楽曲解説「太陽」ドアノブに触れるというデフォルメの曲

BUMP OF CHICKENの「太陽」はアルバム『ユグドラシル』に収録されている楽曲です。

「太陽」の歌詞の意味は《本当の意味で”触れる”ということ》だと藤原基央さんはインタビューで述べています。

直井由文さんは「太陽」の演奏は「心臓」を表現したと明かしており、陰湿でクセになるBUMP OF CHICKENらしい楽曲です。この記事では「太陽」の歌詞の意味やライブでのエピソードを紹介します。




「太陽」基本情報

アルバム「ユグドラシル」(2004年)

「太陽」:基本情報作詞作曲:藤原基央
作曲時期:2003年
録音時期:2003年12月
リリース:2004年8月25日 「ユグドラシル」
ライブ初披露:2004年10月12日「MY PEGASUS」なんばHATCH公演

BUMP OF CHICKEN「太陽」の歌詞の意味考察

「ドアノブに触れること」を歌った唄

「太陽」の歌詞には《ドアノブが壊れかけていて 触れたら最後 取れてしまいそうだ》という一節があります。

藤原 – ほんとうの意味で触れる、ということがどれだけ怖いことか。触れられる、ということがどれだけ怖いことか。そこで何かを決意している曲です。

物理的だけでなく、心理的、思考的な意味も含めて「触れる」という行為が怖いことであると説明しています。

BUMP OF CHICKENの「部屋」と「ドア」

藤原さんが書く「部屋」とは「心の内側」と言い換えられると思います。閉ざした心の中から外に出るためには、自分で《ドアノブ》に触れなければなりません。

藤原 – その決意のきっかけになるのが〈ドアノブ〉なんでしょうね。自分の意図していないところで、ひょっとしたら取れてしまうかもしれない。そういう一種の災害的な要素も時には入ってくるという、そういう歌ですね 。

《取れてしまいそう》と表現で躊躇や恐怖を感じつつも、結局は自分自身で《ドア》を開けるしかない、という楽曲です。



BUMP OF CHICKENの楽曲には「ドア」や「部屋」をモチーフが多く登場します。

《真夜中 鍵掛けた部屋》 「リリィ

《この世で一番硬い壁で 囲った部屋》 「プレゼント」

《涙で濡れた部屋》「ラフメイカー」

《見えない壁で 囲まれた部屋》「虹を待つ人

《同じドアをくぐれたらーーと願ってたよ》「同じドアをくぐれたら

ドアからドアへと急いだ》「ディアマン」

《そのドアに鍵はない》「虹を待つ人」

藤原基央さんにとって「ドア」と「部屋」は歌詞を書く上で重要なモチーフであることがわかります。

『ユグドラシル』の曲との関係

「オンリーロンリーグローリー」を書こうとして生まれたアルバム曲

藤原さんは「オンリーロンリーグローリー」を書こうとした結果、「ユグドラシル」のアルバム曲が生まれてきたと言います。

シングル「オンリーロンリーグローリー」(2004年7月)

「部屋」の中にまだいる状態を歌った曲が「太陽」であり、部屋から外に出た時の曲が「オンリーロンリーグローリー」だと言います。藤原さん曰く、2曲とも「それで、どうするのか」という問いかけの唄です。

BUMP OF CHICKEN「太陽」制作エピソード

BUMP OF CHICKEN ドラム

“心臓の音”を表現したベースとドラム

直井 – たとえばAメロで、ドラムとベースがまったくぴったり合ってるのは、俺にとってやっぱ心臓の音だったし。

ベーシスト・直井由文さんとドラム・升秀夫さんは2人で「心臓の音」を表現しました。「太陽」の歌詞は直井さんの心に響いたといい、ベースを弾いている時も”大声で話しかけてくる”曲だったとインタビューで述べています。

「太陽」ライブ演奏記録

演奏回数 19回  
演奏頻度 ★☆☆☆☆
初披露 2004年10月12日「MY PEGASUS」大阪なんばHATCH
最終演奏 2015年08月04日「BUMP OF CHICKEN Special Live 2015」横浜アリーナ
演奏ツアー 2004年「MY PEGASUS
2006年「run rabbit run
2015年「BUMP OF CHICKEN Special Live 2015

演奏機材(2015年)

藤原基央 – Gibson Les Paul Special “1960 Historic Collection”
増川弘明 – Gibson Les Paul Standard 1959年製ヴィンテージ
直井由文 – Fender Jazz Bass

「MY PEGASUS」で一度だけ演奏された

2004年の全国ツアー「MY PEGASUS」では、たった一度、大阪公演(2004年10月12日 at なんばHATCH)のみ演奏されました。全40公演を超えるライブの中で、なぜたった一度、それもツアー中盤で演奏されたのかは不明です。

2006年の全国ツアー「run rabbit run」ではレギュラーセットリストとして全公演で演奏されます。初日の札幌公演(2006年1月12日 at ZEPP SAPPORO)では”初めて演奏する曲”と藤原さんが間違ったMCをするなど、演奏した本人達も完全に忘れていました(ちなみに翌日マネージャーからの指摘を受け、藤原さんは訂正MCを行います)。

2015年夏に行われた「BUMP OF CHICKEN Special Live 2015」ではおよそ9年ぶりに演奏されています。

間奏で藤原がギターソロを演奏 (run rabbit run)

藤原さんはレスポールSP、増川さんはレスポールを使用しています。当時のギターマガジンやGIGSにアコースティックギターで演奏されたという記述が書いてあるが、これは誤りである。(なぜなら私がライブで確認しているから。)

run rabbit run
照明は太陽をイメージさせる橙色で、藤原さんはAメロをポケットに片手を入れ、片手をマイクを握りながら歌っていました。増川さんはAメロの16分音符のアルペジオを演奏し、ディレイのSEが同期で流れていました。Bメロになると藤原さんはクリーンでストローク、増川さんはピックを離して指アルペジオ。2番以降のサビは藤原さん・増川さんともに歪みのストローク。間奏では藤原さんがアレンジギターソロ(歪みでチョーキング)をしています。この時の演奏は、歪み中心のかなりロックなサウンドとなっていました。

Special Live 2015
Aメロでは増川さんはアルペジオではなく、ディレイパートを演奏。2006年の時とは逆にアルペジオがSEで流されています。2番以降のサビでも増川さんはハイポジションのディレイリフを演奏しており、2006年に比べサウンドに奥行きが出てました。尚、この時の模様は2016年発売のアルバムButterfliesの特典Blu-rayに収録されています。

以上、太陽について紹介しました。もしこれから太陽を聞くときは、藤原さんの詩の解釈、制作背景などを思い出して聴いてみると新しい聴き方ができると思います。


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