未発表曲

楽曲解説「木漏れ日と一緒に」Silver Jubileeで初披露した未発表新曲

未発表曲

「木漏れ日と一緒に」はBUMP  OF CHICKENの未発表新曲です。2022年7月開催のライブ「Silver Jubilee at Makuhari Messe 2/10 – 2/11」のステージで初披露されました。

 

燦々と光り輝く増川さんのエレキギター、藤原さんの温かみのあるアコースティックギターが印象的なミディアムテンポの楽曲です。CメロはBUMP OF CHICKENとして珍しく1音下がる転調となっており、非常にアンニュイで安心感を覚えさせる雰囲気を演出しています。


「木漏れ日と一緒に」収録 BUMP OF CHICKEN TOUR 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe   

この記事では「木漏れ日と一緒に」の現在判明している情報や歌詞の意味、解釈について紹介します。

※2024/02/29 歌詞追記




「木漏れ日と一緒に」基本情報

作詞・作曲不明
編曲不明
作曲時期不明
収録映像LIVE Blu-ray「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe 2/10 – 2/11」(ツアー応募最速先行シリアル付属で予約受付中)
ライブ初披露2022年7月2日「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe 2/10 – 2/11 」千葉県幕張メッセ国際展示場9-11ホール

BUMP OF CHICKENの楽曲はほぼ全て藤原基央さんが作曲していることから、「木漏れ日と一緒に」も藤原基央さんによる作詞・作曲と考えられます。

「木漏れ日と一緒に」歌詞

昼前の用事を済ませた体を
バスに押し込んで なんとなく揺らされる
緩やかに大きなカーブ描いて
病院の角をなぞるように左折する

風船揺れる横断歩道 あくびを乗せて待つ自転車
最初を知らない映画のようにすぎる 窓の向こう
太陽を遮った街路樹 絶妙な加減でこぼれる光
選ばれた小さい輝きが 肩に踊る

懐かしい唄みたいだった
もう少し頑張れるだろうか

平気だと決めたなんだか平気な気がした
それは痛み止めみたいなもんだと解っている
感じたり考えたりから逃げて生きているうちは
ずっと修理できずにいる

あんまり笑えそうにないまま 昨日から今日を明日に繋ぐ
曖昧な自分の手を支えながら 夜を渡る
太陽を遮った街路樹 削れて砕けて届く光
すぐ消える小さい輝きが 肩に踊る

懐かしい唄みたいだった
誰かの涙みたいだった

もう少し頑張れるだろうか
懐かしい唄みたいだった

訪れる当然の日々に
相槌さえままならなくて
会いたい人を思うことすら
避けてしまうだなんて

この胸に消えない言葉
他の何にも変わらずに
死ぬまで刺さる鋼鉄の杭
仕事を止めない心臓

(出典:LIVE Blu-ray「Silver Jubilee at Makuhari Messe」)

「木漏れ日と一緒に」の意味






「木漏れ日と一緒に」の歌詞に「木漏れ日」という言葉は登場しません。

Bメロの歌詞には、太陽をさえぎった街路樹から肩に落ちる光のモチーフが繰り返し登場し、木漏れ日があることを表現しています

 

太陽をさえぎった街路樹 絶妙な加減でこぼれる光
選ばれた小さい輝きが 肩に踊る

引用元「木漏れ日と一緒に」/ BUMP OF CHICKEN

 

過去の作曲の傾向から、藤原さんは歌詞を書いた後に「木漏れ日と一緒に」という曲名つけたと思われます。

2回目のBメロでも同様のモチーフが登場します。

 

太陽をさえぎった街路樹 削れて砕けて届く光
すぐ消える小さい輝きが 肩に落ちる

引用元「木漏れ日と一緒に」/ BUMP OF CHICKEN

 

1回目と2回目を比較すると、1回目の木漏れ日は「選ばれた小さい輝き」と優位性を感じさせる表現にしていますが、2回目は街路樹によって崩れて砕けても「生きてる小さい輝き」と何かを乗り越えて生きているような表現になっています。

多面的な人生観や、人間の本質を木漏れ日というモチーフになぞらえて歌い上げる藤原さんの作詞センスは秀逸です。

「木漏れ日と一緒に」歌詞

昼前の用事を済ませて 身体をバスに押し込んで
なんとなく揺らされる

緩やかに大きなカーブ描いて
病院の角をなぞるように左折する

引用元「木漏れ日と一緒に」/ BUMP OF CHICKEN

Aメロの歌詞では、バスに乗り込むのではなく、バスに身体を押し込んで揺らされるという受動的な表現が見えます。「宝石になった日」の<全自動で続く日常をなんとなく でも止めないよ>を彷彿とさせます。




インディーズからずっと同じことを歌っているという藤原基央さんの歌詞の世界は繋がって見えることが多いですが、バスや病院(薬)など「木漏れ日と一緒に」は「話がしたいよ」の世界観とリンクしている様に思いました。

 

風船揺れる横断歩道 あくびを乗せて待つ自転車
最初を知らない映画のように過ぎる 窓の向こう

引用元「木漏れ日と一緒に」/ BUMP OF CHICKEN

 

<最初を知らない映画のように過ぎる 窓の向こう>はとても的を射た表現だと思います。街でたくさんの人たちを見かけても、それぞれの人生の奥底まではわからないですよね。

BUMP OF CHICKENと多くのリスナーの関係性も同じことが言えると思います。そこに特別な感情(虚しいとか嬉しい)を持つわけではなく、ただ事実として情景描写にとどめています。

頑張ろうではなく、頑張れるだろうか

懐かしい唄みたいだった
誰かの涙みたいだった
もう少し頑張れるだろうか

引用元「木漏れ日と一緒に」/ BUMP OF CHICKEN

街路樹のくだりの後に続く歌詞です。「頑張ろう」ではなく「頑張れるだろうか」という表現がBUMP OF CHICKENらしい歌詞だと思います。

圧倒的存在感のあるCメロ

訪れる当然の日々に
相槌さえままらなくて
逢いたい人を思う事すら
避けてしまうだなんて

この胸に消えない言葉 他の何にも変わらずに
死ぬまで刺さる鋼鉄の杭 仕事を止めない心臓

引用元「木漏れ日と一緒に」/ BUMP OF CHICKEN

それまでのアンニュイな雰囲気漂う情景描写と打って変わり、「死ぬまで刺さる鋼鉄の釘 仕事を止めない心臓」という直接的で負荷のかかる表現が登場します。

「死ぬまで刺さる鋼鉄の釘」という言葉、文字だけで読むと恐ろしささえ覚えてしまう詞です。直前の「この胸に消えない言葉」をふまえると、”言葉”を”杭”に喩えているように読み取れます。

「仕事を止めない心臓」(と私は聞こえました)という表現も、非常に無機質な言い方です。

BUMP OF CHICKENでは珍しい1音下げ転調

最後の場面転換でBUMP OF CHICKENの楽曲では珍しく1音下げの転調(Eキー→Dキー)が行われています。

記憶している限りだと、結成まもない頃の未発表曲「デザートカントリー」のギターソロ終わりで使用(A♭キー→G♭キー)されているだけです。

「FLAME VEIN」以降の転調はパターン化されているなか、「木漏れ日と一緒に」の転調は非常に稀有な手法が使われています。藤原基央さんのアレンジの新しさを感じさせる楽曲になっています。

 

「木漏れ日と一緒に」ライブ演奏記録

演奏回数2回
演奏頻度★☆☆☆
初披露2022年7月2日「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe 2/10 – 2/11 」千葉県幕張メッセ
演奏ツアー2022年「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe 2/10-2/11」

「木漏れ日と一緒に」はこれまで2回ライブで演奏されています。2022年「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe 2/10 – 2/11」で初披露されました。

翌月の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022」では未演奏だったことを踏まえると、ワンマンライブでの特別なサプライズであったと思われます。

ライブ演奏機材


演奏機材

藤原基央 – Martin 00-15M
増川弘明 – Fender Stratocaster 
直井由文 – Fender Jazz Bass

 

「木漏れ日と一緒に」ライブ映像

LIVE Blu-ray「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe」

有料配信 2022年8月14日 18:00〜 Hulu「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe 2/10 – 2/11」

配信終了

有料配信動画「Hulu」での放送に加え、LIVE Blu-ray作品として「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe」の様子が収録されており、「木漏れ日と一緒に」のライブ映像も収録されています。

以上、BUMP OF CHICKENの「木漏れ日と一緒に」の歌詞の意味、解釈、制作エピソードについて紹介しました。




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