コラムメンバー全般・バンド活動

メンバー vol.6 – プロデューサーMORの正体

コラム

BUMP OF CHICKENの楽曲は疾走感あるギターロックからEDMまで幅広いサウンドが魅力的です。曲に個性を与えるアイデアを出しているのがプロデューサーのMORさんです。BUMP OF CHICKENの5人目のメンバーとも言える影の立役者、MORさんについて紹介します。



MOR = 森徹也(モリ・テツヤ)

ロックバンド・STAR FIXの元ボーカル

MORさんの本名は森徹也(モリ・テツヤ)さんといい、プロデューサー名の「MOR」は名字の「MORI」から取っているようです。森徹也さんは若い頃に5人組ロックバンド「STAR FIX」のボーカルとしてCD・レコードデビューした過去を持ちます。

STAR FIX / STAR FIX

アルバム全11曲のうち全曲を作曲、8曲を作詞しています。まさに作詞作曲をこなすフロントマン的存在でバンプの藤原基央さんと同じ立ち位置ですね。STAR FIX(スターフィックス)はシングル2枚とアルバム1枚をリリースをしたあと、HYSTERIC BABY(ヒステリックベイビー)とバンド名を改名したものの最終的に解散します。

ちなみにSTAR FIXの名前の由来は「FIXED STAR = 恒星」から来ています。宇宙大好きの藤原さんと似ていますね。

音楽プロデューサーとして

バンド解散後はレコード会社ビーイングに籍を置き、相川七瀬さんなどへ楽曲提供(曲のみ)を行っています。その後はバンプやミスチルが所属するトイズファクトリーに勤めてプロデューサー業をはじめ、2004年頃から独立してフリーの音楽プロデューサーになったようです。

 

BUMP OF CHICKENのCDに「MOR」とクレジットされるのは2004年『ユグドラシル』からですが、そのずっと前、おそらく「ダイヤモンド」から関わっていました。『jupiter』のレコーディング映像ではトイズファクトリー所属時代の森徹也さんが映っています。

BUMP OF CHICKENのサウンドを支える存在

サウンドメイキング

MORさんはバンプの楽曲制作において、曲のコンセプトやリズムなどのアイデアを提供したり、サウンドメイキングの方向性を与えます。

 

MORによるアレンジのアイデア (一部抜粋)

モーターサイクルループするPV
HAPPYバスドラムのリズム
「友達の唄」ストリングス
ゼロ曲名、イントロのサウンド
fireflyリズム、リムショット、タンバリン、間奏のコーラス
ほんとのほんとピアノの基層低音
恥ずかし島(サブステージ) サブステージのアイデア

『FLAME VEIN』『 THE LIVING DEAD』まではBUMP OF CHICKENのメンバーによるセルフプロデュースでした。メジャーデビューをしてから確かにアレンジやサウンドの幅は広がったと思いますが・・・少し多すぎる気がします(苦笑)純粋にバンプの4人が考えたアレンジを聴きたいなー、と。藤原&MORでアレンジを考えて、それを3人がコピーするという流れ、それでいいのか・・・。

とはいえ、MORさんのプロデュースにより商業的に成功しているのも事実です。より作品が音楽市場で輝くように、多くの人の手に届くようにするサポートをするのがプロデューサーの仕事と考えれば、間違いなく有能と言えるでしょう。

藤原への作曲リクエスト

2009年から藤原さんへの作曲のリクエストをしていた時期がありました。それまで自宅で推敲に推敲を重ねて、ときに何ヶ月もかけて曲を書いていた藤原さん。見かねたプロデューサーが「スタジオで曲を書こう」と提案したことにより、藤原さんの作曲スピードが格段に上がりました。

 

MORによる曲のリクエスト

お題藤原が書いた曲
シングル分別奮闘記
シングル「R.I.P.」
四つ打ち「宇宙飛行士への手紙」
pinkie
クリスマス「Merry Christmas」
ゴスペルangel fall
ジャカジャーンな曲「good friends」

 

プロデューサー兼モチベーターとしての役割を果たすMORさん。このおがげで珠玉の名曲が世に放たれました。

『orbital period』の頃の寡作の時期に「そんなに悩まず沢山曲書いて」と思っていたので沢山曲が出来るきっかけを作ってくれて感謝ですね。



ステージ演出・セットリスト・プロモーションのプロデュースも行っている

ライブステージの演出

MORさんのプロデュースは楽曲制作に止まりません。2013年頃からライブ観戦者に配布しているPixMOB/ザイロバンドの導入もMORさんのアイデアです。


私は2013年8月9日のベストアルバム発売記念ライブを観に行きました。そのときにPAブース(演出・音響を制御するブース)の目の前にいたのですが、目の前に森徹也さんがいました。曲が始まる直前にリストバンド(PixMOBの1つ前の機種だと思いますが)のライトつけるようスタッフに指示していました。

また「恥ずかし島」(サブステージ)の導入もプロデューサーのアイデアです。恥ずかし島により曲の新しい一面が垣間見えるようになりました。

セットリスト決め

昔のセットリストはメンバー自身が全曲決めていましたが、いつのまにかスタッフやプロデューサーのアイデアの案も多く採用されるようになりました。興業イベントのプロとして有名曲をいれるなど、必要な意見なのかもしれません。

 

20周年記念ライブ「20」のときに「久しぶりに全部自分たちで決めた」と述べています。「ベル」や懐かしい曲をやってくれるなら、メンバー自身に決めてもらいたいですね(笑)

メンバーとプロデューサーの関係

BUMP OF CHICKENの活動において欠かせない存在となっているプロデューサー・MOR(森徹也)さん。

ベースのチャマさんは「スノースマイル」の録音時にベースをダメ出しされて録り直したエピソードを話していましたし、升さんはいくつかの楽曲でプロデューサーのアイデアのリズムを採用しています。上下関係ではないですが、メンバーからの信頼はとても厚いようです。

人形劇ギルド – GUILD66

映像作品「人形劇ギルド」(2006年)に登場する一番深い炭鉱のGUILD66。この66という数字は「プロデューサーが好きな数字」から付けました。ちなみにMORさんの車のカーナンバーも「66」だそうです。

66号線

COSMONAUTに収録されている「66号線」という曲はプロデューサーと藤原さんの関係を彷彿させる歌詞が書かれています。<あなたが聞けという横で僕はこれを書いてる>や<声をなくしたら僕じゃなくなる それでも好きだと言ってくれますか>という部分はスタジオの藤原さんとMORさんの二人の光景が想像されます。

藤原の衣装「33」

2013年から着用しているライブ衣装はメンバー各自デザインが異なります。さらにメンバーごとにいくつかの種類を持っているようですが、藤原さんのある衣装には「33」という数字が入っています。「66」と「33」は何か関係があるのでしょうか。ちなみに昔藤原さんのTwitt・・・けふんけふん、おっと誰かきたようだ。

MORロゴTシャツ

2001年の夏フェスで「MOR/66」のロゴが入ったシャツをメンバーは着ていました。「O」の中には十字がありますね。バンプの4つ星をつなると十字になりますが関連はあるのでしょうか。それにしてもプロデューサーの名前をTシャツにして着るなんて、本当に厚い信頼関係ですね。

「aurora ark」で藤原がMORをスクリーンに映す

2019年11月4日、「BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark」東京ドーム最終公演でメンバーがサブステージに移動する途中、藤原さんが通路脇にいたMOR氏の肩を組み、強引に巨大スクリーンに映すような仕草をしました。MOR氏は嫌がりながらも藤原さんが肩を外さなかったため、5万人の観客の目に止まりました。

まとめ

ここまでプロデューサー・MORさんについてまとめてみました。メジャーデビュー後の活動を影から支え、バンプを国民的バンドまでのし上げた名プロデューサーMORさん。もはや「BUMP OF CHICKENの5人目のメンバー」といえるくらい欠かせない存在になっています。

これからもバンプの4人とプロデューサーさんとでたくさんの名曲を生み出して欲しいです。以上、BUMP OF CHICKENのプロデューサー・MORさんに関する紹介でした。

 

2020年11月4日リリース予定 LIVE Blu-ray/DVD『BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark TOKYO DOME』

 



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