コラムバンド交友録

バンド交友録 vol.5 バンプと交流のあるアーティスト くるり編

コラム

BUMP OF CHICKENと交流のあるバンドを紹介するシリーズ第5弾!

今回はバンプとくるりの仲を紹介します。

 



京都の奇才・くるり

Twitter@qrinfoより埋込

 

くるり(Quruli)は京都出身のバンドです。もはや”ロックバンド”と形容できないほど幅広い音楽を作り出すバラエティ豊かな音楽家集団です。

くるり京都・立命館大学の音楽サークルにて結成、1998年「東京」でメジャーデビュー。その後メンバーの加入と脱退を経て、岸田繁(Vo.Gt.), 佐藤征史 (Ba.)の2人で現在活動中

 

バンプとくるりの関係性は?

  • ラジオ番組「PONTSUKA!!」に出演
  • 過去6回ライブハウスでの対バン
  • くるりのCDクレジットに「藤原基央」
  • 2004〜2018年まで表立った交流なし
  • 岸田繁が「月虹」についてツイート
  • 岸田繁が藤原の記事についてツイート

昔はラジオ番組「PONTSUKA!!」にゲスト出演したり、地方のライブハウスを一緒に周ったりしましたが現在はほとんど関わりがない状況です。

近年、ボーカルの岸田さんはSNSや自身のライブMCでバンプや藤原基央さんについて触れています。

 

1999年、大阪で初めての対バン

1999年全国ツアー「HANSO-DE TOUR ’99」チラシ

バンプとくるりはライブハウスで6回対バンしています。 (詳細は記事文末の「参考:くるりとバンプの対バンの歴史」をご覧ください)

 

1999年9月10日心斎橋クラブクワトロでのイベントでした。バンプは全国ツアー「HANSO-DE TOUR ’99」を機材車のハイエースで周っており、大阪で開催された「キャバレー produced by ちわきまゆみ」というイベントライブでくるり、MANGA HEADと対バンします。

 

会場内はほとんどくるりファン(当時くるりはメジャー、バンプはインディーズ)でしたが、自分達の演奏に対する大阪のお客さんの暖かさに感激し、急遽予定にない「DANNY」を追加演奏しました。ライブ終了後、普段打ち上げに参加しないバンプの4人は珍しくくるりとの打ち上げに参加します。

ヒップランドのプロモーション1999年の対バンライブをプロデュースしたちわきまゆみ氏はHIP LAND MUSICの所属で、このライブのブッキングも事務所によるものであった。

2000年、スピッツとくるりの楽屋に訪れる藤原基央

2000年8月2日に下北沢CLUB QUEで行われたスピッツのシークレットライブにくるりがゲスト出演した際、楽屋で藤原さんと再会しています(藤原と草野マサムネの出会いもこれがきっかけ)

さらに1週間後の8月9日には福岡でのイベント「MAJI ROCK FESTIVAL 2000」にてバンプとくるりは再会しています。

2002年、ライブハウスを一緒に回るくるりとバンプ




2002年1月26日〜2月4日の短期間に、北海道から福岡までの5都市で対バンライブを行います。ある意味一緒にツアーを回った仲だと言えるでしょう。

 

2002.01.26 FM NORTH WAVE Presents 『NBQ』 ZEPP SAPPORO
2002.01.30 FM AICHI Presents『COLLABORATION 807』 名古屋クラブダイヤモンドホール
2002.02.01 HFM 20th Anniversary『DEAD STOCK BBQ』 広島CLUB QUATTRO
2002.02.02 B.O.C Presents ポキレツ珍百科 ZEPP OSAKA
2002.02.04 LIVE FUTURE FLAVA ZEPP FUKUOKA

 

バンプの藤原さんは2002年1月26日ZEPP SAPPOROでのMCでくるりに対するリスペクトMCを語っています。

 

藤原 – このあとくるり待ってるんだよ。俺らもくるりのライブ楽しみにしててさ。くるりのリハ見てたけど、凄かったよ。おかげで俺らの時間なくなったけど

2002.01.26「NBQ」ZEPP SAPPORO

 

SPACE SHOWER TV「BUMP TV」でくるりとバンプのメンバーが打ち上げで会話している様子が写っています。

2003年には野外音楽フェス「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2003」「HIGHER GROUND 2003」「RUSH BALL 2003」で同日出演しています。これ以降、バンプとくるりの表立った交流はなくなります。

 

くるりが「PONTSUKA!!」にゲスト出演

*This image is directly embedded from Twitter@boc_chama

2001年1月14日と21日、くるりが「PONTSUKA!!」にゲスト出演します。収録日は2000年12月〜2001年初頭あたりで、同一日に収録したものを2週に分けて放送しています。

 

「PONTSUKA!!」オープニングトーク

藤原 – 男として大切なものは、”動き”の藤原基央です。

増川 – 男として大切なものは、(ガヤガヤ)…の増川弘明です。

升 – 男として大切なものは、”肉◯” (男の象徴) の升秀夫です!

岸田 – 男として大切なものは、”おてぃんてぃん”のくるりの岸田です。

佐藤 – 男として大切なものは、”角度”の佐藤です。

森 – 男として大切なものは…

藤原 – オチです!

森 – “ポークビッツ”の森信行です。

全員 – あははは(笑)

2001.01.21 「PONTSUKA!!」

 

オープニングでお決まりの自己紹介もくるりの3人が参加しています。全員でUNOに興じながらハガキを読むという今では考えられないほどラフなスタイルで収録されました。それにしても下ネタが若い男子のノリですね。



バンプは全員テンション高く、特にチャマさんがくるりに対してタメ口で話すので少し冷や冷やする感じがありますが、くるりは大人に対応しています。それでも敬語で話している場面もありました。

 

直井 – もうすぐくるりさん達のマキシシングル「ばらの花」がリリースされますよね!?さらに2月21日には…

(岸田 – UNO!!)

(藤原 – 岸田くん、UNOです!)

直井 – アルバムレコーディングはどうだったんですか、岸田さん、お願いします!

2001.01.21 「PONTSUKA!!」

 

ハガキの内容もそこそこに読み、藤原さんが「おい増川、お前読めよ!」と強めに言ったり、いつもより超適当に番組を進行していて、明らかにくるりの3人を意識して「俺たちラジオなんて適当にやってんだぜ?」感を出していました。

「PONTSUKA!!」10周年でくるりを思い出すバンプ

2009年10月のポンツカ10周年の時に直井さんがくるりのゲスト出演を思い出していました。

 

直井 – くるりさん呼んでギュウギュウになってやったこともあった(笑)

全員 – あったあった!

増川 – ただ喋ってるだけで、なんか「大丈夫なのこれで?」みたいなこと言ってた(笑)

2009年10月4日「PONTSUKA!!」より

 

他にはBURGER NUDS、Syrup 16gといったバンド仲間から、お笑い芸人「アリtoキリギリス」石井さん、さらに増川と同じ大学のプロボクサーを目指してる友達と初期は色んなゲストが来ていました(最近だとAR三兄弟氏)。

 

シングル「リバー」に藤原基央の名前

2001年シングル「リバー」

2001年発売のシングルCD「リバー」のクレジット欄にはスペシャルサンクスとし藤原基央さんの名前が記載されています。

「PONTSUKA!!」出演時が「リバー」制作時と重なります。俗説では対バンの御礼となっていますが、それであれば「BUMP OF CHICKEN」と記載するはずであり、藤原さんの個人名を書いているのは不自然です。何かしら藤原さん個人とのやりとり、例えばレコーディングの機材レンタル、技術的な意見交換があったと考えられます。

交流が減るバンプとくるり

その後、くるりとバンプは表立った交流がなくなります。くるりは10-FEET、細野晴臣さんなどとよく交流を持っているイメージです。

 

ともに日本のロックシーンを代表するバンドですので、以前のようにコラボする立場ではなくなったのかもしれません。

 

そういえば私は2012年「奇跡」の発売記念で新宿TOWER RECORDSにインストアライブを見に行きました。その時に岸田さんが藤原さんの胸毛のことなどに触れていました。

 

その際に岸田さんが「バンプと対バンしたことあったっけなぁ…?」とはっきりと言っていて、現場にいた私は「6回も対バンしてるのに!?ラジオ出演してるのに!?忘れたの!?」と思ったのを覚えています。ちょっと言い方もきつくて、もしかして嫌いなのかな・・・とか思ったりしました。

 

SNSでバンプに言及する岸田繁

2012年にTwitterを開設した岸田繁さん(@Kishida_Qrl)はBUMP OF CHICKENに関する投稿をして来ませんでしたが、2019年になって初めて言及しました。




2019年夏、『aurora arc』に収録されている「月虹」に関するツイートです。

 

また2020年にも「ROCKIN’ ON JAPAN」のバンプのインタビューについて言及しています。

岸田が読んだ雑誌、ROCKIN’ ON JAPAN 2020年11月号「アカシア」「Gravity」についての藤原単独インタビュー

交流はなくなりましたが、BUMP OF CHICKENの楽曲は岸田さんの耳に届いているようですね。対バンしていた当時を思い出したりしていたのでしょうか。

 

参考:くるりとバンプの対バンの歴史

ライブハウスでの対バン*

1999.09.10 キャバレー produced by ちわきまゆみ at 心斎橋QUATTRO
2000.08.09 MAJI ROCK FESTIVAL at ZEPP FUKUOKA  [レポートを読む]
2002.01.26 FM NORTH WAVE Presents 『NBQ』 ZEPP SAPPORO
2002.01.30 FM AICHI Presents『COLLABORATION 807』 名古屋クラブダイヤモンドホール
2002.02.01 HFM 20th Anniversary『DEAD STOCK BBQ』 広島CLUB QUATTRO
2002.02.02 B.O.C Presents ポキレツ珍百科 ZEPP OSAKA
2002.02.04 LIVE FUTURE FLAVA ZEPP FUKUOKA

*2000.08.09 MAJI ROCK FES.は7バンド出演であり対バンと言えるかは微妙。それ以外は全て3マンまたは2マンライブであるため「対バン」に分類している

野外音楽フェスでの同日出演

2003.08.16 RISING SUN ROCK FESTIVAL 2003 at 石狩湾新港樽川ふ頭野外特設ステージ
2003.08.30 HIGHER GROUND 2003 at 福岡県国営海の中道海浜公園野外劇場
2003.08.31 RUSH BALL 2003 at 神戸ポートアイランド

 

30代の音楽リスナーの多くが「バンプ、アジカン、くるり」のワンセットで好きな方々が多いと思います。ロキノン系を牽引するバンドの交流をまた見てみたいですね。以上、BUMP OF CHICKENとくるりの関係性について解説しました。