【楽曲解説】 カルマ vol.1

11th Single 『カルマ/supernova』 収録 (2005年11月22日発売)
作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
作曲時期:2004〜2005年
レコーディング時期:2005年(プラネタリウムのレコーディングより前)

『カルマ』は2005年に発表されたシングル曲です。PS2ゲーム『テイルズオブジアビス』の主題歌としてタイアップされ、シングル売上は60万枚に達する天体観測以来の大ヒットとなりユグドラシル期以降を代表する1曲です。カルマという言葉は仏教用語で”自分のなしたことことが自分に返ってくる”という”因果”を表す言葉で、「業(ごう)」とも言い換えることができます。それではどのようにしてこの曲が生まれたのかを簡単に紹介します。




テイルズオブジアビスとのタイアップ

ナムコからのオファー

2004年頃にゲーム会社ナムコからテイルズシリーズの企画段階の新作主題歌としてのオファーがあり、バンド側とナムコとの間で意思疎通を図るために何度も打ち合わせが重ねられました。会議ではメンバーもゲームのあらすじが書かれた企画書に目を通し、最終的にバンドの鳴らしたい音楽とゲームの方向が同じだということでタイアップを引き受けることになりました。タイアップは2003年の映画ワンピース主題歌としてのsailing day以来のことで、ゲームのテーマソングとしては初めてでした。またこの時は単純にオープニングのテーマソングのみのオファーだったのですが、藤原自らの逆オファー(?)により劇中曲(カルマのリアレンジバージョン)の制作ものちのち行うことになります。

カルマはバラードだった?

サビのメロディの元ネタは断片はユグドラシル制作の頃からあり、元のアイデアではもっと遅いテンポの構想だったそうです。

“カルマはマイナー調の速い曲なんですけど、最初はこのサビメロがもっとミドルかローくらいのテンポだったんですよ、どっちかっていうとバラードになるかもしれないネタのストックの中にあったメロディで。” -bridge 2013 #6-

その後、遅くとも2005年4月までには完成しており、藤原が4月にスタジオで3人の前で新曲プラネタリウムを弾き語りした時は、増川、直井、升の3人はまさにカルマのレコーディングに向けた練習をしている時でした。


歌詞

一番最初に元ネタとして「必ず僕らは出会うだろう〜」、「初めて僕らは出会うだろう〜」の部分は存在していて、そのあとに他の部分をつけたして書いていきました。作詞している時は、”ガーーーっと鳴らしてドーーーーっと書いた”といい、比較的あっという間に書き上がった曲です。

ずっと書きたかった”カルマ”というテーマ

インディーズ期から交流のあるsyrup16gの楽曲にも「神のカルマ」(2002年)という楽曲があり、藤原に影響を与えた可能性がありますね。藤原は以前よりカルマというテーマを書こうとしていましたが、難解なテーマをあえて易しくわかりやすい歌詞にはしたくないと考えて敬遠していました。

“業って宗教用語ですよね。だけどそういう宗教的な意味合いで使ったわけではなくて、考え方によっては歌わなくてもよかったことかもしれないですけど、これについては結構昔から何度も考えてたんですね。だからこういう抽象的なものになった気がします” -B-PASS 2006#1-

またExciteのインタビューではカルマというタイトルを歌詞を読み取る”物差し”として使って欲しいと述べています。

助けた人がいましたっていう事実がまずあって、それに対していろんな人がいろんな物差しを当てて考えて、“受け取り方”が決まる。この曲の場合には、「カルマ」っていうタイトルが、その物差しになっていると思うんです。<必ず僕らは出会うだろう>っていうフレーズに「カルマ」っていう言葉を当ててみて欲しいし、<鏡なんだ 僕ら互いに>っていうフレーズに「カルマ」っていう物差しを当てて計ってみて欲しい。<ここに居るよ 確かに触れるよ>っていう言葉に「カルマ」っていう物差しを当ててみて欲しい。 http://ent2.excite.co.jp/music/special/bump2/int2_01.html


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“同じ悲鳴の旗”

「同じ悲鳴の旗」という歌詞の解釈について、”傷ついた/傷つけた “や”喧嘩した”という行為には必ず対になるパートナーが存在しており、二人で一緒になって作り上げたものだということです。さらに”被害者と加害者”の例を出しながら説明しています。

“傷つけた自分と傷つけられた自分。どっちかわかんないけど、必ずそこにはパートナーが存在していて。例えば自分が傷つけた側で、向こうが傷つけられた側だとしたら、当然向こうは悲鳴をあげているだろうけど、それに気づいた時にあ自分も悲鳴をあげているんですよね ・・・<略> 「同じ悲鳴の旗」っていうのはそういうことなんですよね。お互いが同じエネルギーの集合体、同じ出来事の中で掲げた旗をずっと持って生きてるんだと思うんです。” B-PASS 2006#1

そして一つの出来事で同じ旗を掲げているということに気づいた時、謝ったり、喧嘩したり、もう一回友達になったり、いずれにせよ決着をつけるべきだとしています。決着をつけることで互いに初めて存在を認識しあうそうです。

<あとがき>
今まで単純に「誰かと出会う歌なのかな?」と思っていたので、今回の記事を読んでくださった方には、カルマのもう一つの聴き方を体験していただければ嬉しいです。

今回から少し文量を短くして記事にします! 読む方も書く方も大変なので!
新記事にするのか、この記事に足すのか不明ですが、資料はどっさりあるので少しずつ書き足したいと思います!