BUMP OF CHICKENの「真っ赤な空を見ただろうか」は「涙のふるさと」(2006年) のカップリング曲です。「真っ赤な空を見ただろうか」のタイトルと歌詞は2006年8月8日にボーカル・ギターの藤原基央さんが見た夕焼けを見た体験に由来しています。
この記事では「真っ赤な空を見ただろうか」の作曲背景、歌詞解釈を紹介します。
「真っ赤な空を見ただろうか」基本情報
「涙のふるさと」(2006年11月)
作詞・作曲 | 藤原基央 |
編曲 | BUMP OF CHICKEN & MOR |
作曲時期 | 2006年8月8日 |
レコーディング | 2006年夏〜秋 |
収録作品 | 2006年11月22日 シングルCD『涙のふるさと』 |
ライブ初披露 | 2007年7月16日「HIGH LINE RECORDS 10th ANNIVERSARY~10年目の夏~」at ZEPP TOKYO」 |
「真っ赤な空を見ただろうか」作曲背景
曲が書けなかった藤原基央
2006年、BUMP OF CHICKENは全国ツアー「run rabbit run」の開催後、主に映像作品「人形劇ギルド」の監修・BGM制作の活動に入ります。
新曲は「涙のふるさと」1曲以外に、曲が生まれていない状態でした。「涙のふるさと」のCMタイアップ(ロッテ「エアーズ))とシングルCD発売が決まり、ボーカル・ギター藤原基央さんはカップリングを書くようスタッフに求めらます。
しかし藤原さんは作曲活動うまくいかず苦悶の日々を過ごしていました。
増川弘明(Gt.)と直井由文(Ba.)のリクエストした曲調は?
曲が書けず苦しみに耐えかねた藤原さんは、BUMP OF CHICKENのメンバーに「どういう曲やりたい?」とリクエストを募ります。
ベース・直井由文さんは「ボサノヴァ」、ギター・増川弘明さんは「速い曲」をリクエストしましたが、逆にこのリクエストが藤原さんを悩ませ、余計に書けない状態に陥る結果となりました。
藤原 – メンバーからけっこう”速い曲やりたい”っていうのが多かったので、”速い曲書きてぇ”みてぇな、”あいつらが言ってたから書こう”みてぇな。“こういう曲を書いてみよう”みたいな作り方は性に合わないというのは知っていたはずなのに、なぜか冗談を本気にしちゃったんですよね。
引用元:B-PASS 2007.01
当時はリクエストされた曲が書けませんでしたが、2009年頃にプロデューサー・MOR氏のリクエスト作曲を通して曲を書く技術をあげ、現在ではタイアップ曲の書き下ろしを何曲も生み出しています。藤原さんの作曲技術は年を追うごとに成長していることが判ります。
恐怖さえ覚えた真っ赤な夕焼け
2006年8月8日、自宅マンションで曲が書けず苦しんでいた藤原さん。気分転換に外に出た瞬間に「恐怖さえ覚えるほど変な色の夕焼け」を目にしました。
藤原 – コンビニでも行ってみようみたいな感じで外出したら、玄関出た瞬間、ものすごい、ものすごい夕焼けが出迎えてくれたんですね。それで全部吹っ飛んだっていう感じで。予定通りコンビニには行ったんですけど、あんまりすげぇ夕焼けだったから一目散に家に帰って、バーって書いて。
B-PASS 2007.01
藤原さんはこの時の夕焼けを携帯電話で写真を撮り、ガラケーに保存していました。それくらい印象的な夕焼けだったんですね。夕焼けにインスピレーションを受けた藤原さんは自宅に戻るとそのまま「真っ赤な空を見ただろうか」を書き上げました。
ローコードの和音を意識して書いた曲
「真っ赤な空を見ただろうか」はローコードだけで演奏されています。ローコードとは1弦から6弦まで全ての弦の響きを得る演奏法で、藤原基央さんのギターサウンドの基本哲学になっています。
藤原 – 速い曲なんですけど、パワーコードなんか弾いてやるもんか!って思いました。バッキングのギターも歪ませるもんか!って。(音の)分離命っていうか。
MUSICA 2008.07
エレキギターはクリーンに近いクランチの音作り望み、音の粒や聴こえるように歪みすぎない音色で録音されました。意図的にローコードの使用を明言した例としては「sailing day」のイントロをそうして作ったとインタビューで明かされていますね。
ライブ演奏記録
2019年10月14日 aurora ark at 大阪府京セラドーム公園にて「真っ赤な空を見ただろうか」を演奏する4人 embedded from Twitter@boc_chama
演奏回数 | 57回 |
演奏頻度 | ★★★☆☆ |
ライブ初披露 | 2007年7月16日 「HIGH LINE RECORDS 10th ANNIVERSARY~10年目の夏~」 |
最終演奏 | 2019年11月4日「aurora ark」東京ドーム公演 |
演奏ツアー | 2008年「ホームシック衛星」 2008年「ホームシップ衛星」 2011年「GOOD GLIDER TOUR」 2012年「GOLD GLIDER TOUR」 2013年「WILLPOLIS」 2014年「WILLPOLIS 2014」 2014年「aurora ark」 |
使用機材 |
藤原基央 – Gibson Les Paul Special Historic Collection TV Yellow |
増川弘明 – Fender Stratocaster Festa Red 1961 | |
直井由文 – Sonic Jazz Bass Model “初号機” (Chama Blue/水色) |
至高のライブアレンジが輝く名曲
「真っ赤な空を見ただろうか」のライブはCD音源と異なるアレンジが施されます。”ため息の訳を訊いてみても〜訊きたがる” の冒頭部分を1分〜1分30秒もかけてゆっくり歌い上げます(原曲は18秒)。まるでシャンソン歌手のように歌い上げる藤原さんの姿はとても映えています。
歌詞変え
ライブでは3番の歌詞がアレンジされます。
2007~2008年頃
大切ない人に伝えたい 聴こえているのかもわからない
だからせめて続けたい 続ける意味さえわからない
2011~2013年頃
大切ない人に伝えたい 聴こえているでしょう?
だからせめて続けたい 続ける意味さえわからない
2014年
大切ない人に伝えたい ・・・聴こえてるかー!◯◯(都市名)ー!
(だからせめて続けたい) 続ける意味さえわからない
ライブ映像
Blu-ray映像作品「BUMP OF CHICKEN TOUR aurora ark」(2020年春発売予定)に収録される・・・と予想しています。
以上、真っ赤な空を見ただろうかの紹介です。カップリングながらも人気の高い曲なので、近いうちにまたライブで演奏されると思います。ご拝読ありがとうございました。
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