楽曲解説:オンリーロンリーグローリー vol.1 -解釈と解説- *3/4更新

6th Single 「オンリーロンリーグローリー」(2004年)
4th Album 「ユグドラシル」(2004年)
作詞作曲:藤原基央

オンリーロンリーグローリは2004年7月7日に発売されたメジャー7枚目のシングルで、BUMP OF CHICKENにとって初めてオリコン1位を記録した曲となりました。

前作「sailing day/ロストマン」から1年3ヶ月ぶり、バンドにとって一番長い沈黙を破ってリリースされた新曲であり、疾走感のあるビートに清涼感を感じさせる流線的で粒の細かいサウンド、1音1音余計なものがない洗練されたトラックとなっています。

この記事ではオンリーロンリーグローリーが作曲された過程について当時のインタビューを交えて紹介していきます。



作曲背景

ロストマン作曲時(2002年)頃からアイデアがあった

作曲時期:2002年末~2004年4月12日

ボーカルの藤原基央さんは2002年1月〜9月の間、9ヶ月間という長い時間をかけて”ロストマン”の歌詞を書きました。その作詞作業をしている時に別の曲のコード進行やメロディのアイデアの一部が生まれており、この曲がのちのオンリーロンリーグローリーとなります。

2002年9月にロストマンを書き上げた後に、その曲のアイデアに歌詞をつけようとしたりしましたが、embraceや同じドアをくぐれたらなどの他のアルバム曲を制作しました。

仮題 『ナイン』/『Nine』/ 『9』だった!?

作曲時期:2002年末~2004年4月12日
プリプロ制作:2003年秋
レコーディング:2004年春

藤原さんがまずデモ音源を作り、次にバンドでプリプロ音源を録り、そして本番のレコーディングをするのがバンプの基本的な制作順になります。

藤原さんがこの『タイトルなし』のデモ音源として仮ボーカルを入れた後、スタッフの人がMDにデータを落としながら「曲名は?」を聞いたので藤原さんは「まだ(タイトルは)ないんですよ」と答えました。するとスタッフは『ナイン』とラベルに書いて保存してしまいました。

プリプロ制作 -2003年秋 –

作曲時期:2002年末~2004年4月12日
プリプロ制作:2003年秋
レコーディング:2004年春

embrace録っていたときにはもうあったいんじゃないかな。2003年秋にはプリプロはもう終わってて、でも詩も曲もついてる曲が他にあったんでそれをやってたって言う感じ。で、そのまんま春になった。 – 升 – 

2003年の秋、embraceや同じドアをくぐれたらをレコーディングした後にこの『タイトルなし』の曲のプリプロを制作しました。

プリプロとはプリプロダクション(Pre-Production)の略でCDに収録するための本番レコーディングを想定して、全体のサウンドイメージを確認するために行う録音のことです。各自のパートの確認、音色の確認、全体のバランスを確認します。

同じ録音といっても、レコーディングとプリプロ制作では録音機材が異なるため音質が全く異なります。CDに収録されるような音質でレコーディングするには数百万〜数千万円単位の非常に高価な機材とそれを扱う専門スタッフなどが必要になるので、アレンジやサウンドイメージを最終確認するためにプリプロが必要となるのです。ちなみに2005年に”カルマ”のプリプロ音源がインターネット上に出回ったことで騒ぎとなったこともありました。

そして歌詞のないプリプロ音源を制作した後、車輪の唄やレムといった他のアルバム曲が先に出来上がっていたため、しばらく眠ることとなります。




詞の完成 – 2004年4月12日

藤原さんはコード進行や歌のメロディを考えた時から、何度も何度も作詞に取り掛かりましたが、なかなかうまく形になりませんでした。ユグドラシルというアルバム曲は、乗車権とシングル曲をのぞいて、オンリーロンリーグローリーを書こうとした結果生まれました。

この曲の詩を書こうとして、『embrace』、『同じドアをくぐれたら』、『ギルド』が出来た。『乗車権』とシングル曲以外、全てこの詩を書こうとして生まれた歌詞 - 藤原 – 

藤原さんは同アルバムに収録されている「太陽」を例に出し、”ドアノブが取れってしまいそうだ”という『太陽』に対して『オンリーロンリーグローリー』は”ドアノブに触れたあとの曲”だと表現しています。

「そしてその実をどうするんだ」

この1番の歌い出しの部分は、ドアノブに触れようか触れまいか迷っている状況だった人が、自分の意思かそれとも誰かに押されたからか、その経緯は別にして「(ドアノブに触れて部屋から出た、)それでどうすんの?」という客観的状況を「感情論抜きに問いかけている」という解釈になります。

ちなみにオケに詩ハメする作詞作業では、どうしても仮題「ナイン」を思い出してしまい、数字の”9″が頭に浮かんでしまったそうです。その後のインタビューで「ナインは遠回りさせるための道しるべのキーワード」だと述べています。

藤原さんは自身の誕生日である2004年4月12日の深夜から早朝にかけて書き上げました。

レコーディング – 2004年4月〜6月

2003年秋に「ナイン」のプリプロ制作をしてから、藤原さんが「オンリーロンリーグローリー」の歌詞を完成するまで約半年の間が空いており、その間は直井さん、増川さん、升さんの3人は各自練習していました。

オンリーロンリーグローリーのレコーディングは「曲の求める音」を出すために互いに指摘しあったり、意見を出し合ったりするなど、ストイックにレコーディングに向き合いました。

レコーディングは一に練習、二に練習。醜い部分も以前より互いに見合っていたし、受け止めるだけでなく、否定されたりしたりしていた。否定されていたまま泣き寝入りしていたわけではない。思い返すといろいろありましたねぇ、ずいぶんと暑苦しい事が(笑)- 藤原 –  

全員うまくなってた – 升-  

ちなみにこの曲のレコーディングはSpace Shower TVで映像化され、ドラムについて升さんと藤原さんが議論する場面や、直井さんが増川さんのギター演奏について「速ぇよ!」と話し合う姿があり、お互いに理想的な演奏へ近づこうとしている姿が垣間見れます。またレコーディング風景から、増川さんはがサンバーストのストラトキャスターを持ち、バッキングコードを弾いてることがわかります。

2006/02/08 19:13

ライブ演奏記録

2004年〜2006年は、増川さんはレスポールを使用しています。2013年の「ベストアルバム発売記念ライブ」(2013.08.09 at QVXマリンフィールド)からは赤いSGを使用しています。また増川さんは2004〜2006年まではサビもコードストロークをしていたが、2013年からはサビではアルペジオのリフを弾くようになりました。2004年〜2013年を通してサビの鐘の音がSEが同期で流れてます。

以上、簡単にオンリーロンリーグローリーについて紹介してみました。次にこの曲を聴くときは、こんな背景があったんだと思い出してみると新しい聴き方ができるかもしれませんね。