「サザンクロス」はBUMP OF CHICKENの7枚目のアルバム「RAY」収録曲です。
「サザンクロス」の意味は「南十字星」を意味し、藤原基央さんが直前に書いた「三ツ星カルテット」「友達の唄」の主題に近い形で作曲されました。
藤原さんはなぜ「サザンクロス」というタイトルをつけたのか、歌詞の意味や制作エピソードについて解説します。
「サザンクロス」基本情報

アルバム「RAY」
| 作詞/作曲 | 藤原基央 |
| 作曲時期 | 2010年12月28日 |
| リリース | 2014年3月12日 |
| 収録作品 | アルバム「RAY」 |
| ライブ初披露 | 2014年4月05日「WILLPOLIS 2014」幕張メッセ公演 |
「サザンクロス」の意味

南十字星(みなみじゅうじせい)または英語での通称サザンクロス(Southern Cross)としても知られる。現在、天の南極には南極星に当たる目立った星がないため、大航海時代以来おもにみなみじゅうじ座が天の南極を測るために使われた
サザンクロスとは英語で南十字星を意味します。南十字星は大昔の航海術で方角を知る恒星として目印にされてきた星です。
それではなぜ藤原基央さんは「サザンクロス」というタイトルを付けたのでしょうか。
「サザンクロス」作曲エピソード
2010年12月28日、ボーカル&ギター藤原基央さんは「サザンクロス」を作曲します。一体どんな状況で描かれた楽曲なのでしょうか。
「COSMONAUT」リリース直後に書いた曲
2010年12月、BUMP OF CHICKENは6枚目のアルバム「COSMONAUT」をリリースします。
2010年「COSMONAUT」のプロモーションポスター。この写真の時期「サザンクロス」は作曲された。
プロモーション活動としてラジオ番組や雑誌取材を受けながら、「友達の唄」の制作活動を行います。同時にゲーム「FINAL FANTSY 零式」主題歌として新曲を書く必要がありました。
12月28日、藤原さんは「今年のうちに1曲書いておきたい」という気持ちの中で新曲を書き、「サザンクロス」が生まれます。
「サザンクロス」歌詞の意味
直前に書いた「友達の唄」に近い主題
- アルバム「COSMONAUT」
- シングル「友達の唄」
藤原さんは「サザンクロス」の歌詞の意味について、「友達の唄」「三ツ星カルテット」で書ききれなかった想いが、心の内側から湧き出てきていたといいます。
藤原 – もうね、これは12月28日の俺に訊かなきゃわからないことですね。でもすっと出てきたよ。“友達の唄”とかに近いですよね。(中略)まぁ不安だったり、でも勇気を出そうとしていたり、そういう感じなんでしょうね。
musica vol.84
「友達の唄」は1つ前、「三ツ星カルテット」は2つ前に書かれた楽曲です。どちらもBUMP OF CHICKENのメンバーとの関係性がひとつの要素として描かれています。
北極星でなく南十字星を選んだ理由

南十字星は日本では東京都小笠原諸島以南でしか観測できず、基本的に南半球で見ることができます。日本が位置する北半球には北極星という同じ役割(目印)を果たす恒星があります。
なぜ「北極星」ではなく「サザンクロス」をタイトルにしたのか、それは北極星が一つの恒星に対して、南十字星(みなみじゅうじ座)は4つの恒星から成り立っているからです。
「4つの星」はBUMP OF CHICKENのエンブレムでも使われている藤原さんにとって大事なモチーフです。
さらに「サザンクロス」の2つ前には「三ツ星カルテット」を書いています。自分を星になぞらえて他の3人を三ツ星に喩えたタイトルです。
この様に「目印になる星」であり「4つの恒星」というモチーフを使うべく、北極星でなく、南十字星をタイトルにつけたと考えられます。
「サザンクロス」制作エピソード
一口坂スタジオでの最後の制作
2011年、「サザンクロス」のレコーディングは一口坂スタジオにて行われます。

「サザンクロス」のレコーディングが行われた一口坂スタジオ(東京都千代田区)
一口坂スタジオとBUMP OF CHICKENの関係は「jupiter」後半に始まり、「ユグドラシル」「orbital period」「COSMONAUT」のほとんどの音源が録音された場所です。
2012年1月に閉鎖となったため、BUMP OF CHICKENの一口坂スタジオでのレコーディングとしては「サザンクロス」が最後のバンド楽曲です。
「COSMONAUT」から「RAY」の移行期

「サザンクロス」のリズムパターンは「COSMONAUT」期から「RAY」期の特徴へと変化する、音楽的移行期の楽曲だとインタビューで語っています。
藤原 -リズムで仕掛けを作って表現していってますね。だけど、2拍目、4拍目のアクセントで聴かせていこうっていう気持ちも少し出始めてる。流行が移り変わる狭間にいる楽曲っていうか。
引用元「MUSICA」 vol.84
直井 – 「サザンクロス」は、その流れ(2拍目と4拍目を鳴らす)と『COSMONAUT』がミックスした曲なのかな。たぶん一番如実に出ているのは、2番のAメロ。
前作「COSMONAUT」ではトリッキーなリズムパターンが特徴でした。それに対して「RAY」期では2拍目、4拍目にアクセントを置くリズムが主流となり、「firefly」などでも意識されています。
「セントエルモの火」を深化させたベースライン
Embedded image from Twitter@boc_chama
ベーシスト・直井由文さんは〈ベースとギターが会話する〉というイメージでAメロのベースラインを考えます。これは「セントエルモの火」のアプローチをさらに深化させたものだといいます。
直井のベースに合わせて生まれた間奏
Embedded image from Twitter@boc_chama
「サザンクロス」の間奏、アウトロでダブルチョーキング奏法でギュイーンという音が入っており、藤原さんが直井さんのベースフレーズから着想を得たと語っています。
藤原 – あそこはベースを聴いてから作ったフレーズだったんで、ベースありきだったよね。
引用元「MUSICA」 vol.84
BUMP OF CHICKENのサウンドメーカーである藤原さんが直井さんにフレーズを”発注”(本人談)することはありますが、直井さんのフレーズから藤原さんが着想を得たと語られるのは珍しいです。
元になった直井さんのベースは、グリッサンドという奏法でハイフレット(指板の高い位置)に素早くスライドさせるフレーズです。
直井 – 毎回同じタイミングでちゃんと上がらないと、リズムに置いてかれてしまう。だからすっごく難しいんですけど。
ハイフレットへ上がる手法は「morning glow」のイントロと同じですが「morning glow」は色気を意識したのに対し「サザンクロス」は無機質なグルーブを意識したと語っています。
Fender Jaguarを使用
Aメロで流れる繊細なアルペジオの音色はフェンダー製ジャガーを使用してレコーディングしました。レコーディングで演奏しているのは藤原さんです。
Fender Custom Shop Jaguar 1962を持つ増川さん
早速リハなう〜🚧
写真は昨夜の増川さん📸 pic.twitter.com/Ai4vu019MQ— CHAMA (@boc_chama) 2017年2月11日
「サザンクロス」ライブ演奏記録
| 演奏回数 | 33回 |
| 演奏頻度 | ★★☆☆☆ |
| 初披露 | 2014年4月5日「WILLPOLIS 2014」幕張メッセ |
| 最終演奏 | 2021年11月14日「BUMP OF CHICKEN Studio Live Silver Jubilee」 |
| 演奏ツアー | 2014年「WILLPOLIS 2014」※全公演演奏 2014年「BUMP OF CHICKEN Live at Studio Coast」 2014年「BUMP OF CHICKEN Live at Taiwan」 2021年「BUMP OF CHICKEN Studio Live Silver Jubilee」 2023年「BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 “be there”」 |
「サザンクロス」はアルバム「RAY」のレコ発ツアーとなる「BUMP OF CHICKEN TOUR “WILLPOLIS 2014″」全公演で演奏されています。
その後、2021年11月の無観客配信ライブ「BUMP OF CHICKEN Studio Live Silver Jubilee」、2023年「BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 “be there”」で演奏されています。
「サザンクロス」ライブ使用機材

Fender Jaguar
「サザンクロス」のライブでは、ギタリスト・増川弘明さんはFender Custom Shop製Jagaurを弾いています。2014年、2021年、2024年すべてのライブで同機材を使用しています。
「サザンクロス」ライブ映像
| 映像作品「BUMP OF CHICKEN WILLPOLIS 2014」 2014年7月31日東京ドーム公演収録 |
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| 映像作品「BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there at SAITAMA SUPER ARENA」 2023年5月27日さいたまスーパーアリーナ DAY1公演収録 |
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以上、BUMP OF CHICKENの「サザンクロス」についての紹介でした。









