楽曲解説:アルエ vol.1 – “ハートに巻いた包帯”の意味 – *2/13 追記

1st Album「FLAMEVEIN」収録
作詞作曲:藤原基央作曲時期:1997年10月以前
レコーディング時期:1998年10月24日以前

アルエは1stアルバム「FLAMEVEIN」に収録されている曲です。BUMP OF CHICKENのインディーズ期を代表する曲で、疾走感溢れるサウンドと情景的な歌詞が聴く人の胸をつかんで離しません。地元千葉で高校生活を送っていた頃から東京のライブハウスで活動していた時代、そして現在までいくつものライブシーンで演奏されてたファンにはおなじみの曲です。

この曲はメンバーが高校生の時に夢中になっていたアニメ『エヴァンゲリオン』の登場人物「綾波レイ」をモチーフにした曲です。今回はアルエが生まれた時の背景や雰囲気について過去のインタビューを交えながら情報を紹介します。




作曲時期

メンバーが高校生の頃に書いた – 1997年頃?

FLAMEVEIN 作曲順DANNY (1995)

ガラスのブルース (1995~1996)

くだらない唄    (1996~1997)

アルエ / ナイフ  (1997)

リトルブレイバー  (1997~1998)

とっておきの唄   (1998)

ノーヒットノーラン (1998~1999)*筆者調べ

FLAMEVEINの曲についてはどのような順番で生まれたのか、実ははっきりしていません。しかし、過去のインタビューなどからおおよその作曲順を推定することができます。アルエについても、過去に発表したヒストリーブックの内容から『くだらない唄』より新しい曲であることがわかるがわかります。

藤原 “あと千葉アンガって小屋とか、本八幡のサードステージとかでもやらしてもらったり。 (中略)  そん時は英語のオリジナル曲と何曲かの日本語の曲をやってたんだけど。……”くだらない唄”があったかな。”アルエ”はギリギリなかったかも”

 -ヒストリーブック-

そしてアルエは1997年10月に発売されたデモテープ「BOC-001」の2曲目に収録されており、少なくとも1997年10月以前(メンバー17-18歳 / 高校2年生)には作曲されていたと推測されます。

BOC-001 [1997年10月発売]




作曲背景

遊び仲間の話題から生まれた

ギターの増川さんとドラムの升さんが高校2年生、藤原がフリーター、直井が調理師専門学校2年生だった頃に地元で遊んでいた時の話題の中の”ノリ”で作られました。藤原さんは高校を中退していましたが、1997年頃までは東京と千葉を行き来しており、まだ佐倉でも生活していました。

藤原  “自分たちの地元で遊ぶって言ったら、まず自転車に乗りますよね (笑) 自転車に乗って、どっかの本屋さんに行って、あとは公園にって喋るなりして、おもしろい漫画とかゲームとかアニメとかがあると、そのことだけをずっと喋ってるんです。その中から出てきた曲なんですよね。” -Bridge-

メンバーが自認する通り、佐倉市臼井周辺は何もなく住宅街とわずかな個人商店が並ぶのどかな町です。この穏やかな雰囲気の中で4人は育ってきました。

京成臼井駅前

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宮田公園

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そしてメンバーを含む遊び仲間たちでエヴァンゲリオンへの熱い気持ちを語り合っていました。その中でも作中のヒロイン「綾波レイ」への愛情(?)で盛り上がります。

藤原  – その時はすごいテンション上がったんですよ。『よし。じゃあ俺曲作るわ』『おっ、作れ作れ』みたいな(笑)

– 中略-

「綾波レイ」っていうより当時は「エヴァンゲリオン」で僕らは盛り上がって心を熱くさせてましたね。だから6年ぐらい前からその映画がまた始まったじゃないですか(『序』のこと)。映画館で当時の自分たちと同じぐらいの高校生が来てて。『どんなのかな?』みたいな話をしているわけです。そこで泣けたっていうか(笑)

こうして「アルエ」は生まれました。疾走感のある曲調、キャッチーなメロディは17歳の藤原さんの勢いがそのままに表れています。好きな漫画・アニメを語り合うというどこにでもある高校生の日常の中から、20年後もライブで演奏される曲を書いてしまう藤原さんの才能はすごいですね。

ハートに巻いた包帯 = 「怖」

ハートに巻いた包帯

もうすぐ全部ほどけるよ

がらないで素顔を見せてごらんよ

“ハートに巻いた包帯”とは「りっしん偏」+「布」(*立心偏は「心」の意)で「怖」という漢字を表しています。つまり「怖」の状態から安心した状態に戻るという心理的な変化を比喩しているんですね。これは藤原さんが考えたのか、それとも何か本で読んだのかはわかりませんが、当時17歳の高校生が考えたすると藤原さんの人とは違う独特の視点が伺い知れます。

またタイトルの「アルエ」は綾波レイのイニシャル「R.A」から取ったとされています。

藤原 “(歌詞について) 勝手だなあと思います(笑)。でもテーマとしては、こういうことを書いて、でもポップなものであるべきだっていうのを想ってたんですよ。だからそう言わなければ、気づかない人は気づかないと思いますね”

ライブ演奏記録

セットリスト

ライブではインディーズ時代より頻繁に演奏されている。位置付け的には「インディーズ枠」の代表としてランプより多く、ガラスのブルースよりも少ないという頻度である。ちなみにセットリストでのインディーズ枠のうちグロリアスレボリューションやくだらない唄は演奏確率が高かったものの、2006年以降ではほとんどアンコール演奏もしくは恥ずかし島演奏のみになってきており、アルエはインディーズ枠の中でも”勝ち組”の方である(他にはK、ランプなど)。またSE同期が必要ないため、アンコールでの演奏も多い。

ライブアレンジ

藤原のギターソロは年代別にアレンジがほどこされている。