現在レコーディング活動中のBUMP OF CHICKEN。秋からのツアーに向けて新アルバム発表があるのか、様々な期待と憶測が飛び交っています。昨日、バンプの作品を多く手がけるマスタリングエンジニア・YASMAN MAEDAさんのTwitter上では、謎(?)の写真と動画がアップされました。
アナログ盤テスト制作の写真
この世の中で3枚だけテスト盤。
アナログは「サシスセソ」が入りにくい、低域も入りにくい。 それは歌の聴こえ方に影響する。CD時代に作られた音楽だから、それなりに制約がある。メディアの進化によって音楽も変わる。 注意すべきところだろう。#BUMPOFCHICKEN pic.twitter.com/nHXvK1wvBF
— YASMAN MAEDA (@yasmanmaeda) 2017年5月24日
つぶやきの内容にもある通り、今前田さんはテスト盤を制作しています。手前の黒いレコード盤(アナログ盤)の盤面には「33″ 1/3」と書かれています。これはレコード盤の規格の種類(回転数)で、レコードにはSP盤78回転、LP盤48回転、SP盤33+1/3回転、さらにその下に16回転があるようです。
プレス機でレコードを削る動画
さらにどのレコード盤の規格が良いか試作している様子が動画で確認できます。
殆どがファッションだったり、皆がやっているから作ったりするが、彼等はそれがどんな意味を持つのか、そこに自分達が表現する音が実在するのか知りたいという。それが33なのか45なのか知りたいという。必要なのかそうでないのか確かめたいという。3曲試し切り。#BUMPOFCHICKEN pic.twitter.com/IC7WAHHhTk
— YASMAN MAEDA (@yasmanmaeda) 2017年5月24日
動画の冒頭のあたりではマスターテープ(と思われるもの)を再生しています。現在前田さんはアメリカ西海岸ハリウッドのマスタリングスタジオで作業していますので、日本からわざわざ運んだということでしょうか。
次にレコード盤の溝を削り、音声を記録しているプレス機の様子です。
アナログ盤発表の可能性について
さて、気になるのは「どうしてアナログ盤を制作しているのか」という理由ですね。バンプの話をする前に、身近な(?)アーティストであるASIAN KUNG-FU GENERATIONの話をさせてください。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONは今年4月に「ソルファ」を再録したアナログ盤をリリースしました。また、アジカンのアルバムはCDと同時にLP盤も生産しています(全アルバムではなかったと思います)。
アナログ盤、デジタル盤(CD)、どちらの音質も一長一短があり、こだわりがあるバンドは未だにアナログ盤を出したりしていますね。もちろん需要はピンポイントの層しかないので、商業的というより意匠の領域です。
さて、話をバンプに戻します。前田さんのつぶやきの内容から推察すると、まだアナログ盤という形態が果たして必要なのかどうかを探ってる段階のようです。
そこに自分達が表現する音が実在するのか知りたいという。それが33なのか45なのか知りたいという。必要なのかそうでないのか確かめたいという。
仮にアナログ盤でのリリースをだった場合、収録内容はどのようなものになるのでしょうか。動画でわかる通り、流れていたのは2013年発表の「虹を待つ人」です。すでに4年前に発表していてアルバム「RAY」にも収録されています。余計に謎が深まるばかりです(笑)
・・・ということで、アナログ盤の内容の予想は正直思いつきません。
ただ、無理やり思い当たるのは下記3つです(!)(間違ってると思うけど!)
②2010年以降のシングルコレクション
③新アルバム
①非売用(保存資料用)としてのアナログ盤
これはメンバー、周囲の関係者、事務所が、非商用目的で(例えば20周年記念として)制作し、事務所に飾ったり、関係者に配布したり、保存する可能性があると思います。メンバーの発案で「20周年記念として、アナログ盤で残したい」という希望があったのかもしれません。
②2013年以降のシングルコレクション
2013年に発売されたベストアルバム『BUMP OF CHICKENⅠ〈1999-2004〉』と『BUMP OF CHICKEN Ⅱ〈2005-2010〉』以降では「友達の唄」〜「リボン」までの13曲のシングル作品が発表されていますので・・・いや、でもないか(笑)
③新アルバム
アジカンのように次作をアナログ盤とCD盤両方リリースするという可能性です。「虹を待つ人」は単純にどの規格がいい音質か、試作用として仮でプレスしただけ・・・という理由です。もしくは「虹を待つ人」など旧作品を入れたコンセプトミニアルバム・・・もないでしょうね(笑)
以上、簡単な3つの予想ですが、どれも的を射ていない気がします。本人たちの発表を待つしかないですね。
ただ一つ言えるのは、試作にも人とお金が動いている、ということです。YASMAN・MAEDAさんのエンジニア費用、現地エンジニア、機材費、スタジオ費用など、制作に対する対価を支払っています。つまり商品開発をする以上、何かしらのリリース(レコード/CD問わず)が念頭にあるのではないかな、と思います。
以上、バンプのアナログ盤に関する感想でした。
Eye-Catch Image by Gwenole Camus