「ウェザーリポート」はBUMP OF CHICKENのアルバム「COSMONAUT」収録の楽曲です。
「ウェザーリポート(Weather Report)」は英語で「天気予報」を意味します。作詞作曲をした藤原基央さんは「浮かばれない気持ちの唄」であるといいます。
藤原さんはなぜ「浮かばれない気持ちの唄」と説明したのでしょうか。この記事ではBUMP OF CHICKEN「ウェザーリポート」の歌詞考察と制作エピソードを紹介します。
「ウェザーリポート」基本情報
アルバム『COSMONAUT』(2010年)
ウェザーリポート:基本情報作詞作曲:藤原基央
作曲時期:2009年9月
録音時期:2009〜2010年
録音場所:一口坂スタジオ
リリース:2010年12月15日 6th Album 『COSMOMAUT』
ライブ初披露:2011年12月05日 GOOD GLIDER TOUR at 渋谷AX
「ウェザーリポート」の意味
「ウェザーリポート(wheather report)」とは日本語で「天気予報」を意味する英語です。
BUMP OF CHICKENの楽曲で気象に関する曲名は「虹を待つ人」「なないろ」などがあります。
「R.I.P.」の制作中に書いた「ウェザーリポート」
「ウェザーリポート」は藤原基央さんによって2009年9月に東京都内にあるレコーディングスタジオで作曲されました。
藤原 – 俺はレコーディングブースでギター弾きがなら曲(「ウェザーリポート」)作ってて、升くんはミキシング・ルームで打ち込み作ってて。
出典:MUSICA vol.45
「R.I.P.」のプリプロ音源制作の翌日のことでした。藤原さんは「ウェザーリポート」をワンコーラス書き、その場にいたドラム・升秀夫さんに聴いてもらいます。
「ウェザーリポート」制作エピソード
升秀夫に「ウェザーリポート」のリズム構築を任せる
普段の新曲作りでは、藤原さんとプロデューサーがリズムを考えることが多いですが、「ウェザーリポート」では最初から升さんにリズムパターンを任せることにします。
藤原 – 別に最初から升くんに打ち込んでもらう曲があってもいいんじゃないかなぁって思ったんだよね。それで、俺が2番を書いている間に升くんに好きなように打ち込んでおいてもらって出来た曲です。
出典:MUSICA vol.45
「ウェザーリポート」ではBUMP OF CHICKENのドラマー・升秀夫さんの音楽性が純度100%で伝わる数少ない楽曲です。
BUMP OF CHICKENの楽曲で最速のベースライン
直井 – 実は、この曲ってベースを弾くスピードが今までで一番速いんだよね。
出典:MUSICA vol.45
「ウェザーリポート」のベースはBUMP OF CHICKENの楽曲でも最も速い楽曲です。BPM120は「カルマ」(BPM194)や「sailing day」(同170)よりも遅いですが、直井由文さんは16分音符でベースを弾いているため、実質BPM240で速弾きしています。
直井 – 最初はエモーショナルに弾けばいいかと思ったんだけど、それはやめてタイトに弾いているんですよ。音を止めて、ひとつひとつの音を繋げずに弾いていったんですけど。
「ウェザーリポート」の高速ベースラインは安定しており、直井さんのベースプレイの上手さを感じさせる曲です。
「ウェザーリポート」の歌詞の意味
浮かばれない気持ちの唄
最速のベースラインと心地よいアルペジオが響く疾走感たっぷりで明るい曲調と裏腹に、「ウェザーリポート」の歌詞は晴れ渡っていない心の描写を表しています。
藤原 – ・・・でも歌詞は全く浮かばれない気持ちを唄ってるんだよね。(中略) こういうじめじめしたことを考えてたのが自然と出たとしか言えない(笑)
出典:MUSICA vol.45
藤原さんは歌詞の主題を「”天気”というモチーフを使って表現したかった」と言います。「太陽」に出てくる《ドアノブ》のように「伝えたいこと」を分解(デフォルメ)して別のモチーフで表現する、藤原さんが得意とする作詞技法です。
「天体観測」《予報外れの雨》や「友達の唄」《雨の日なんて何度もある》に代表されるように《雨》は藤原さんの書く歌詞ではよく登場するモチーフです。
「ウェザーリポート」ライブ演奏記録
演奏回数 | 6回 |
演奏頻度 | ★☆☆☆☆ |
初披露 | 2011年12月05日「GOOD GLIDER TOUR」渋谷AX |
最終演奏 | 2012年1月30日「GOOD GLIDER TOUR」ZEPP TOKYO |
演奏ライブ | 2011-2012年「GOOD GLIDER TOUR」 |
「ウェザーリポート」はライブで6回演奏されています。2011年12月に開催されたライブハウスツアー 「GOOD GLIDER TOUR」で、SEを同期せず4人のバンドサウンドで演奏しています。
『COSMONAUT』のツアーにも関わらずセットリストから外れる
「GOOD GLIDER TOUR」のに続いて開催されたアリーナツアー「GOLD GLIDER TOUR」では演奏されることはなく、「ウェザーリポート」「透明飛行船」の代わりに「分別奮闘記」が演奏されました。
このため結果的に6回しか演奏されていないレアな曲となっています。ライブでノリやすい曲ですので、またいつかライブで演奏してくれるといいですね。
以上、BUMP OF CHICKENの「ウェザーリポート」についての歌詞考察と制作エピソードの紹介でした。升さんのドラムパターンに耳を傾けて、この曲を聴いて見るのもいいですね。