01.乗車権
02.涙のふるさと
03.真っ赤な空を見ただろうか
04.ギルド
05.天体観測
06.ガラスのブルース
-encore-
01.supernova
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バンプとスペシャのコネ
Space Shower TV が主催する音楽フェスティバル、SWEET LOVE SHOWERへの出演。同イベントはメジャーデビュー直後の2000年9月以来、7年ぶり2度目の出演となる。Space Shower TVとBUMPの関係はインディーズ期にまで遡り、放送上最古の映像は1999年6月の下北沢 Club Queのライブの様子が放送されている。BUMPと同チャンネルの縁は深いと言われているが、実はそれには大きな裏がある。実は所属事務所LONG-FELLOWの共同出資社であるHIP LAND MUSICの初代社長が作りあげたのがSpace Shower TVだ。LONG-FELLOW設立が1998年なので、インディーズ期よりBUMPとスペシャの間には大きなコネクションが存在していた。
霧に包まれた中での幻想的なライブ
2007.08.03 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2007に続き同年2度目のトリとなった同イベント。日中から霧が立ちこめ、時々小雨が降るコンディションの中でのライブだ。屋外イベントとあって、メンバーのアンプやエフェクター類には雨よけのビニールがかかっている。
1曲目の乗車権は増川のアレンジイントロのアルペジオからはじまる。ステージの照明は落とされたまま、藤原のBad Catと増川のhughes&kettnerのアンプの光だけが不気味に光る。アレンジイントロは増川がアルペジオを弾きながら、他の3人はサビのコードを演奏するシンプルなものだが、映像化が乏しいBUMPの場合は一部のファンしか知られていないため、観客は何の曲がはじまったのか理解していない。藤原の歌い出しがはじまり、演奏曲を理解した観客たちから歓声が上がった。妖し気な色のステージライトを霧が乱反射させ、幻想的な光景の中での演奏は、屋内ライブとひと味違う雰囲気を漂わせる。
間奏明けの “違う これじゃない” の部分は、本当に違うと気づいたと思わせるような、鬼気迫る歌い方をする。この日の前に、”バンドが昔からお世話になった人”がなくなっており、その人への気持ちあるからか、いつも以上の感情的な歌い方をしていた。
2曲目の涙のふるさとでは、原曲通り『1・2・3』という升のカウントダウン+スティックカウントではじまる。CD音源よりもサビがすごく歌いづらそうで、語尾を短く切るような、フレーズの終わりをタンギングしている歌い方だった。
3曲目の真っ赤な空を見ただろうかの間奏では、藤原は機材トラブルか、コードをど忘れしたか、間奏裏のバッキングの音が出ていなかった。”大切な人に歌いたい” → “大切な君に歌いたい” の歌詞変えあり。最後のラララの部分は藤原はマイクから離れ、増川のコーラスのみが会場に流れた。
そして4曲目ギルドを終えて、藤原がMCを入れる。
“フェスですから、僕らのことを知っている人とか、見に来てもらった人とかには声を掛けてもらいましたし、あとは僕らのこと知らない人とか、悲しいですけど、嫌われてるかも知れないし、嫌いな人もいると思うし”
藤原自身、自分たちが必ずしも世間に受け入れられていないということを認識した発言。たった30分の出演のフェス(2000.08.09)で”BUMP OF CHIKCNEのライブへようこそ!俺らのライブへようこそ!”と言っていた藤原は、そこにはいなかった。前年のrun rabbit runのツアーが始まる時のPONTSUKA!でも、”大きなホールのステージに立ってみたら、会場がすっからかんだったりしないか、数人しかいなかったりしないか、とても不安”と話していた藤原。2006〜2007年はこれまで観客動員数を増やし続けたバンドにとって、当たり前の光景が当たり前でないことに気づいたのかもしれない。
マイクを観客席に向けたガラスのブルース
でもそういう人の顏見ても、僕らはずっとこの夏感動して来てて、なんか1曲目でそういうのがブワーっときちゃって・・・。”
言葉に詰まり水を飲む藤原。
“今日あんまり出来ねーんだ、時間とかあるから。”
観客から”えーっ”と悲鳴があがる。すると藤原は語気を強めて言う。
“そんなの俺が一番思ってるよ。だから歌うよ。よろしく。”
そうやって5曲目の天体観測へ。声がかすれるかかすれないかのギリギリの歌い方をする。やはりいつもと違う。この頃には霧ではなく、目に見える小雨となっていて、ステージの上は明らかに濡れている。升がシンバルを叩く度、水滴が跳ねる。
そして決定的に違ったのが本編最後のガラスのブルースだった。イントロの後半、藤原は珍しくステージの先端に立ち、ハイポジションのDを掻きむしる。イントロが終わりそうになっても戻らない。藤原はAメロになっても歌い出さず、マイクを抜き取り観客の方へ向けた。直井は驚いたように藤原を見るが、すぐに察したのかいつもと変わらず演奏を続ける。藤原が歌い始めたのは1番のサビからだ。最後の歌詞、”ああ僕はいつも 精一杯唄を歌う”を”ああ僕らいつも 精一杯唄を歌う”に変えていた。そして本編が終了し、ステージ裏へ下がっていった。
お世話になった人へ届ける、特別なライブだと告白
アンコールでは藤原MCから始まった。
“ステージにいるとつい本当のことを話したくなる。この話をするとみんなしんみりしちゃうと思う。そんなんじゃないからここで話ます。俺等の昔からお世話になっている人が最近亡くなって、そんで、今の俺等がこうやってこのステージに立てるのはその人のおかげで・・・だから歌います!『supernova』”
supernovaを終え、数あるライブの中でも特別な1回になるであろう霧の中でのライブが幕を閉じた。この年の夏フェスはこれで終了し、既に録り終えていた『メーデー』『ガラスのブルース~28 years around~』『花の名』『東京賛歌』の発売へ向けて活動していくこととなる。
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