9th Album『aurora arc』

楽曲解説「ジャングルジム」歌詞の意味と制作エピソード

9th Album『aurora arc』
アルバム「aurora arc」

「ジャングルジム」はBUMP OF CHICKENの「aurora arc」収録のアルバム曲です。

「ジャングルジム」は2003年にリリースした「ロストマン」のボツ曲となったタイトルです。果たして「ロストマン」の歌詞と関係はあるのでしょうか。

この記事では「ジャングルジム」の歌詞の意味・解釈や制作背景を紹介します。


「ジャングルジム」基本情報

アルバム「aurora arc」

作詞・作曲 藤原基央
作曲時期 2017年1〜2月
録音時期 2019年1〜2月
収録作品 2019年7月10日 アルバム「aurora arc」
ライブ初披露 なし

「ジャングルジム」作曲エピソード

2017年1〜2月、ボーカル・ギター藤原基央さんはを作曲します。スタジオで曲作りをしていた藤原さんがアコースティックギターを手に取り、ポロポロと弾きながら自然に出来上がりました。

藤原さんは同じ期間に「リボン」「記念撮影」「流れ星の正体」の3曲を書いており、「ジャングルジム」「記念撮影」はデモテープに録られたまま保存されていました。

「ロストマン」と「ジャングルジム」の関係

2003年3月、BUMP OF CHICKENは「ロストマン」を発表します。「ロストマン」はBUMP OF CHICKEN(特に藤原さんの創作活動)の歴史において、最も長く向き合った曲です。

sailing day pv

シングル「ロストマン / sailing day」

「ロストマン」の作詞過程では”30曲分”のボツ曲の歌詞を書き、そのボツ曲の1つに「ジャングルジム」という本作と同名の曲がありました。しかし藤原さんは「ロストマン」のボツ曲「ジャングルジム」と『aurora arc』収録の「ジャングルジム」は〈無関係である〉とインタビューで明かしています。

結成20周年イヤーの影響

2016年2月11日、BUMP OF CHICKENはバンド結成20周年を迎えました。バンド内では”結成20周年イヤー”としてメモリアルな雰囲気が漂っており、2017年1月はその締めくくりのムードがありました。

2017年1〜2月に書かれた「リボン」「流れ星の正体」の2曲は結成20周年イヤーが終わるメモリアルな空気が結晶化した楽曲です。一方で「ジャングルジム」「記念撮影」はそのムードに関係なく生まれたといいます。

藤原 – でも、“記念撮影”と”ジャングルジム”は、そういう流れも何もなく、空いている時間にスタジオ入って書けた曲なんですよね。

引用:CUT 2019年07月号

BUMP OF CHICKENはタイアップオファーが増え、書き下ろし曲など外的要因に誘発される作曲形態が多くなりました。自然状態でふっと書かれる歌詞も藤原さんの良さが現れています。

「ジャングルジム」制作エピソード

「ジャングルジム」の作曲後、BUMP OF CHICKENのメンバーは「話がしたいよ」「新世界」「シリウス」等のタイアップ曲を続けて制作します。

2019年1〜2月、ついに藤原さんはデモテープのまま保存されていた「ジャングルジム」の制作にとりかかります。残りのメンバーに「ジャングルジム」を聴かせた結果、デモテープと同じアレンジにすることで意見が合致します。

藤原 – で、その2年ぶりに録ったデモをみんなに聴いてもらったら、『弾き語りでいいじゃない?』と。やっぱそうなんだなと思いました。

引用:CUT 2019年07月号 

ギター1本の弾き語り曲

「ジャングルジム」は藤原さんが弾くアコースティックギターが録られています。指弾きの静かなアルペジオと、熱量のあるピック弾きによってサウンドに抑揚をつけています。

BUMP OF CHICKENの楽曲にはバンドサウンドだけでなく「ジャングルジム」のようなアコースティックギター1本の楽曲も存在します。


7曲入りデモテープ(199X年)
デモテープ
#「Let it be」
#「Grown Up Person」
「THE LIVING DEAD」(2000年) アルバム
#1「Opening」
#2「Ending」

「アルエ」(2004年)
カップリング曲
#2「Ever lasting lie ~ Acoustic ver.」

「オンリーロンリーグローリー」(2004年)
カップリング曲
#2「睡眠時間」
「ユグドラシル」(2004年) アルバム曲
#11「太陽」
「グッドラック」(2012年) カップリング曲
#2「ディアマン」
「aurora arc」(2019年) アルバム曲
#5「ジャングルジム」

「ジャングルジム」は優しい童謡のようなメロディが印象的です。学校音楽のような純朴な歌を彷彿とさせます。



「ジャングルジム」の歌詞の意味

「ジャングルジム」は「ロストマン」の作詞とは無関係であるといいます。その一方で「ジャングルジム」は昔から藤原さんの中にあるモチーフであるとインタビューで語っています。

藤原さんが気になっているモチーフを曲にすることがあります。「カルマ」「メーデー」「R.I.P.」などは以前から曲にしたかった単語、テーマだといい、「ジャングルジム」も同様のきっかけであると伺えます。

ジャングルジムの舞台となった公園の場所

そもそも歌詞に登場するジャングルジムは実在するのでしょうか。藤原基央さんはこれまで実在の場所のことを歌にすることが多く、今回も実際に記憶にある光景を歌にした可能性が高いです。

 

実在する場合、候補は2つあります。1つは佐倉市王子台ある「生谷公園(おぶかい公園)」です。藤原基央さんが卒業した小学校のすぐ近くに位置しジャングルジムがあります。

生谷公園(おぶかい公園)

※公園の比定は管理人の推測です。近隣や公園利用者の迷惑になりますので現地へ行く事は推奨しません。

御伊勢公園(おいせ公園)

もし小学校ではなく中学校時代の情景の場合、「御伊勢公園(おいせ公園)」の可能性もあります。駅前に位置し人が集まりやすい公園です。(管理人が「アルエ」などが生まれるきっかけとなる高校時代のBUMP OF CHICKENメンバーがたむろしていた公園だと推測していた公園です。)

※公園の比定は管理人の推測です。近隣や公園利用者の迷惑になりますので現地へ行く事は推奨しません。

 

「あれから大人になった今」

「ジャングルジム」では少年時代に過ごした公園と大人になって乗る列車という2つの情景を引き合いに出して、心のサンクチュアリや普遍的なテーマを歌っています。

ジャングルジム  1:38〜
あれから大人になった今 色々忘れた顔をして
沢山の知らない人達と レールの上で揺られてる
行きも帰りも大差ない 自画像みたいな顔をして
転ばないように掴まって あるいは座って運ばれる

引用元:ジャングルジム / 作詞作曲 Motoo Fujiwara (2019年)

<レールの上>や<運ばれる>という言葉にとても「受け身」の印象をうけます。大人になるに連れて、自分の意思が及ばない事や周囲に動かされる事が増えてきますよね。すごく共感しました。

 

藤原さんは「ほんとのほんと」(『firefly』のカップリング曲) でも同じことを歌っていました。

 

ほんとのほんと  1:38〜
大人の顔をしてから 生き方がちょっと雑になった
普通のことだし 普通が大変で 時間に大体運ばれた

引用元:ジャングルジム / 作詞作曲 Motoo Fujiwara (2019年)

 

「少年」と「大人」というのは藤原さんにとって昔から感じるテーマなのかもしれません。

それでも心を突き動かすなにか

中盤Cメロ(2:47〜)で曲調が変わります。指弾きのギターアルペジオは力強いストロークに変わり、キーもG♭からE♭に転調し、場面が変わります。

 

ジャングルジム  2:47〜
例えば最新の涙が いきなり隣で流れたとしても
窓の外飛んでいく 電柱や看板と同じ

引用元:ジャングルジム / 作詞作曲 Motoo Fujiwara (2019年)

他人の涙を<窓の外飛んでいく 電柱や看板と同じ>と捉えてしまうこと、私はすごく共感しました。

年齢を重ね、物事を経験して色々なことに「慣れた」大人。感情が鈍化していくような、使い古したような気持ちをリサイクルしているような感覚です。

 

藤原さんはその慣れの中で「それでも突き動かす何か」を捉えています。

 

ジャングルジム  3:09〜
それでもどうしてだろう つられて泣いてしまいそうな
名前もわからないのに 話も聞いちゃいないのに

引用元:ジャングルジム / 作詞作曲 Motoo Fujiwara (2019年)

大人になって感情が鈍化する中でさえ、輝く何かを持っていることを歌っているように思えました。藤原さんにとってのジャングルジムは少年性の象徴なのかもしれません。



「ジャングルジム」ライブ演奏記録

演奏回数 0回  
初披露 なし
最終演奏 なし
演奏ツアー
なし

「ジャングルジム」は2019年のリリース以降一度もライブで演奏されていません。

 

以上、「ジャングルジム」の歌詞の意味と制作エピソードを紹介しました!