン機材を利用しています。特徴はキーボーディスト・CHAMAさんが登場します。1番のサビまMIDIキーボードを弾いています。他に使用する楽曲は「angel fall」「虹を待つ人」「コロニー」です。
個人的な聴きどころは藤原さんと増川さんのブリッジミュートの音の違いです。「BFLY」収録映像では2番Bメロを藤原さん、ラスサビ前Bメロを増川さんが弾いています。同じパートなのに藤原さんのほうがピッキングニュアンス、音のキレともにすばらしいです。(増川さんが下手とかではなくギタリスト藤原さんが垣間見れるのが嬉しい)
「ファイター」ライブ映像作品
アルバム「Butterflies」(初回限定盤) (2015年8月2日 Special Live 2015 横浜アリー公演収録) |
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映像作品「BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016 “BFLY”」 |
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映像作品「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe」 |
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以上、BUMP OF CHICKENの「ファイター」の歌詞の意味と楽曲解説でした。またライブで聴ける日が来るといいですね!読んで頂きありがとうございました。