楽曲解説:66号線 vol.1 – 作曲背景と歌詞解釈 *3/13更新

66号線
作詞作曲:藤原基央
作曲時期:2008年11~12月
録音場所:一口坂スタジオ
リリース:2010年12月15日
ライブ初披露:2011年12月05日 GOOD GLIDER TOUR at SHIBUYA-AX
ライブ最終披露:2016年2月11日 Special Live 「20」 at 幕張メッセ

66号線はBUMP OF CHICKENの6枚目のアルバム「COSMONAUT」 に収録されているアルバム曲です。叙情的でどこか懐かしいメロディーと優しい歌詞が印象的な曲で、アルバム収録のみながらもファンの人気が高い曲です。

この曲は一般的にはBUMP OF CHIKCENのプロデューサーMOR(森徹也さん)に贈られた曲と言われています。この記事ではそんな66号線の歌詞解釈、考察を紹介したいと思います。



2008年末に書いた3曲のひとつ

2008年、ホームシック衛星と ホームシップ衛星、ROCK IN JAPAN 2008への出演を終え、BUMP OF CHICKENは夏以降それぞれの時間を過ごしていました。

2008年の終わりに、ボーカル&ギターの藤原基央さんは「HAPPY」と「セントエルモの火」という2曲をほぼ同時並行で書きます。

藤原さんはその2曲をメンバーに聴かせるため、スタジオ予約するようスタッフにお願いしましたが、スタジオスケジュールが埋まっており、メンバーに披露するまで時間が空いてしまいます。そんな日々に「早く聴かせたい」と思っていながら66号線を書いたのです。

藤原 – (スタジオの)予約がいっぱいですぐには取れないという返事が来て。(中略) それから、スタジオの予約は取れたんだけど、まだ1週間くらい時間があると。もう1曲書けるなと思って書いたのが『66号線』だったんです。

natalie インタビュー

メンバーがデモ音源を3曲同時に聴いたという意味では「HAPPY」、「セントエルモの火」、「66号線」が初めてでした。実は2002年9月にも、藤原さんは「ロストマン」「スノースマイル」「ホリデイ」の3曲同時に完成させています。



プロデューサーに向けた唄?それとも...

2001年8月3日 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2001にて「MOR」と「66」がプリントされたTシャツを着る藤原基央

藤原 – これはある親友に向けて歌った唄なんですけど、その親友に縁の深い数字が『66』だから。

「66号線」はプロデューサーのMOR(本名:森徹也)さんに向けて歌った曲とされています。

その根拠として、2006年にリリースされた映像作品『人形劇GUILD』に登場する炭鉱 “ギルド66 “がMOR氏に由来していると藤原さんが発言しています。

66号線 / 0:25~
あなたが聞けという横で僕はこれを書いてる

この歌詞を読むと普段から藤原さんのすぐそばにいる人だとわかります。まるで自宅やレコーディングブースで藤原さんとMORさんが談笑している様子が目に浮かびます。

他の人という可能性も…

ただこの曲を書いた時期はレコーディングブースを手配していなかった時ですし、MORさん以外の誰かとのプライベートの瞬間を歌っている可能性もあります。実際ネット上では旧友のBURGER NUDS、ハックルベリーフィン、syrup 16gの五十嵐隆さんといった説もありました。

真相はもちろん作詞者の藤原さん以外知る由もないですが、私は(プロデューサー説が濃厚だと思ってますが)あえて別の説を提唱します。それは、佐倉の友人説、あるいは直井守さん説です。

直井さんの実家居酒屋おおいわには「ROUTE66」と書かれたアルミ製のプレートが玄関近くのデモテープ等が入ったケースに貼ってあるのをご存知でしょうか。これはメンバーが若い頃に貼ったものであり、ファンが贈ったものではありません。

またBUMP OF CHICKEN初のオリジナル曲『デザートカントリー』についてメンバーが発言した時も、“アメリカのルート66をハーレーで走っているイメージ”と言及しており、『66』という数字はメンバー達にとって歴史が古い数字だということがわかります。このことから、もしかすると佐倉時代の友人やチャマパパこと直井守氏のことを指している…のかもしれません。

*飾ってあるプレート
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大切な人へ向けた唄

藤原 – 色々大事な人たちがいて、そういう人たちとのやり取りの中で自然に生まれて来た曲。凄い大事な友達がいて、俺、その人に何回も助けられて。その人が号泣した時があってさ。その人が泣くのをみたのはそれが2回目だったんですけど・・・そういうことがあったんですねって話です。これ以上は勘弁して(笑) 

ライブハウス時代、観客に「黙れ」「うるせぇ」きつい言葉を浴びせていた藤原さんが、こんなに優しさ溢れるインタビューをすると誰が思ったでしょうか。藤原さんだけでなく、この頃のメンバーはよく会議で泣き合ったりしていたといい、感情が豊か(?)になっていたようです。

30歳を越えて、こんな話が出来るのはきっと藤原さんの純粋さゆえなのかもしれないです。個人的には文字通り単身上京して”生きるのに必死”だった藤原さんの鋭さも好きですけどね。

レコーディングエピソード

テキーラで焼けた歌声の幻のテイク

藤原さんは歌入れの前日にテキーラを飲み、喉が焼けた状態で歌入れをしました。

藤原 – テキーラの一気飲みをさせられたことがあって・・・まぁすぐに吐いちゃったんですけどね (笑) 

お酒が弱い藤原さんがテキーラ一気飲み・・・

藤原 – 1回目はその翌日に歌入れしたんだけど、結局改めて歌い直しました。最初に歌ったテイクも全然これでいいかなっていうくらいのものではあるんですけど・・・・でもやっぱり気持ちの問題なんです。

解釈度が全然変わって。1回歌った上でもう1回歌ったから、よりよくその曲のことをわかった上で歌ったんだよね。

だから単純に喉の調子がどうこうではなく、違うテイクになっています。歌い直して本当に良かった

酒焼け声のブルージーなテイクもぜひ聴いてみたいものです。2012年に発売したシングル「firefly」に収録されている「ほんとのほんと」というのボーカルテイクはプリプロのテイクがそのまま本番レコーディングに使われたことがありました。藤原さんはプリプロ制作でも手を抜かず、全力を注いでいることがわかります。

ライブ演奏記録

演奏ツアーとライブ
GOOD GLIDER TOUR 2012 (2012年)
GOLD GLIDER TOUR 2012  (2012年)
・20周年記念ライブ 『20』 (2016年)

『COSMONAUT』のレコ発となった2012年GOOD GLIDER TOUR / GOLD GLIDER TOURではAパターンの曲(Bパターンは「HAPPY」)として演奏されました。2016年のSpecial Live『20』では4年ぶりに披露されました。

2012年、2016年ともに藤原さんはローズウッド指板のSONIC製ストラトキャスター、増川はGibson製レスポールで演奏しています。ライブの様子はBlu-ray/DVD映像作品「20」で確認することができます。

結成20周年記念Special Live 「20」

原曲はレギュラーチューニングの2カポですが、ライブでは藤原・増川ともに半音下げチューニングの2カポになっています。ちなみに増川さんが2カポを付けるのは『ホリデイ』に続き『66号線』が2曲目でした(のちに『smile』も含まれると計3曲)。

Photo by Ben Fredericson (xjrlokix)