楽曲解説:天体観測 vol.1 藤原基央の主観と客観 歌詞解釈と意味 *3/14更新

天体観測:基本情報作詞作曲:藤原基央
作曲時期:2000年3〜8月
作詞時期:2000年8月〜12月
録音時期:2000年11月〜2001年1月
リリース:2001年3月14日

天体観測」はBUMP OF CHICKEN 通算3枚目のシングル曲です。同曲はノンタイアップにも関わらずオリコン3位、58万枚を売り上げたバンド最大のヒット曲です。

藤原基央さんが書く叙情的な詞と歌声、重厚なバンドサウンドときめ細かいアレンジが聴く人の心を掴みました。今回は天体観測の解釈、解説について紹介します。



先に決めていたオケとメロディに後から歌詞をつける形で生まれた

2000年1月 『THE LIVING DEAD』制作
1月〜春 「ラフメイカー」完成
  「天体観測」のコード進行とメロディー完成
7月より前 「ダイヤモンド」完成
11~12月 箱根に行き「Title of mine」+1曲を書く
  「天体観測」を書く

「ダイヤモンド」よりも前にあったオケとメロディ

「ダイヤモンド」2000年9月20日リリース

「天体観測」のメロディとコード進行は「ダイヤモンド」より前に作られていました。

藤原 – ”天体観測”はね、実は”ダイヤモンド”よりも前に、オケと曲はできてたんだよね。ほとんどね。

オケから作る行為はインディーズ時代に用いられた作曲方法です。

「曲の求める形が〜」と考える昨今の藤原さんではあまり考えられないですが、当時はこのような作り方をしていました。

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仮タイトルは「どっこいしょ」

「天体観測」販売促進用テープ

藤原 – 「THE LIVING DEAD」(2000年3月) が出来上がって、”ラフメイカー”ができて、で“天体観測”ってタイトルじゃなかったけど出来上がって。でも詞は書けなくて。で、”ダイヤモンド”ができたという。 

「天体観測」という曲名が決まるまで「どっこいしょ(仮)」というタイトルが付けられていました。

どっこいしょPVクリップ集 『jupiter』の特典映像(「ダイヤモンド」撮影の休憩中)に「どっこいしょ」を歌う藤原さんの様子が映っている。



「自分のことを歌いたい」と思った藤原

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「ダイヤモンド」を先に完成させた藤原さん。次の曲は久しぶりに自分自身のことを歌いたいと思うようになりました。

藤原 – 久しぶりに俺のことを歌いてえなっって思って。俺がどうだ、僕がどうだっていう歌を書きたくって。 

主観の「Title of mine」と客観の「天体観測」

最初に出来たのは「Title of mine」という別の曲でした。主観的に吐露する形で書いた「Title of mine」は自身にとって内容が重く、歌うことができないほどだったといいます。

箱根では別の2曲を書き、東京へ戻ります。「Title of mine」とは逆に客観的に書くという意識を持って作詞を進めて書いたのが「天体観測」になりました。

藤原 – 「なんだ、これやればもっとみんなに伝わるじゃん!」みたいな感じ。そういう風になれてから書いたのが”天体観測”で。



藤原基央の哲学を込めた「天体観測」

藤原さんは「天体観測」の歌詞の中に自分の哲学を込めました。

藤原 – もう全部全部全部。日常も全部含まれてるし、それから過去も未来も現在も、あと「人とは」とかそういうものとか、いろんな哲学とか、俺なりの。お前は俺は、全部含まれてて。

この曲は<宛名のない手紙>や<予報外れの雨>といった何かを暗示させる名詞が多く登場します。

それは現在の藤原さんの書く「君」や「僕」、「痛み」、「思い」といった抽象的なものではなく、物質的なイメージのため聴き手それぞれが意味を推測することで、自分なりの解釈ができる曲になっています。

私個人としては、今の歌詞よりこの頃歌詞の方が文学的で好きです。特に「宛名のない手紙」という表現が色々な解釈ができるので含意に富んでいると思います。

沢山の音を重ねたレコーディング

重厚にミックスさせたギターサウンド

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「天体観測」は何本ものエレキギターを重ねて制作されました。特にサビでは歪んだ音で鳴らしたギターを重厚にミックスさせた音が特徴的です。

テクノサウンドを意識したベースライン

ベーシストのCHAMAさんは派手に動き回るベースラインをつけています。

直井 – 俺が『天体観測』で表現したかったのはテクノだし、『Stage of the ground』で表現したかったのはジャズっていうね(笑)

自由奔放に音楽をしていた時代のベースラインは本当にメロディアスで主張が激しいです。私はこの時代のベースラインが好きだったりもします。

藤原基央と天体観測

藤原さんは幼少期に本の付録で天体観測をしようとしていました。

藤原 – 俺は学研のちっちゃい紙とかで筒とか作るやつで、一生懸命月を見ようとしてたしね。で絶対ね、みんなね、ほとんどの人はね、こう、望遠鏡買いたいなって思う時期があったりさ 

PV

「天体観測」を聴くときに、こんなエピソードがあったのだと思い出してもらえれば、きっと新しい曲の見え方が出てくると思います。以上、簡単に紹介しました。