「Flare」はBUMP OF CHICKENが2021年にリリースした配信シングルです。
「Flare」は英語で「炎」を意味し、作詞作曲をした藤原基央さんは《とても小さくて細い火、でも消えない火》というイメージから曲名をつけました。
コロナ禍での作業、ベーシスト・直井由文さんの活動休止という異例の環境下で制作した「Flare」。一体どんな意味が込められているのか、歌詞の意味とエピソードについて解説します。
「Flare」基本情報
- シングル「Flare」
- アルバム「Iris」
| 作詞・作曲 | 藤原基央 |
| 編曲 | BUMP OF CHICKEN & MOR |
| 作曲時期 | 2020年6月〜10月頃 |
| 録音時期 | 2020年12月 |
| 制作スタジオ | Shibuya Bunkamura Studio |
| 収録作品 | 2021年2月11日 配信シングル「Flare」 |
| 2024年9月4日 アルバム「Iris」 | |
| ライブ初披露 | 2022年7月2日 BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe |
「Flare」は後述の通り、配信シングル版とアルバム版でベース奏者が異なります。
「Flare」作曲エピソード
「Flare」は2020年6月〜10月にかけてボーカル・ギター藤原基央さんによって作曲されます。
普遍的な曲を作りたい強い気持ち
2020年、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発布されている中で、BUMP OF CHICKENの活動も全てストップします。藤原さんは自宅の中で海外ドラマを見るなどをして過ごします。

藤原基央が当時ハマっていたゾンビドラマ「ウォーキング・デッド」
藤原さんは詞の原型をiPhoneのメモアプリに残したり、音楽のアイデアを頭の中で鳴らしながらも、曲にしようという意思はありませんでした。その理由として、藤原さんは〈音楽に『する』ものではなく『なっていく』もの〉という考えを持っているからだと明かしています。
藤原 – どんな環境においても普遍的なもの、スタンダードなものが作りたいんですよね。(中略)曲にしようって意識はないまま、ただただ言葉を書いていました。
引用元:「MUSICA」2021年3月号
コロナ禍が暫く続いた後、スタッフから「そろそろ曲書いてみよう」と言われます。藤原さんは、〈アイデアはあるけど、言われたから書くということはしたくない〉という趣旨を伝えつつ、言葉をメモに残していきました。
「Flare」が未完成の中で「なないろ」を書く

「Flare」作曲の時間軸。「Flare」と「なないろ」はほぼ同時期に書かれたため『同じことを別々のテンションで歌っている』と藤原基央は語る
2020年7月、藤原さんはスタッフが押さえた曲作り用のスタジオに入り「Flare」を書き始めます。
藤原 – 7月ですね。(中略)2-3行書いて節をつけて歌ってみたんだと思うんですよね。
藤原さんは「Flare」の歌詞の冒頭から順番に書き始め、2番まで書いたときにNHK 朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」の打合せに参加します。

2021年「おかえりモネ」(画像引用元:NHK)
藤原さんは2020年夏から秋にかけて「なないろ」を作曲し、再度「Flare」の3番以降に取り掛かり、最終的に2020年10月頃に「Flare」を書き上げます。
ベース・直井由文の活動休止
「Flare」「なないろ」作曲期間である2021年9月、ベーシスト・直井由文さんがBUMP OF CHICKENのメンバーとして活動を休止します。作曲に直接影響を与えていないというものの、制作期間中の特筆すべき事項です。
BUMP OF CHICKENとしても藤原さん個人としてもかつてない状況でした。「Flare」を書き上げる1ヶ月前のことです。
「Flare」歌詞の意味
コロナ禍、直井由文さんの活動休止とかつてない状況下で生まれた「Flare」。藤原さんが込めた「Flare」の歌詞の意味とは一体なんでしょうか。
「なないろ」と「Flare」の関係性
「Flare」は「なないろ」と同時期に作詞されたため、同じことを別のテンションで歌っていると藤原さんはインタビューで語っています。
藤原 – “Flare”と”なないろ”は同じ時期にすげえ真剣に考えていたことが、別々のテンション感で出てるなっていうのは自分でも思う。(中略)違う角度、違うテンション感で歌ってるんですけど、歌ってることはほぼ同じで。
引用元:「MUSICA」2021年7月号
藤原さんは2曲が同じ主題を歌い、「Flare」では重い部分、「なないろ」では軽い部分を歌ったと明かしています。
「Flare」タイトルの意味
「Flare」(フレア)は英語で「炎」を意味します。BUMP OF CHICKENの楽曲としては「LAMP」「fire sign」「トーチ」に続く、火、炎に関連する曲名です。藤原さんはタイトルがなかなか決まらなかったと回想しています。
藤原 – とても小さくて細い火、でも消えない火、っていうそういうイメージがあって。そのイメージを最初タイトルに・・・・・なんか恥ずかしいな (笑)
引用元:「MUSICA」2021年3月号
歌詞に登場する〈いつか終わる小さな灯火〉の一節から取ったと説明しています。
「Flare」リリース前、「CUT」2021年1月号にて「BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 “aurora ark”」のライブ活動で見た光景について似たモチーフで説明しています。
藤原 – 聴いてくれる人の存在は、洞窟を照らす松明のようなもので。あの時、僕が見ていた灯台や松明が、目の前にいるって思えたのが『aurora ark』だった。
引用元:「CUT」2021年1月号
オーディエンスの《灯台》や《松明》ような光は、全国ツアー後の作曲活動で2畳ほどの防音ブースでギターを弾いて歌っている時にも、マイクの向こうに感じられたといいます。
藤原 – 僕のギターしか入っていない、僕の歌しか入っていない状態だったとしても、マイクの向こうには必ず聞いてくれる人が、僕にとっては灯台みたいに見えている。
引用元:「CUT」2021年1月号
このインタビューは「Gravity」「アカシア」リリースで取材されたもので、まさに「Flare」作曲〜制作のタイミングです。藤原さんの「Flare」に込めた歌詞の意味に重要なヒントだと思います。
(参考)BUMP OF CHICKENの「火」「炎」に関連するタイトルがつく楽曲
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「LAMP」(1999年12月 シングル『LAMP』収録) |
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「fire sign」(2004年8月 アルバム『ユグドラシル』収録) |
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「トーチ」(2014年3月 アルバム『RAY』収録) |
チャマのことを歌った曲なのか
藤原さんは、「Flare」について直井さんのことを歌ったと明言していません。インタビューの中でコロナ禍や直井さんの活動休止といった出来事を直接歌っていないと明かしています。
藤原 – 誤解を恐れずに言えば、時事ネタに対して感じることを書いたわけではないっていうか。(中略)自分が書くものは普遍的なものを目指したいし。
引用元:「ROCKIN’ ON JAPAN」2021年4月号
そして普遍的なものを目指した結果、チャマさんの活動休止というタイムリーな出来事も包摂するような印象を与えたのだと補足しています。
藤原 – 普遍的なものを書いた結果、言葉の互換性というか、いろんな状況に当てはまりやすくなるしっていうことになるのかなって僕は思いますね。
引用元:「ROCKIN’ ON JAPAN」2021年4月号
〈普遍的な曲を書く〉という作曲哲学は昔のインタビューから一貫しています。藤原さんの性格を考えると、活動休止を受けて、余計に確固たる意思(タイムリーなことに反応しないという意志)が伝わります。
ポルトガル語でCHAMAが炎を表す
過去のラジオ番組「PONTSUKA!!」でポルトガル語で「CHAMA」が「炎」意味すると語ったことがあります。
直井 – (お便りを読み上げながら)「CHAMAはポルトガル語で『炎』って意味だそうです。ご存知でしたか?」いえいえ、全く知らなかったです!
全員 – おおー。引用元:2015年5月24日放送 Bay-FM「PONTSUKA!!」
この話がSNSで掘り返され、「活動休止中のチャマさんに向けて歌われた曲だ」という説が立ちました。しかし〈いつか終わる 小さな灯火〉を含む「Flare」の1コーラスは直井さんの活動休止前(7月)には既に書かれていること、作曲ブースで思い浮かぶオーディエンスという《灯台》《松明》、さらに藤原さんの性格を踏まえると、その可能性は薄いと考えられます。
「Flare」制作エピソード
2020年12月、3人体制のBUMP OF CHICKENは「Flare」のレコーディングを行います。場所はSNSの写真から東京都渋谷区にあるShibuya Bunkamura Studioと推定されます。
藤原 – 3人でやりましたね。俺とヒロでギター弾いて、秀ちゃんドラム叩いて、あと俺がベース弾かなきゃいけない状況にありまして、ベースも俺が弾いて。
引用元:「ROCKIN’ ON JAPAN」2021年4月号
3人での制作はBUMP OF CHICKEN初となる出来事でした。2003年秋、ギタリスト・増川弘明さん以外の3人で録音された「embrace」「同じドアをくぐれたら」という曲があります。しかしこの時はレコーディング現場に増川さんが同席していたため、ベーシスト不在という中での作業は初めてでした。
ベースを弾く藤原基央

ベースを弾く藤原基央(引用元:X@boc_official_)
活動休止期間中のベーシスト・直井由文さんに代わり、「Flare」「なないろ」の配信シングル2曲は藤原さんがベースを弾いており、Xでも藤原さんがベースを弾く姿が投稿されています。
藤原 – だから”Flare”と”なないろ”に関しては、俺がベースを弾いてます。それはそうするしかなかったんです。
引用元:「MUSICA」2021年7月号
インタビューでは藤原さんはバンド内にベーシストがいるのにベースを所有することに抵抗感があったと告白しています。
オケ録りは2日間行われ、1日目にリズム隊(ドラム+ベース)を録音します。藤原さんはベースを本番レコーディングすることに慣れておらず、普段と違う筋肉を使ったことにより肩甲骨のあたりが筋肉痛になりヘロヘロになったと言います。
2日目 ギターREC
2日目に増川さんと藤原さんの2人でギター録りを行います。NHK「SONGS」の取材で「Flare」制作映像が放映されており、藤原さんはアコースティックギターをGibson製ギターを使用していました。しかし本番RECではなくプリプロ制作日の可能性もあります。
2020年12月12日「Flare」「なないろ」制作でMartin製ギターを弾く藤原基央(画像引用元:X@boc_official)
時期的に「Flare」制作中と思われるSNS写真ではMartin製アコースティックギターを弾いています。
プロデューサーのリクエストでつけたイントロ
「Flare」はイントロとアウトロにギター1本によるブルージーなフレーズが入っています。このフレーズが出来たエピソードについてインタビューで明かしています。
藤原 – まずプロデューサーから「イントロになんか弾いて」っていう一声があったんですけど。
引用元:「ROCKIN’ ON JAPAN」2021年4月号
ミキシングする際、リバーブをかけて遠目の距離感のある響きをイメージしゴスペルっぽさを感じたといいます。NHK「SONGS」の取材映像ではこのフレーズを考えて、Fender製テレキャスターを弾く藤原さんの様子が映っています。
CD版収録時に直井由文が再録する
N配信リリースでは藤原さんがベースを弾きましたが、2021年12月にCDリリースとして収録された際は直井さんが弾いたベースで録りなおしたことをインタビューで明かしています。
「Flare」MV
| MV監督 | 太田好治 |
「Flare」は直井さんを除く3人で撮影をしました。「なないろ」(Performance MV)では4人で弾いているため、メンバーを欠いた状態での唯一のMV映像になります。
監督は長年BUMP OF CHICKENのライブ写真やアー写のカメラマンを務める太田好治氏が初めて務めています。
「Flare」ライブ演奏記録
| 演奏回数 | 18回 |
| 初披露 | 2021年11月14日「Studio Live Silver Jubilee 」 |
| 演奏公演 | 2021年「Studio Live Silver Jubilee」 2022年「Silver Jubilee at Makuhari Messe」 2022年「BUMP OF CHICKEN TOUR 2022 Silver Jubilee」 2023年「BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there」 |
| 演奏機材 |
藤原基央 – Gibson J-45 |
| 増川弘明 – Gibson Les Paul Standard Historic Collection | |
| 直井由文 – Fender Jazz Bass |
「Flare」はリリース以来18公演でライブ演奏されています。2days公演では「small world」と入れ替える形で日替わり曲として演奏されています。
「Flare」ライブ映像作品
| シングル「なないろ」(初回限定版) 2021年11月14日 無観客配信ライブ「Studio Live Silver Jubilee」収録 |
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| 映像作品「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe」 | ![]() ![]() |
| 映像作品「BUMP OF CHICKEN TOUR 2022 Silver Jubilee at Zepp Haneda(TOKYO)」 | ![]() ![]() |
| 映像作品「BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there at SAITAMA SUPER ARENA」 2023年5月27日 DAY1公演(※初回特典版のみ収録) |
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その他、TV番組出演としてNHK「SONGS」でも披露しています。直井さんが活動休止中のため直井さんを除く3人での唯一のライブ映像となっています。
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- 2021年2月27日放送 NHK「SONGS」
以上、BUMP OF CHICKENの「Flare」(フレア)の歌詞の意味と制作エピソードでした。













