「Aurora」はBUMP OF CHICKENが2019年にリリースした楽曲です。
「Aurora」はTBS系ドラマ「グッドワイフ」主題歌として、ボーカル・ギター藤原基央さんによって書き下ろされました。
藤原さんが「Aurora」の歌詞に込めた想いとは何か、どのように「Aurora」が制作されたのか、この記事では歌詞の意味や制作エピソードを解説します。
「Aurora」基本情報
- 配信シングル「Aurora」
- アルバム「aurora arc」
| 作詞・作曲 | 藤原基央 |
| 作曲時期 | 2018年秋 |
| 録音時期 | 2018年冬 |
| リリース |
2019年3月15日 配信シングル「Aurora」 |
| 2019年7月11日 アルバム「aurora arc」 |
|
| ライブ初披露 | 2019年7月12日 BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 “aurora ark” at 埼玉メットライフドーム |
「Aurora」作曲エピソード
「Aurora」は2018年秋に藤原基央さんによって作曲されました。この時期は藤原さんにとってどんなタイミングだったのでしょうか。
2018年秋に書かれた「Aurora」
2018年の夏、BUMP OF CHICKENは「望遠のマーチ」をリリースし、「話がしたいよ」のレコーディングを行います。ちょうどこの頃にTBSからドラマ「グッドワイフ」主題歌のオファーが届きました。

藤原基央は「話がしたいよ」MVイメージ
同年秋、BUMP OF CHICKENは「話がしたいよ」MV撮影、トリプルA面シングル『話がしたいよ/シリウス/Spica』のリリースし、「新世界」レコーディングを行います。
丁度この頃、藤原基央さんは”ドラマのストーリーと〈BUMP OF CHICKEN〉の重なる領域” をテーマに設定して「Aurora」を書き上げます。
タイアップ作品のために書き下ろした「Aurora」

TBS系ドラマ「グッドワイフ」(画像引用元:amazon.jp)
| 番組名 | 日曜劇場「グッドワイフ」 |
| 制作 | TBS |
| 放送期間 | 2019年1月13日〜3月17日 |
| 主題歌 | BUMP OF CHICKEN「Aurora」 |
| 出演 | 常盤貴子、滝藤賢一、北村匠海 他 |
タイアップ曲を書く際、藤原さんは「タイアップ作品」と「BUMP OF CHICKEN」の重なる領域をテーマに設定して曲を書きます。

藤原基央がタイアップ曲を書き下ろす際のテーマ設定
2011年にリリースした「ゼロ」以降(PSゲーム『ファイナルファンタジー零式』主題歌)、藤原基央さんはタイアップの書き下ろし作曲についてこの説明を繰り返しています。「Aurora」は「アリア」に続いてのTBS系ドラマのタイアップとなりました。
BUMP OF CHICKENとドラマタイアップ一覧
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「firefly」 フジテレビ系「息もできない夏」(2012年) |
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「アリア」 TBS系「仰げば尊し」(2016年) |
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「Aurora」 TBS系「グッドワイフ」(2019年) |
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「なないろ」 NHK「おかえりモネ」(2021年) |
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「strawberry」 TBS系「西園寺さんは家事をしない」(2024年) |
aurora arc期に出現した3カポの曲

ギターの3フレットにカポタストを装着する藤原基央(画像引用元:YouTube「Aurora」)
「Aurora」は 当時のBUMP OF CHICKENになかった新しいキー(調)の楽曲のひとつです。藤原さんはギターの3フレットにカポタスト(キーを調節する器具)を装着し(これを通常”3カポ”と呼びます)、作曲しています。
藤原基央さんが2018年に書いた4曲はどれも〈レギュラーチューニング〉×〈3カポ〉の組み合わせで弾かれています。「Aurora」も同じ流れで作曲された楽曲のひとつといえます。
| 曲名 | 作曲年 | キー | チューニング | カポタスト |
| 「話がしたいよ」 | 2018年 | A# | レギュラー | 3フレット |
| 「新世界」 | 2018年 | F | レギュラー | 3フレット |
| 「月虹」 | 2018年 | F | レギュラー | 3フレット |
| 「Aurora」 | 2018年 | A# | レギュラー | 3フレット |
音楽理論的に言えば、「Aurora」は藤原基央さんが新しい作曲モードに入ったタイミングのひとつの楽曲と位置付けることができます。
「Aurora」歌詞の意味

アルバム「aurora arc」のジャケットを前にするBUMP OF CHICKENの4人(画像埋込元:homnis様)
「Aurora」の歌詞にはオーロラという言葉は一切登場しません。藤原基央さんは歌詞を書き上げ、最後に「Aurora」という曲名をつけました。
藤原さんは辞書で調べ、オーロラの語源がローマ神話に登場する曙の女神「アウローラ(Aurōra)」であることが書いてあり、多義的な解釈ができる言葉の響きに興味を持ったといいます。
曲づくりのことを考えながら書いた曲
藤原さんは「Aurora」の歌詞を書く際、“曲作り”について考えていたといいます。確かに「Aurora」のサビの歌詞には曲作りを連想させる一節があります。
ため息にもなれなかった
名前さえ持たない思いが
心の一番奥の方 爪を立てて
堪えていたんだ引用元:「Aurora」(2019年)/藤原基央
触れて確かめられたら
形と音がわかるよ
伝えたい言葉はいつだって
そうやって見つけてきた
引用元:「Aurora」(2019年)/藤原基央
「ため息」は心の澱(おり)の吐露を表現するモチーフと考えられ、「Aurora」の一節では「ため息」にすらなれない感情や思いが楽曲へ昇華される過程を謳っていると読み取ることができます。
BUMP OF CHICKENの楽曲の歌詞には「ため息」という表現が多く登場しています。
| 収録作品 | 曲名/ リリース年/ “ため息”が使われる歌詞 |
「jupiter」 |
「ベル」(2002年) 疲れた心を毛布で隠して ため息でなぞる今日の事 |
「涙のふるさと」 |
「真っ赤な空を見ただろうか」 (2006年) ため息の訳を訊いていても |
「Butterflies」 |
「Butterfly」(2016年) ため息 胸に手を当てさせたのは 誰だろう |
| 「流星群」(2016年) どちらかため息を隠した |
|
「aurora arc」 |
「アリア」(2016年) あの日のささいなため息は ざわめきの飲まれ迷子になったよ |
| 「記念撮影」(2018年) ため息のことばかり ねぇきっと迷子のままで大丈夫 |
|
| 「Aurora」(2019年) ため息にもなれなかった 名前のない思いが |
|
「Iris」 |
「Small world」(2022年) 秘密のため息は 夕日に預けて沈めて隠していた事 |
| 「窓の中から」(2023年) カーテンの内側限定のため息 |
「ため息」は藤原さんにとって一つの大きなモチーフだということがわかります。また、〈曲づくり〉というテーマでは、藤原さんは以前に「white note」を書いたことがあります。
「aurora arc」との関係性

アルバム「aurora arc」
シングルの「Auorora」とBUMP OF CHICKENのアルバム「aurora arc」はタイトルが近似しています。これは新作アルバムのタイトルを聞かれたタイミングが「Auorora」作曲後であったこと、モチーフとしてのインスピレーションがあったためだと言います。
藤原 – 深層心理では『オーロラにまつわる何かがタイトルになるんだろうな』って漠然とは考えていたんだと思うんですよ。なんでオーロラだったのかはわからないんですけど……。
引用:CUT 2019年7月号 p.20
「Aurora」制作エピソード

2018年12月、BUMP OF CHICKENは「Aurora」のレコーディングをします。
ベーシスト・直井由文さんのInstagram公式アカウントには、2019年4月にレコーディング風景の写真を掲載しています。前述の制作時期とは異なりますが、「Aurora」のギターの特徴であるフレットラップを着装していることから、同曲の制作風景を後日投稿したものと考えられます。
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上記写真が「Aurora」レコーディングセッションである場合、同曲のレコーディングにはFender Stratocaster (Sunburst)を使用していることがわかります。
フレットラップの使用

ネックに巻きつけるフレットラップ(画像引用元:amazon.jp)
「Aurora」はライブ演奏の際にギタリスト・増川弘明さんがフレットラップを装着していることから、レコーディングでも同様の器具を用いて演奏されたと考えられます。
フレットラップとはギターのネック、指板に巻きつけることでノイズを軽減したり開放弦の音の減衰を高める役割を果たすギター・アクセサリーです。
「Aurora」のイントロのギターの細かい音をキレイに表現する際に使われていると考えられます。
新しいキーへの対応
前述の通り、それまでのBUMP OF CHICKENの楽曲は99%が半音下げチューニングで弾き、基本的にギターにカポタスト(キーを調節したり、音階を変更する器具)を装着しない楽曲中心でした。
その中で「Aurora」を含むaurora arc期の楽曲は3カポや全く新しいキーを使用します。ギターやベースの指の押さえる位置などがガラリと変わるため、BUMP OF CHICKENの制作史においてひとつのターニングポイントとなった時期と言えます。
「Aurora」MV
| 監督 | 林響太郎 |
| 撮影日 | 2019年2月17日 |
| ロケ地 | 静岡県浜松市中田島砂丘 |
「Aurora」のMVのロケ地は静岡県浜松市中田島砂丘です。2019年2月17日の夜に、クレーン2台とスタッフ・演者30名以上によって大掛かりに撮影されました。
「Aurora」ライブ演奏記録
| 演奏回数 | 38回 |
| 初披露 | 「Silver Jubilee at Makuhari Messe」幕張メッセ |
| 演奏ツアー | 2019年「BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark」 2022年「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe」 2022年「BUMP OF CHICKEN TOUR 2022 Silver Jubilee」 2024年「BUMP OF CHICKEN TOUR 2024 Sphery Rendezvouz」 |
「Aurora」はBUMP OF CHICKENのライブで38回演奏されています。アルバム「aurora arc」のレコ発となる「BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 “aurora ark”」ではオープニングSE「aurora arc」の次の曲として演奏されました。
「Aurora」ライブ映像作品
| 映像作品「BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark TOKYO DOME」 | ![]() ![]() |
| 映像作品「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe」 |
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| 映像作品「BUMP OF CHICKEN TOUR Sphery Rendezvous at TOKYO DOME (2 blu-ray)」※限定生産(2024年11月25日金沢歌劇座公演) |
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以上、BUMP OF CHICKENの「Aurora」の歌詞の意味と制作エピソードについて解説しました。






「jupiter」
「涙のふるさと」
「Butterflies」

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