6th Album 『COSMONAUT』

楽曲解説「透明飛行船」藤原が意地で書いた1曲

6th Album 『COSMONAUT』
アルバム「COSMONAUT」

BUMP OF CHICKENの「透明飛行船」は6枚目のアルバム「COSMONAUT」収録の楽曲です

 

ボーカル・ギターの藤原基央さんが過去の自分の体験を追憶しながら、現在の問いの答えを見つけようとする楽曲です。藤原さんは「透明飛行船」を《意地で書いた曲》と説明しています。

 

「透明飛行船」がどのように作られたのか、この記事ではの歌詞の意味や制作エピソードを解説していきます。




「透明飛行船」基本情報

6th Album「COSMONAUT」(2010年12月)

作詞・作曲藤原基央
編曲BUMP OF CHICKEN & MOR
作曲時期2009年初夏
収録作品2010年12月15日 アルバム「COSMONAUT」
ライブ初披露2011年12月05日 「GOOD GLIDER TOUR」SHIBUYA-AX公演

「透明飛行船」は6枚目のアルバム『COSMONAUT』の収録曲です。藤原基央さんの作曲場所がスタジオに移る前に、自宅で書いた意地の1曲として生まれました。

「透明飛行船」制作背景

スタジオ前日に書いた意地の1曲

2009年当時、ほとんどの楽曲を自宅で作曲していた藤原基央さんですが、作詞を行うときに推敲に推敲を重ねてしまうため完成スピードが落ちていました。




自分1人の世界で作ろうとしてしまう藤原さんに対して、BUMP OF CHICKENのプロデューサー・MOR(森徹也)氏はスタジオに誘い出します。

 

藤原 – 曲なくてもいい、手癖だけでもいい、なんなら話するだけでもいいからスタジオ来いよって言ってくれて・・・それで、逆に意地になってスタジオの前日に書いたっていう

出典:「MUSICA」vol.45

 

藤原 – それまで全く書けなかったのに、次の日スタジオに行くまでに寝ないで書いたのが「透明飛行船」だったんです。だから、「透明飛行船」は意地の1曲です(笑)。

出典:exite(リンク切れ)

 

話をするだけでもいいからとスタジオに誘ってくれるプロデューサーの言葉に対して、藤原さんはどうにか応えたかったといい、その中で生まれたのが「透明飛行船」でした

 

BUMP OF CHICKENの歴史において、「透明飛行船」は主な作曲場所をスタジオに移す前の、ひとつの区切りの作品と位置づけできます(「透明飛行船」以後も自宅で作曲した楽曲は出てきます)

「透明飛行船」歌詞の意味

幼い頃の経験をモチーフにした曲

「透明飛行船」の歌詞は、藤原さんの過去の体験と記憶が多く描写されています。

 

透明飛行船  3:00〜
鉄棒が得意だったけど
よく慣れた技を舐めてかかり
後ろ向きに頭から落ちた
飛行船が見えた昼休み

引用元:透明飛行船 / 藤原基央 (2010年)

学校の昼休みに鉄棒から落ち、保健室の先生に泣かなかったことを褒められて、友達におぶられそうになり、教室でヒーロー扱いされたという思い出です。




《幼い頃の経験をモチーフにして何かを表現する》手法は、同時期の作品「R.I.P.」「ウェザーリポート」「宇宙飛行士への手紙」「魔法の料理〜君から君へ〜」にも見られ「COSMONAUT」期の作品の特徴といえます。

“得意が苦手になっちゃった”

透明飛行船  3:00〜
午後の体育で気がついた
得意が苦手になっちゃった
それからどうした

引用元:透明飛行船 / 藤原基央 (2010年)

得意だった鉄棒から落ちた後、苦手になってしまうという描写は、藤原さんが「透明飛行船」を作曲をしたスタジオ前日の心境を色濃く反映しています。

 

この記憶のフラッシュバックは、曲が書けない自分だったからこそ起きたものと述べています。《それからどうした》と自分と過去を重ね合わせて、どうしていたのか模索していた姿が窺えます。

「透明飛行船」の意味

藤原さんは「透明飛行船」のタイトルの意味について、歌詞を読んでほしいと断りをした上で次のように述べています。

 

藤原 – 強いて言えば、現在と回想を繋ぐキーワードですね。

出典:「MUSICA」vol.45

 

「透明飛行船」には 《あの時どうした》 や 《それからどうした》 と過去に答えを求める歌詞が登場します。苦しんだ過去をどう乗り越えたか答えがわからないまま、フラッシュバックを描写しながら、今は見えていない(透明な)飛行船の姿を歌っています。

 

一見、過去の体験を基軸に書いた歌詞のように見えますが、作曲をした当時の藤原さんの心境が色濃く反映されているのが「透明飛行船」を解釈する上で大事なポイントだと思います。

「透明飛行船」制作エピソード

「透明飛行船」の音源制作は、ふっ切れた状態で好きなことをやってサウンド構築をしていったといいます。

プロデューサーに誘われたスタジオの日からギター録りを行い、他のパートも藤原さんが入れていきました。

藤原 – その日は「透明飛行船」のアコースティックギターだけが入ったデモテープを録って終わりました。次の日か、もっと先の日か忘れちゃったけど打ち込みでドラムとベースを入れた記憶があります。

出典:Tokyo FM「BUMP LOCKS!」

 

この時に遊び心でデモテープに入れたリズムがほとんど採用され、ドラムの升秀夫さんは相当苦労したといいます。

 

升 – すごい大変でしたね(笑)。覚えるのもひと苦労だし。

出典:「MUSICA」vol.45

 

ギターは、Aメロ・Bメロではコード弾きは一切使用せずアルペジオやリフを忙しく弾いており、ギタリスト・藤原基央としての嗜好が垣間見えます。

宮田公園の場所

「透明飛行船」に登場する歌詞の一節に登場する宮田公園。BUMP OF CHICKENのリスナーの間で聖地となっています。

住所千葉県佐倉市王子台5丁目1−17
アクセス京成本線臼井駅より徒歩11分

少年時代の藤原さんが見たお社(やしろ)も現存しています。よく勘違いされますが、藤原さんが高校入学前に「DANNY」を書いた公園とは異なります。

 

「MUSICA」2011年1月号

「透明飛行船」ライブ演奏記録

演奏回数9回
演奏頻度★☆☆☆☆
初披露2011年12月5日「GOOD GLIDER TOUR」渋谷AX
最終演奏2012年1月31日「GOOD GLIDER TOUR」ZEPP TOKYO
演奏ツアー2011-2012年「GOOD GLIDER TOUR
2012年「GOLD GLIDER TOUR 2012

「透明飛行船」はサビ以外のギターパートはギタリスト・増川弘明さんに任せている楽曲で、増川さんのギタープレイが光る1曲となっています。

以上、BUMP OF CHICKENの「透明飛行船」の歌詞の意味と制作エピソードについて解説しました。この記事を読んで新しい聴き方を見つけていただければ幸いです。



フォロー
The Chickens