楽曲解説:アンサー vol.1 – Aメロとコード進行の秘密

アンサーは2016年12月21日に配信リリースされたBUMP OF CHICKENの楽曲です。同曲は羽海野チカさん原作のアニメ『3月のらいおん』(NHK総合テレビ)の主題歌として起用されました。




『3月のらいおん』とBUMP OF CHICKEN


羽海野チカさんの漫画『3月のらいおん』とBUMP OF CHICKENは、2014年11月に単行本(10巻)発売時に『ファイター』(8th Album「Butterflies」収録)のCDを限定生産で付録するというコラボレーションを行いました。

きっかけは羽海野チカさんがBUMP OF CHICKENが好きで、BUMP OF CHICKENのメンバーも『3月のらいおん』が好きだったことでした。ボーカルの藤原基央さんは漫画をイメージして『ファイター』を書き下ろし、羽海野チカさんはこの企画のために描き下ろしたスピンオフ作品を購入者特典として掲載します。


羽海野チカとBUMP OF CHICKENのメンバーのインタビューでは羽海野チカさんがrayや乗車権の歌詞に独自の解釈を語っており、いかにBUMP OF CHICKENの楽曲が好きかが伝わってくるほどでした。




『ファイター』と『アンサー』

そして『ファイター』x 『3月のらいおん』の2年後、2016年の同作アニメ化に伴って再びコラボレーションプロジェクトが再開します。

アンサーもファイター同様に『3月のらいおん』をテーマにした書き下ろしの新曲でした。藤原さんはタイトルをつける時、ファイターの曲名を意識して最後に”ー”(長音記号)をつける、伸ばして終わる単語にしようと決めていたそうです。

ノスタルジックなAメロとコード進行

イントロの透き通ったリフはユグドラシル〜Orbital Period期を彷彿とさせ、どこか懐かしさを漂わせるAメロは、FLAME VEINの頃のようなノスタルジックなサウンドです。

実はアンサーのAメロでは、藤原さんはFLAME VEINの時と同じコードの使い方をしています。jupiterの頃からキーを意識したコードの使い方をしており、例えばキーに対して長2度(ハ長調ドに対するレ、Cキーに対するD音)ではキーの和音要素が入るようにしています。キーの和音要素を入れることで全体的な曲調やコード進行に均整が取れた印象のサウンドとなります。

キーを意識したコードの使い方(jupiter〜Butterfliesまで)
長2度
Cキー: Dm
Dキー: Em7
Gキー: Am7
長3度
Cキー: ConE
Dキー: DonF#
Gキー: GonB

その一方でキーに忠実ではない(意識しない)コード進行の使い方では懐かしいノスタルジックな雰囲気になります。実際にフォークソング、演歌から西洋古典音楽まで幅広く一般的に使われる技法です。

キーを意識しないコードの使い方(FLAMEVEIN〜THE LIVING DEAD)
長2度
Cキー: Dm
Dキー: Em
Gキー: Am
長3度
Cキー: Em
Dキー: Fm
Gキー: Bm

藤原さんはFLAME VEINの頃は後者のクラシカルなコード進行で曲を作っていました(というかコードの存在を知らなかった可能性が高いです)。くだらない唄やリトルブレイバー、続・くだらない唄などで使っていました。

アンサーのAメロもこのノスタルジックな響きのあるコード進行を使用することで珠玉のメロディラインとなっています。藤原さんの中では一時期使用されていなかった技法ですが、ゼロやfirefly、トーチの一部でこの技法を再び使用しており、藤原さんの作曲の幅にまたひとつ広がりが生まれていることを実感できます。

アンサーはこれからのBUMP OF CHICKENのサウンドの進化への布石となる、そんな1曲になりそうですね。


コメント

  1. ナポリ より:

    いつも更新ありがとうございます。
    正しいタイトルは「3月のらいおん」ではなく「3月のライオン」ですね。