楽曲解説:Ever lasting lie vol.1 – 決して悲しい歌ではないゴスペル –

2n Album「THE LIVING DEAD」収録 / M-08
作詞作曲:藤原基央
作曲時期:2003年年末

Ever lasting lieは2枚目のインディーズアルバム「THE LIVING DEAD」に収録されている曲です。8分37秒という収録時間はBUMP OF CHICKENの中で最も長い楽曲になります。「嘘」に振り回される切ない男女の物語の歌詞と、時間の経過を表現した長い間奏が特徴的なアルバムの屈指の名曲です。

今回はこのEver lasting lieの意味や歌詞、解釈を紹介します。




ゴスペルをイメージした曲


THE LIVING DEADのアルバムは、レコーディングを進めながら同時に他のアルバム曲を書くという考えられないような状況での制作でした。その為、曲の頭数を揃える必要があったボーカルの藤原基央さんは「K」を皮切りに物語調でテーマを決めて作曲することにします。

そこで藤原さんは歌詞のないゴスペル調の曲を1曲書くことに決めました。

ゴスペル書きたかったんですね。詞はあとから付いたんですけど。 – 藤原 – 

藤原さんはメジャーデビュー以降もsupernovaやangel fallなどで度々”ゴスペル”をイメージしている楽曲を書き上げます。

*ゴスペルをテーマにした楽曲

Ever lasting lie – 2000年

supernova – 2005年  

angel fall – 2010年

藤原さんの音楽ルーツはブラックミュージックやゴスペルの曲の影響を受けています。実際、Ever lasting lieのメロディや構成和音を考える上では、Simon & Garfunkelの「明日に架ける橋」やThe Rolling Stonesの「Saint Of Me」などの楽曲に影響を受けたことを述べています。

THE ROLLING STONES – SAINT OF ME – *OFFICIAL PROMO

また「いつかピアノでやりたい曲」と表現しており、当時から様々なアレンジのアイデアがこの曲に対して思っていたことがわかります。(2004年に藤原さんのギター合奏曲による「Ever lasting lie ~ Acoustic version~」が発表されています)

「生きてることの奇蹟」を歌った曲


とある男の人と、女の人の人生を物語を描いた歌詞。これ、女の人が売られてしまう物語ですよね。

<愛する人の命に値がついた>ことによって女性が遠くに飛ばされてしまい、男性が<「石油でも掘るしかないんじゃないの?」>という嘘に、微かな希望を信じてシャベルを持って掘り続けるのです。

その甲斐虚しく、女性は<死んだ街で夜のドレス纏って 作り話のような愛を売らされる人>になってしまいます。けれども男の人の言葉<「二人は大丈夫、明日を信じて待っていてくれ」>という嘘を信じて待ち続けて、教会で命を引き取ります。

こんな悲しい唄ですが、藤原さんは決して悲劇を描いたわけではないといいます。

「THE LIVING DEAD」で悲しい歌は歌ってないんですよ。作曲家・藤原基央が誕生した時から、僕は悲しい歌を一度も歌ったことがないんですよ。全てハッピーエンドにしてます。 – 藤原 – 

さらに「人それぞれの人生はどれも泣けてどれも感動する、たとえ本人が意識していなくてもそうである、と歌った曲」だといいます。

確かにこの曲の登場人物は、夜のドレスを纏うくらいですからきっと若娘と青年だったのだと思います。その若い娘がおばあさんになるまで、青年がおじいさん(歌詞カードの絵の老人)になるまで、長い長い時間が経っています。それぞれの人生は本人が意識していなくても、意図せずとも感動的な物語であるということでしょうか。(個人的感想を言えば、普通に悲しい話にしか聞こえませんが 笑)

アコースティックバージョン

この曲は2004年に期間限定リリースされた「アルエ」のカップリング曲としてアコースティックバージョンで再収録されています。

この曲が再収録される経緯として、バンプのインディーズ時代のデモテープやアルバムを販売していたHiLine Records(ハイラインレコーズ)というレコードレーベルが経営危機になり、メジャーレーベルのトイズファクトリーから再販しようという動きになりました。

そこで再販版アルバムのリードシングルとして「アルエ」をシングルカットすることが決まります。これはメンバーの意見ではなくスタッフ側による選曲でした。スタッフはメンバーに「カップリング曲は何かある?」と尋ねると、せっかくなのでカップリングも昔の曲、それも再録にしよういう話になりました。

そこで”アンプラグド(アコースティック)”はバンド側“Ever lasting lie”の選曲はスタッフ側から意見が出て “Ever lasting lie”をアコースティックアレンジにして録音することに決まりました。藤原さんは、THE LIVING DEAD制作時を思い出し、音楽に集中できる環境で録音したかったアルバムの曲なので、今信頼しているスタッフ達(トイズファクトリー)と再録することができて嬉しいと述べています。

アコースティックギターの間奏はオープンEチューニングが使われ、民族的でトラディショナルなギターインストゥルメンタルが魅力的です。藤原さんのギタリストとしての才能が感じられる1曲なので是非聴いてみてください。

以上、Ever lasting lieについて紹介しました。この曲は2004年以降ライブでは13年間演奏されていません。またいつか、ライブで聴ける日が来るといいですね。




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