楽曲解説:66号線 vol.1 – 作曲背景と歌詞解釈 *3/13更新

6th Album「COSMONAUT」 M-09
作詞作曲:藤原基央
作品発表:2010年12月15日
作曲時期:2008年11月〜12月
レコーディング場所:一口坂スタジオ

66号線は6枚目のアルバム「COSMONAUT」 に収録されているアルバム曲です。叙情的でどこか懐かしいメロディーと優しい歌詞が印象的な曲で、アルバム収録のみながらもファンの人気が高い曲です。このサイトの検索でも、66号線について知ろうと訪れる方が多いです。

この曲は一般的にはBUMP OF CHIKCENのプロデューサーMOR(森徹也さん)に贈られた曲と言われています。この記事ではそんな66号線の歌詞解釈、考察を紹介したいと思います。





作曲背景

3曲同時に出来上がった

2008年1月〜8月に「ホームシック衛星」と 「ホームシップ衛星」という2本の長いツアー開催、そしてROCK IN JAPAN 2008への出演を終え、夏以降はメンバーは各自の時間を過ごしていました。

その年の暮れ、ボーカル&ギターの藤原基央さんはHAPPYとセントエルモの火という2曲をほぼ同時並行で書きます。

藤原さんはその2曲をメンバーに聴かせるため、スタジオ予約するようスタッフにお願いしましたが、スタジオスケジュールが埋まっており、メンバーに披露するまで時間が空いてしまいます。そんな日々に「早く聴かせたい」と思っていながら66号線を書いたのです。

藤原 『HAPPY』と『セントエルモの火』どちらか忘れたんですけど、1曲できた時点でマネージャーに連絡したんです。「曲ができたからスタジオを取ってください」って。

そしたら、予約がいっぱいですぐには取れないという返事が来て。俺は勝手に明日スタジオに入れるみたいな気でいたので、早くスタジオに入りたいという気持ちを抱えたままさらにもう1曲作ったんですね。

それから、スタジオの予約は取れたんだけど、まだ1週間くらい時間があると。もう1曲書けるなと思って書いたのが『66号線』だったんです。

だから、「3曲一気に書いてスタジオに持っていってやれ!」という気持ちがあったわけではなく、流れのままに書けたというか

natalie インタビュー

メンバーが3曲同時に聴かせられたという意味では『HAPPY』、『セントエルモの火』、『66号線』が初めてでした。実は2002年9月にも、藤原さんは3曲同時に完成させています。(『ロストマン』、『スノースマイル』、『ホリデイ』)。

プロデューサーに向けた唄?それとも...

これはある親友に向けて歌った唄なんですけど、その親友に縁の深い数字が『66』だから – 藤原 – 

一般的に、これはプロデューサーのMOR(本名:森徹也)さんに向けて歌った曲とされています。

その根拠として、2006年にリリースされた映像作品『人形劇GUILD』の時のインタビューで、「ギルド66」という炭坑の名前について「66というのはプロデューサーが好きな数字」と藤原さん本人が発言しています。

あなたが聞けという横で僕はこれを書いてる – 『66号線』- 

この歌詞を読むと普段から藤原さんのすぐそばにいる人だとわかります。まるで自宅やレコーディングブースで藤原さんとMORさんが談笑している様子が目に浮かびます。

他の人という可能性も…

ただこの曲を書いた時期はレコーディングブースを手配していなかった時ですし、MORさん以外の誰かとのプライベートの瞬間を歌っている可能性もあります。実際ネット上では旧友のBURGER NUDS、ハックルベリーフィン、syrup 16gの五十嵐隆さんといった説もありました。

真相はもちろん作詞者の藤原さん以外知る由もないですが、私は(プロデューサー説が濃厚だと思ってますが)あえて別の説を提唱します。それは、佐倉の友人説、あるいは直井守さん説です。

直井さんの実家居酒屋おおいわには「ROUTE66」と書かれたアルミ製のプレートが玄関近くのデモテープ等が入ったケースに貼ってあるのをご存知でしょうか。おそらくこれはメンバーが若い頃に貼ったものだと考えられます。またBUMP OF CHICKEN初のオリジナル曲『デザートカントリー』についてメンバーが発言した時も、”アメリカのルート66をハーレーで走っているイメージ”と言及しており、『66』という数字はメンバー達にとって歴史が古い数字だということがわかります。このことから、もしかすると佐倉時代の友人やチャマパパこと直井守氏のことを指している…のかもしれません。

*飾ってあるプレート
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大切な人へ向けた唄

色々大事な人たちがいて、そういう人たちとのやり取りの中で自然に生まれて来た曲。凄い大事な友達がいて、俺、その人に何回も助けられて。その人が号泣した時があってさ。その人が泣くのをみたのはそれが2回目だったんですけど・・・そういうことがあったんですねって話です。これ以上は勘弁して(笑) – 藤原 – 

ライブハウス時代、観客に「黙れ」「うるせぇ」ときつい言葉を浴びせていた藤原さんが、こんなに優しさ溢れるインタビューをすると誰が思ったでしょうか。藤原さんだけでなく、この頃のメンバーはよく会議で泣き合ったりしていたといい、感情が豊か(?)になっていたようです。

30歳を越えて、こんな話が出来るのはきっと藤原さんの純粋さゆえなのかもしれないです。個人的には文字通り単身上京して”生きるのに必死”だった藤原さんの鋭さも好きですけどね。

レコーディング

テキーラで焼けた歌声の幻のテイク

藤原さんは歌入れの前日にテキーラを飲み、喉が焼けた状態で歌入れをしました。

藤原  テキーラの一気飲みをさせられたことがあって・・・まぁすぐに吐いちゃったんですけどね (笑) 

酒が弱い藤原さんがテキーラ一気飲み・・・

藤原 1回目はその翌日に歌入れしたんだけど、結局改めて歌い直しました。最初に歌ったテイクも全然これでいいかなっていうくらいのものではあるんですけど・・・・でもやっぱり気持ちの問題なんです。

解釈度が全然変わって。1回歌った上でもう1回歌ったから、よりよくその曲のことをわかった上で歌ったんだよね。

だから単純に喉の調子がどうこうではなく、違うテイクになっています。歌い直して本当に良かった

酒焼け声のブルージーなテイクもぜひ聴いてみたいものです。2012年に発売したシングル「firefly」に収録されている「ほんとのほんと」というのボーカルテイクはプリプロのテイクがそのまま本番レコーディングに使われたことがありました。藤原さんはプリプロ制作でも手を抜かず、その時々に全力を注いでいることがわかります。

ライブ演奏記録

演奏ツアーとライブ
GOOD GLIDER TOUR 2012 (2012年)
GOLD GLIDER TOUR 2012  (2012年)
・20周年記念ライブ 『20』 (2016年)

アルバムレコ発となった2012年GGTツアーではAパターンの曲(Bパターンは『HAPPY』)としてセットリスト入りされています。2016年のライブ『20』では4年ぶりの披露でした。

藤原さんはローズウッド指板のSONIC製ストラトキャスター、増川はGibson製レスポールで演奏しています。

原曲はレギュラーチューニングの2カポですが、ライブでは藤原・増川ともに半音下げチューニングの2カポになっています。ちなみに増川が2カポを付けるのは『ホリデイ』に続き『66号線』が2曲目になります。(のちに『smile』も含まれると計3曲)

Photo by Ben Fredericson (xjrlokix)




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