楽曲解説:オンリーロンリーグローリー 解釈と解説

BUMP OF CHICKENの「オンリーロンリーグローリー」は2004年7月7日に発表した楽曲です。疾走感のあるビートに洗練された粒の細かいサウンドが聴く人を魅力で、初めてオリコンCD売上ランキング1位を記録したシングルCDになりました。

今回は「オンリーロンリーグローリー」の歌詞の意味や制作背景について解説します。



「オンリーロンリーグローリー」基本情報

オンリーロンリーグローリー:基本情報作詞/作曲:藤原基央
作曲時期:2002年末〜2004年4月12日
デモ制作:2003年秋
録音時期:2004年春
リリース:2004年07月7日
ライブ初披露:2004年9月17日
ライブ最終披露:2019年10月15日 

「オンリーロンリーグローリー」制作までの流れ

2002年1〜9月 9ヶ月かけて「ロストマン」作曲。この間に他の曲の一部のメロディや歌詞が生まれる。
2002年5〜6月 全国ツアー「NINJA PORKING」の「リトリブレイバー」前奏にて変則sus4のコードを使用。「オンリーロンリーグローリー」のサビのコード進行が生まれたと思われる。
2003年秋 「オンリーロンリーグローリー」プリプロ音源制作
2004年4月12日 藤原、深夜から作詞を始める。早朝に「オンリーロンリーグローリー」歌詞完成
2004年7月7日 8th Maxi Single「オンリーロンリーグローリー」リリース c/w「睡眠時間」

「オンリーロンリーグローリー」の意味

「オンリーロンリーグローリー」は海外の慣用的表現ではなく藤原さんによる造語です。

「オンリー(Only)」は”〜だけ”という副詞、「ロンリー(Lonely)」は”孤独な/ひとりぼっち”という形容詞、「グローリー(Glory)」は”栄光”という名詞です。

日本語で「オンリーロンリーグローリー」は”孤高の栄光(だけ)”という意味になると思います。

「ロストマン」の頃からあった歌詞

「オンリーロンリーグローリー」は2年をかけてからゆっくりと形にされました。はじまりは2002年、ボーカル&ギターの藤原基央さんによる「ロストマン」作詞に遡ります。

『ロストマン / sailing day』(2003年)

「ロストマン」を9ヶ月かけて作詞する傍ら、他の楽曲の詞やコード進行が生まれます。「スノースマイル」「ホリデイ」はすぐに完成し、「オンリーロンリーグローリー」はコード進行だけの形で残りました。

画期的なサビのコード進行の発見

オンリーロンリーグローリー

藤原さんのいう「コード進行」はどこを指すのか、答えは明白です。それはサビのコード。「オンリーロンリーグローリー」のサビは藤原さん独特のコードです。メロディーを引き立てるため、音楽知識ではなく感覚を重視して考えました。

オンリーロンリーグローリー コード

藤原基央特有の変則Csus4

時空かくれんぼ」「HAPPY」「ゼロ」のサビで使われている、藤原基央の音楽を考察・解説する上で外せないコードの発見です。

未完成の歌詞で制作を進める

2003年夏から秋、「embrace」「同じドアをくぐれたら」のレコーディングを終えたあとにこの曲のアレンジをしていき、タイトルもなく未完成の歌詞のままプリプロ音源を制作しました。

升 – embrace録っていたときにはもうあったいんじゃないかな。2003年秋にはプリプロはもう終わってて、でも詩も曲もついてる曲が他にあったんでそれをやってたって言う感じ。で、そのまんま春になった。 

プリプロ音源完成後、「車輪の唄」「レム」「fire sign」「太陽」「ギルド」をレコーディングし、翌年春まで寝かせることになります。

プリプロダクションプリプロとはプリプロダクション [Pre-Production] の略で本番レコーディングを想定して、全体のサウンドイメージを確認するための作業。各自のパートの確認、音色の確認、アレンジをつめたプリプロ音源を作る

仮タイトルは『ナイン』

レコーディングスタッフが藤原さんにデモの曲名を尋ねたところ、「まだ(タイトルは)ないんですよ」と答えたため、「数字の9」と勘違いし、『ナイン』とMDラベルに書いて保存されます。それ以後、作詞中に数字の”9″が頭に浮かんだといいます。



詞の完成 – 2004年4月12日

藤原さんはコード進行や歌のメロディを考えた時から、何度も何度も作詞に取り掛かりましたが、なかなかうまく形になりませんでした。ユグドラシル』のアルバム曲は「オンリーロンリーグローリー」を書こうとした結果生まれました。

藤原 – この曲の詩を書こうとして、『embrace』、『同じドアをくぐれたら』、『ギルド』が出来た。『乗車権』とシングル曲以外、全てこの詩を書こうとして生まれた歌詞 

藤原さんは同アルバムに収録されている「太陽」を例に出し、”ドアノブが取れってしまいそうだ”という『太陽』に対して『オンリーロンリーグローリー』は”ドアノブに触れたあとの曲”だと表現しています。

そしてその実をどうするんだ

この1番の歌い出しの部分は、ドアノブに触れようか触れまいか迷っている状況だった人が、自分の意思かそれとも誰かに押されたからか、その経緯は別にして「(ドアノブに触れて部屋から出た、)それでどうすんの?」という客観的状況を「感情論抜きに問いかけている」という解釈になります。

藤原さんは自身の誕生日である2004年4月12日の深夜から早朝にかけて書き上げました。

レコーディング – 2004年4月〜6月

2003年秋に「ナイン」のプリプロ制作をしてから、藤原さんが「オンリーロンリーグローリー」の歌詞を完成するまで約半年の間が空いており、その間は直井さん、増川さん、升さんの3人は各自練習していました。

オンリーロンリーグローリーのレコーディングは「曲の求める音」を出すために互いに指摘しあったり、意見を出し合ったりするなど、ストイックにレコーディングに向き合いました。

レコーディングは一に練習、二に練習。醜い部分も以前より互いに見合っていたし、受け止めるだけでなく、否定されたりしたりしていた。否定されていたまま泣き寝入りしていたわけではない。思い返すといろいろありましたねぇ、ずいぶんと暑苦しい事が(笑)- 藤原 –  

全員うまくなってた – 升-  

ちなみにこの曲のレコーディングはSpace Shower TVで映像化され、ドラムについて升さんと藤原さんが議論する場面や、直井さんが増川さんのギター演奏について「速ぇよ!」と話し合う姿があり、お互いに理想的な演奏へ近づこうとしている姿が垣間見れます。またレコーディング風景から、増川さんはがサンバーストのストラトキャスターを持ち、バッキングコードを弾いてることがわかります。

藤原 – (「ユグドラシル」のレコーディングで升のかっこよかった曲は)全部っちゃ全部なんだけど、強いていうなら「オンリーロンリーグローリ」かな。鹿だよ、鹿。鹿になった、升は。

「PONTSUKA!!」2004年8月8日放送より

ライブ演奏記録

2004年〜2006年は、増川さんはレスポールを使用しています。2013年の「ベストアルバム発売記念ライブ」(2013.08.09 at QVXマリンフィールド)からは赤いSGを使用しています。また増川さんは2004〜2006年まではサビもコードストロークをしていたが、2013年からはサビではアルペジオのリフを弾くようになりました。2004年〜2013年を通してサビの鐘の音がSEが同期で流れてます。

以上、簡単にオンリーロンリーグローリーについて紹介してみました。次にこの曲を聴くときは、こんな背景があったんだと思い出してみると新しい聴き方ができるかもしれませんね。


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