楽曲解説:sailing day vol.1 – 運命に抵抗したってしょうがない – 解釈

6th 「ロストマン / sailing day」2003年3月12日発売
作詞:作曲 藤原基央
作曲時期:2002年9月以降

sailing day は通算6枚目のシングル曲(初の両A面シングル)「ロストマン / sailing day」に収録されてる楽曲です。この曲は人気アニメ映画「ワンピース – デッドエンドの冒険- (2003年)」の主題歌として起用された、BUMP OF CHICKEN初のタイアップ曲です。

爽快なギターと駆け走る8ビートのアッパーなロックチューンは、ユグドラシル期の中でも疾走感を感じさせる曲です。今回はこの曲の解釈、解説、考察について紹介します。




PV

場所は千葉県の幕張メッセの駐車場で撮影されました。PVの終わりの部分でメンバーが楽器を豪快に放り投げて走っていくシーンがあります。この時増川さんはバスドラムに蹴りを入れており、それを見た升さんは「おい、やりすぎだろ(笑)」と叱ったそうです(笑)升さんの私物なんでしょうかね。

実はよーく見ると女子高生のパンツが見えたり見えなかったり・・・。

ロストマンの反動でささっと書いた

ボーカル・ギターの藤原基央さんは、両A面として一緒に収録されているロストマンの作詞に9ヶ月かかりました。2002年9月にロストマンを書き上げた後、その勢いのまま、同じ月にスノースマイル、ホリデイを作曲します。sailing dayはその2曲の後に、ロストマンの反動からガーッと勢いで書かれました。

これはね、書くのが早かったんですよ。”ロストマン”の後だったから、その反動もあったのかもしれないです。その反動でバンド感がある雰囲気のものを作りたかったんじゃないですかね。でも、パワーコードでガンガンいけるようなものでないのがいいって、イントロを作ってた記憶があります。- 藤原 – 

ロストマンの作曲では、藤原さんはシーケンサーを使ってサウンドのアンサンブルをひとつずつ構築していくほど詳細に作りました。その反動でギターを掻きむしるような曲を書こうとしていたんですね。

バンプオブチキンとパワーコード

藤原さんが述べている「パワーコード」とはギターの奏法のことで、基本的に2〜3本の弦を押さえて歪ませた音で弾く簡単な奏法です。構成音がシンプルなので、初心者でも簡単に弾くことができます。初期のバンプオブチキンの楽曲はほとんどパワーコードを使用して弾かれています。

パワーコードの反対が「ローコード」になります。ギターのヘッド側(先端側)のフレットで1〜6弦の複数の弦を複雑な運指で弾く奏法で、和音豊かなサウンドになり、弦1本の押さえる位置を変えるだけで印象が変わる繊細な奏法です。

基本的にTHE LIVING DEADまでパワーコードが多用され、jupiterからローコードの割合が増えていった、と考えてもらって構いません。(もちろん楽曲によっても、藤原さんと増川さんのパートでも違うので一概には言えません)

ワンピースとのタイアップについて

初のタイアップソングとして、藤原さんは曲に対する先入観を持たれることに不安を持ちました。

まぁ曲調も手伝ったりとか、タイアップどうのこうのとかで軽視されてるかもしれないという感覚はありましたね。タイアップ云々よりも前に、すげぇバンドと向き合いましたね。 – 藤原 – 

メジャーデビューの時も、メリットデメリットやその意味について何度も自問自答した藤原さんは、やはりタイアップするという初めての試みに対してかなりの警戒心を持っていたことが伺えます。現在ではゲームやドラマ、実写映画、CMなど様々なタイアップが続くバンプオブチキンですが、当初はこんな葛藤があったのですね。

運命に抵抗したってしょうがない

藤原さんはサビで<運命に抵抗>と歌っていますが、その一方で運命に抵抗したってしょうがないと語っているのが興味深いです。

運命に抵抗したってしょうがないんですよ。どうしようもないんですよ。そういう俺が「sailing day」で運命に抵抗って歌詞を書いてるんですよ。だって、そのほうが楽しいじゃないですか。あがきましょうよ – 藤原 – 

ホリデイの歌詞にも似たようなニュアンスが出てきますね。

失敗しない後悔しない人生がいいな

少し考えてみただけさ有り得ないってわかってる

理想、夢想。現実世界じゃ出来るはずないことだと分かっていながらも、そう歌おうとする藤原さんのポジティブな精神性が読み取れます。以前何かのインタビューで「1曲も悲しい歌は書いたことがない」「全て希望の唄」といった主旨の発言をしていたことを思い出します。

やっぱり暗い人間なんですよね。ちゃんと自分が地味なやつなんだということが出ている歌詞だと思います(笑) – 藤原 –

小ネタ

3ヶ月期間限定シングル


「sailing day / ロストマン」として期間限定のCDも発売されました(隠しトラックは両版共に「おもち」で同じ曲です)。ワンピースのロゴが中央にかかっていてかっこいいですね。

通常盤:蜷川実花さんとの初コラボ


こちらは通常盤のシングル「ロストマン / sailing day」のジャケット写真は、ベースの直井由文さんの写真の師である蜷川実花さんが撮影しました。蜷川さんとはその後もメンバーのアーティスト写真やsmileの映像作品などでコラボしていくことになります。撮影場所は藤原さんの当時の自宅だったという噂がありますが・・・どうなんでしょうね。高層マンションであること、9ヶ月自宅で歌詞を書いたということを考えるとあながち嘘ではないと思います。

以上、簡単にsailing dayの解説、解釈を紹介しました。この曲を聴く時にこんなエピソードがあったと思い出してもらえれば、新しい曲の顔が見えてくると思います。




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