インディーズ期コラムメンバー全般・バンド活動

メンバー vol.3 – BUMP OF CHICKENのロゴの秘密

インディーズ期

BUMP OF CHICKENにはトレードマークとなるロゴ(エンブレム)があります。ワンマンライブではステージの中央後方に大きく掲げられている、ファンにはおなじみのこのマーク。一体どんなきっかけで生まれたのでしょうか?

 

今回はこのロゴ・エンブレムができた経緯とエピソードについて紹介します。



BUMP OF CHICKENのロゴ・エンブレム

BUMP OF CHICKENのロゴは盾型の中に「羽根」「赤い星」「BUMP OF CHICKEN」の3点で構成されたシンボルマークとなっています。

 

メンバー4人を表した「赤い星」とチキン(鶏)に由来する「羽根」の位置を見ると、まるで鶏のトサカと羽根になっているようにみめ明バンプオブチキン(本来の意味は「弱者の一撃」) =  ニワトリにもじったデザインとなっています。

初使用は1st Album『FLAME VEIN』

▼1998年10月 『BUMP OF CHICKEN』発売 ※ロゴなし

▼1998年12月 『FLAMEVEIN』制作

▼1999年3月   『FLAMEVEIN』発売 ※ロゴあり

 

BUMP OF CHICKENのロゴが初めて使用されたのは、1999年3月に発売したインディーズアルバム『FLAMEVEIN』からです。裏ジャケット、歌詞カード、帯に使用されました。

 

1st Album『FLAME VEIN』の裏ジャケット、帯、1ページ目 (1999年3月18日発売)
1998年10月にリリースした500枚限定自主音源『BOC-002 BUMP OF CHICKEN』にはまだロゴは描かれておらず、1998年10月〜1999年2月にロゴが制作されています。

 

1st CD『BUMP OF CHICKEN』(BOC-002) 1998年10月24日発売。まだロゴは使用されていない。

当時のロゴに関するエピソードをラジオ番組「PONTSUKA」で語っています。

藤原:「俺らあのマーク、凄い大事にしてるよね。エンブレムはいつくらいからって事ですけど」

増川:「これかなり古いんですよ」

升 :「FLAME VEINの時からってことかな」

藤原:「そうだね。FLAME VEINの時からだけど・・・その前の500枚限定ん時・・あったっけ?どうだった?」

升 :「あれは無かったと思う」

増川:「あれ無いわ!」

直井:「無い無い無い」

升 :「それを聞いて貰って・・・あの・・タイクーンさんて言う所に、ちょっと気に入って貰って。作ってあげるよってなって」

藤原:「そうだ、そうそう」

出典:「PONTSUKA!」 2009.06.14

 

 



ライブ用エンブレムは何枚ある?

2004年11月1日 MY PEGASUS at 神戸チキンジョージ公演。後方にはエンブレムが掲げられている。embedded from excite.jp

ロゴマーク完成以降、BUMP OF CHICKENの活動の随所で使われます。ワンマンライブでは大きな布に印刷されたエンブレムがドラムの升さん後方に掲げられています。1999年9月15日のHANSO-DE TOUR ’99 の映像(1st Clip「ビデオポキール収録」)で確認できます。

 

ライブハウス用のものから大規模アリーナ会場用まで複数サイズのエンブレムが制作されていることを2009年のラジオ番組にて話しています。

藤原:「あれ結構あるんじゃない?1枚だけ?」

直井:「1枚だけじゃないよね?」

升 :「大きいのと小さいのとか」

直井:「(高橋マネージャーに確認しながら)あぁ!じゃあ4,5枚あるってこと?」

増川:「その内1枚は、倉庫に掲げてるそうです」

直井:「タカチュー、粋なことしてるね。嬉しいね(笑)」

出典:「PONTSUKA!」 2009.06.14

 

所属事務所LONGFELLOWは専用倉庫を持っておりそこに保管しているようです。推測ですが倉庫は埼玉県内にあるはずです。

メンバーが知らないところでエンブレムを掲げている高橋浩章マネージャーの粋なはからいがいいですね。

タイクーングラフィックスによるデザイン

タイクーングラフィックス プロフィール1991年に設立された宮師雄一、鈴木直之の二人によるアートディレクション組織。音楽アーティストでは嵐、PUFFY、安室奈美恵、BUMP OF CHICKENなどのアートディレクション、ブランディングディレクションを手掛ける。

 

BUMP OF CHICKENのロゴマークは所属事務所LONGFELLOWを通じて知り合ったタイクーングラフィックス(Tycoon Graphics)によってデザインされました(後述)。

バンプオブチキンのエンブレムは日本を代表するデザイナー「タイクーングラフィックス(Tycoon Graphics)」によってデザインされました。

BUMP OF CHICKENのロゴ制作を引き受けたきっかけ

1992年にタイクーンに声を掛けたのがTOY’S FACTORYの社長・稲葉貢一氏です。90年代に所属アーティストのブランディングを依頼し、現在使用されているトイズファクトリーのロゴもデザインしています。

現在のトイズファクトリーのロゴ image embedded from Twitter@toysfactory

当時のBUMP OF CHICKENはレコード会社と未契約でしたが、TOY’S FACTORYの稲葉社長はSPACE SHOWER TVのN氏やヒップランドミュージックのK氏とコネクションがあったため、業界の「大人のつながり」によるものだと推測されます。



新曲「リボン」の歌詞に登場する赤い星

20周年イヤー最後にできた曲として2017年2月10日に生配信された「リボン」。その曲の一番最後に、ロゴマークを思わせる歌詞を唄っています。

 

嵐の中をどこまでも行くんだ
赤い星並べてどこまでも行くんだ

引用元:「リボン」(2017年)  BUMP OF CHICKEN

 

4人一人ひとりを星にたとえて、これからもどこまでも歩んでいこうとする詞。18年前に作られたこのロゴマークと一緒に、これからもBUMP OF CHICKENは進んでいくことを意味しています。次にライブでこのロゴを見るときは、こんなエピソードがあったんだということを考えると、一味違った見方ができるのではないでしょうか。

 

めも:トイズのマーク。無駄にダメ出し。3曲入りのテープしか作っていない状態。18歳。テープを聴いて「ぜひ作ってあげたい」と言われ原宿のおしゃれな事務所。2人ヌードの絵があり困惑。メンバーがイメージを伝えアイデアを出し、無駄にダメ出し。1回もお礼を言ってなかった。金とかなし、好意でやってもらった。90度横を起こした。