「バイバイサンキュー」はBUMP OF CHICKENのシングルCD「天体観測」に収録されているカップリング曲です。
「バイバイサンキュー」は《ベルギーに留学する友人に宛てた曲》に由来し、ボーカル・藤原基央さんが16歳で書いた「弱虫賛歌」(未発表曲)が元ネタになっています。
遠くへ行く友人に宛てた曲に込めた藤原さんの想いとは何か、この記事では「バイバイサンキュー」の歌詞の意味と制作エピソードについて紹介します。
「バイバイサンキュー」基本情報
「バイバイサンキュー」
作詞/作曲:藤原基央
作曲:1996年(弱虫賛歌) 作詞:1996年、2000~2001年
レコーディング:2000~2001年1月頃
リリース:2001年3月14日 (3rd Maxi Single「天体観測」収録)
ライブ初披露:2002年12月3日 LOVE&PORKIN at 難波Hatch
ライブ最終披露:2008年1月28日 ホームシック衛星 at 京都KBSホール
ベルギーへ留学する先輩の存在
日出学園高等学校校舎 Photo embedded from Wikipedia
藤原 – 曲自体は、天体観測より5年くらい前に書いてたんですよね。1996年とか。
「バイバイ、サンキュー」はもともと「弱虫賛歌」という曲名で、ボーカル・ギターの藤原基央さんがベルギーに留学する高校の先輩へプレゼントした曲でした。
1995年、藤原さんは千葉県市川市にある日出学園高等学校に進学するも1年生秋に自主退学します。約半年間という非常に短い高校生活の中でも、藤原さんにはお世話になった先輩がいました。
“先輩”とバンドを組んでいた藤原
その先輩と藤原さんはバンド仲間という関係でした。メンバーはボーカル、ギター、ベース(先輩)、助っ人ギター(藤原さん)、そしてドラムは藤原さんに連れてこられた佐倉高校の升さんです。このバンドについては直井さんや増川さんも認識しています。
1996年、卒業後ベルギー留学を控えている先輩に「なんか1曲書いてよ」と言われて「弱虫賛歌」を書きます。先輩が寂しいはずなのに強がっているのが不服で、「最後くらい寂しいって言えよ(笑)」って思いから“ひとりぼっちは怖くない”と呪文のように作詞作曲しました。
タイトルは『弱虫賛歌』
藤原 – 寂しいのに、素直になれよっていうメッセージ。エールではない。
藤原さんは「弱虫のくせに!」という思いから「弱虫賛歌」という曲名にします。BUMP OF CHICKENの4人で購入したMTRに録音(歌とアコースティックギター)してテープにして渡しました。
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その先輩とは現在は連絡を取り合っていないようですが、日本に帰国したあと”自分を表現する仕事”をしているそうです。近況を知っているくらいには、関係が続いているのでしょうね。
弱虫賛歌のバンドバージョン
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— BUMP OF CHICKEN画像bot (@boc_gazou) 2018年4月21日
カセットテープは藤原さんの弾き語りでしたが、「弱虫賛歌」のバンド演奏をBUMP OF CHICKENで試したことがありました。しかしドラムの升さんが3/4拍子を全く叩けず、「こりゃダメだと思って(笑)、それからお蔵入り」になりました。
升 – あんまり覚えていない。っていうか、全く覚えていない。たぶん、一瞬でその話は終わったんだと思う(笑)
メンバー曰く、この当時の升さんはXJAPAN好きのヤンキーだったそうです。お蔵入りになった敬意を覚えていないところが升さんらしいですね。
「弱虫賛歌」から「バイバイ、サンキュー」へ
2000年秋〜冬、藤原さんが天体観測の作詞している頃に、ふと「弱虫賛歌」の詞を思い出します。未完成だった詞を一部変えて「バイバイ、サンキュー」という新しい曲名をつけ、天体観測のカップリング曲として収録されることになりました。
この頃には升さんもドラムが叩けるようになっていました。ベースの直井さんにとっては”スイートエモーション時代”(感じるままにベースラインを付けていた頃)の曲です。
直井 – 2年後にこのベースすっげぇうるさい!って思ったのは覚えてる。
まとめ
こうし て2001年に陽の目を見ることになったバイバイサンキュー 。曲の原型が16歳の時に書かれたとは、藤原さんの才能は若い頃から秀でていたのだなと思います。
実際はFLAME VEINの楽曲(ナイフ、くだらない唄、アルエ)などと同じくらい古い楽曲に位置します。バイバイサンキュー を聴くときにこんな裏話があると思うと、また別の聴き方ができるのではないでしょうか。
以上、弱虫賛歌とバイバイ、サンキューについての紹介でした。
*2018/5/3追記
PVロケ地とライブ演奏については楽曲解説:バイバイサンキュー vol.2 – PVロケ地とライブ演奏について という記事で紹介しております!ぜひ合わせて読んで頂けると嬉しいです。